第20話 友達のお見舞い
がんセンターに入院してる友達のお見舞いに先輩を誘って一緒に行ってもらいました。
抗がん剤の副作用で口内炎や吐き気で食べられない。
でも、免疫力が落ちてると生花はダメだし、、。
とりあえず、日持ちするゼリーのセットを持っていきました。
面談室で待っていると点滴棒につまりながらヨロヨロと歩いてくる人。
先輩なんかわからなかったようで。
「あんたー誰だっけ?」
うわーっ、さすがのB型発言だーー。
「ふうさん、まるちゃんですよ。」
「ええ?あんまり別人だから知らない人かと思ったわ。」
あの、昔、看護師でしたよね。婦長までやってましたよね。
もー勘弁してー。
友達はガリガリでした、髪の毛も抜けてしまってました。
それを帽子を取って見せてくれるんですけどね、ところどころは残ってるから余計にガーンとなってるのに。
「まゆちゃん、まあ、しょーがないよ。ハゲるのはさ。誰でもそうそう。」
ふうさん!!またしても不適切な発言。
ふうさんは独身で65で退職してからは遊びまくってました。海外とかもいきまくり。
「私なんかさ、毎日でかけとるよ。社交ダンスやら友達んちやらで楽しいわ。あはは。」
それ、今、話すことですか?
でもまあ、こんな天然な人がいてくれてよかったですよ。
友達とふたりだったら掛かる言葉も思いつかなかったですもん。
友達はとりあえずは退院後の生活調整中らしいです。
引きこもりと言うか、働けない息子さんがいるので退院後は家事とか介護してもらえそうですし。
少し安心しました。
そこから池下まで行き天丼ランチを食べました。
美味しかったです。
別れぎわ
「あんた、地下鉄乗り間違えないように。いい?本山で乗り換えるのよ。何かあったら電話しなさい!」
ふうさん、75歳、誠にしっかりされております。
私は本山で迷子になりましたよ。
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