山中の日記 1
2013年6月3日
息子が殺された日から暫く経ってもまだ私がその事実を受け入れられていなかった時の事だった。ある考古学者のグループから昔の部族の伝承に伝え聞く死者との会話に関する遺跡が発見されたと聞いた。この事の確認とその記録のため、新しくこの日記を記していこうと思う。
どうやらそれはチベット地方の奥地山脈の間にあったとされる村にまつわる神殿のようだ。その村では死者こそ人の完成系としておりその神殿は村における儀式の地としていたようだった。神殿は墓地と一体化しており神殿での儀式を通して死者を祀り又その死者の力を引き出して使うとされているらしい。そしてその中には死者を呼び戻す、あるいは呼び出す事が出来たというそんな伝承があった場所のようだった。
実際眉唾なのは理解している。だが、コンマ以下の可能性だろうと、息子に会う、その希望が少しでもあるなら私はもはや、試さねば気が済まないのだ。
まずは明日、遺跡の詳細とその遺跡の調査チームに加えて貰えるよう話をしにいく約束を取り付けることが出来た。まずはそこから、やっていこうと思う。
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