第8話 儀式

 国王の巨大なベッドも今では俺専用のベッド。四人がベッドの上に乗るのだって楽勝だ。

 無理やり連れてきた相棒とクロカワはガタガタ震えてるが、まずは俺が見本を見せてやるか。 

 幸い、イロカは若いが経験豊富みたいだしな。


「ちゅぱ、ちゅる、ちゅ」

「あ、んちゅぶ、れろ」


 まずは濃厚なキス。ヤミナルとは違って恥じらいもなく、積極的だ。

 舌を絡ませて、唾液を混ぜ合わせる。 甘ったるい香水の味がする。

 相棒とクロカワの見ている前で、イロカの口内を蹂躙していく。


「んちゅ、んんっ♡」


 イロカは目をとろんとさせながら、俺の首に手を回して抱きついてくる。

 俺はイロカの身体を弄る。

 遊んだりするには丁度いい肉付きで、なかなかの感触。イロカは存分に体をくねらせて反応してくる。

 そこら辺の商売女よりも断然若々しい肌で、香りも初めて嗅ぐタイプ

 意外と拾いモノだな。


「ああっ♡ レイヴァ様、上手っ♡♡ あーし、こんな逞しいキス初めてかもっ♡」


 俺は唇を離し、イロカの顔を見下ろした。


「ふん、どうだ? これが俺の女にする愛し方だ」

「あーし、レイヴァ様に愛されちゃったんだぁ♡ もう、レイヴァ様に尽くすしぃ♡」


 媚びる笑顔はまだまだ余裕があるが、その瞳の奥には確かな熱と欲望があった。 それを確かめて、俺は次のステップへ移る。

 服を脱がせ、生まれたままの姿にする。 俺も同じく全裸になった。


「うわ、す、すごっ!(ちょ、今まで合コンでヤッた大学生や社会人やパパ活のおじさんたちと比べ物にならないんだけど!)」


 余裕ぶっていたイロカも俺の全裸を見ると、ちょっとだけ顔を引きつらせていた。

 過去の男と比べてるのかもしれないが、俺と比べられる男はそうはいねーだろう。

 そして……


「お、おお、これが……エロゲのモザイクで明らかにならなかったレイヴァの……」

「きゃああああああああ、や、やだ、ああ、あ!」


 同じ男として相棒は唖然とし、そしてクロカワは顔を真っ赤にしてメチャクチャ怯えてる。


「なんだ~、クロカワ。お前、男の裸を見たのは初めてか?」

「っ、ひ、あ、ああ、やだ、たすけ……」

「ぐわははは、安心しろよ。お前の相手は俺じゃねえ。ヤリたくなったんなら相手させてもらうが、お前の相手は相棒だからよ」


 俺の言葉に、クロカワは相棒のほうを振り向いた。

 相棒は相棒で顔を真っ赤にして、目を泳がせて混乱状態。


「ほら、相棒! お前も脱いで、さっさとクロカワを抱け!」

「ッ!?」

「これぞ相棒成立の儀式ってもんだ!」


 俺がそう言うと、二人は顔を真っ青にして絶句してる。

 なんだ? 相棒がちっとも動かねえな。クロカワを抱きたかったんじゃねえのか?


「い、いや、その、レイヴァさん、お、俺、俺さ……そういうのはまだ……」

「あ? 何を言ってやがる」

「その、俺、こういうのはちゃんと好き合った人としか……だ、だめだっていうか……」

「は? 相棒、てめぇ、何を寝ぼけてやがる?」

「い、いや、だって、そんな、黒川さんを抱くなんて……俺、そんな……」


 いや、別に好き合ってなくてもヤッても問題ないだろうが。

 それとも相棒は男のくせにそんなに身持ちが硬いのか? 異世界の人間だからか? だけど、イロカは全然問題ないみたいだし……ん? まさか……


「相棒! まさかお前……お前も経験なしか!」

「ッ!?」

「ああ、なるほど! そういうことか! お前、童貞か!」

「う、うう……そ、そうだよ……わ、悪いかよ」

「いや、別に悪くねえが……おいおい、俺の相棒が童貞か……いや、でも、それなら仕方ねえ」


 まさか、この俺様の相棒となる男が女を一度も抱いたことないとはな。

 根暗だとは思ったが、まさか単純に女に慣れてないから、ビビってんだな。


「ぐわはははは、なるほどな。相棒もクロカワも初めて同士でお似合いじゃねえか。なーに、初めてならなおさら、互いに見せ合うことで勇気を分け合うってやつだ」


 そうだ、これもいい機会だ。


「相棒、俺がお手本を見せてやる。だからよく見て勉強するんだな。俺のやり方をよーく見て、クロカワを抱くときの参考にしろ。なーに、見取り稽古ってやつだ」

「み、とり、けいこ……」

「クロカワ、お前もだぞ。お前は相棒のために覚えろ。男はみんな女を抱きたがるもんだ。相棒も例外じゃない」


 クロカワは顔を真っ赤にして怯えたままだ。

 そして、相棒も真っ赤になって俯いてる。 こいつら、ホントに初心なんだな。


「さあ、じゃあ今度こそ見せてやるぜ! 俺の抱き方ってやつをよ!」

「ちょ、まっ、レイヴァ様ぁ~、マジでぇ?」


 俺はイロカをそのまま押し倒す。そして――――――



――――♥♥♥♥♥♥




「と、まあこんな感じだ、相棒、クロカワ」


「「////////////////」」


「イロカ、お疲れさん。なかなか良かったぜ」


「ぴんく……の……ぞうさん♥♥♥」



 俺が体を離すと、イロカはベッドの上でぐったりと横たわり、息も絶え絶えになっていた。

 相棒とクロカワは、二人揃って真っ赤になり、目を見開いて固まっていた。

 まさに初心者同士、刺激が強すぎたようだ。

 俺はイロカの頭を撫でながら、相棒たちを見下ろして言った。


「これで終わりじゃねーぞ、相棒、クロカワ。ここからだ」


 相棒とクロカワがビクッと震える。 俺の言葉の意味が分かったんだろう。



「次はお前たちの番だ」


「「!?」」


「じゃあ、相棒。クロカワを抱いてやれ。もちろん、今度は俺が見てやる。安心しろ。俺が全部見ててやる。だから―――」



 ビビってる二人の背中を押してやる。なんて優しいんだ、俺は。



「それとも初めて同士があれだってんなら、イロカ、お前が手ほどきして相棒に女を教えてやれ! んで、俺がクロカワに男を教えてやるってのもいいなァ~」


「「ちょっっ!!??」」


「~♥♥ ……ふぇ、まぢ?」



 だが、あんまりイジイジしているようなら、互いにパートナーをチェンジして、無理やり――――


「お兄、いる? 大変だよ! ……って、相変わらずまたエロエロなことして……このエロエロ大魔神お兄!」


 と、そのとき、ノックもしないで部屋に入ってきた。我が愛しの妹のシスクだ。


「なんだよ、シスク。今取り込み中だぜ?」


 顔を赤くして怒鳴ってくるシスクに、俺は少し不満げな視線を向けた。

 せっかく相棒とクロカワをくっつけるチャンスだったのによ。


「もう……って、そんな場合じゃないの、大変なんだってば! すぐに服着て来て!」

「あ?」


 シスクはだいぶ慌てた様子。血相を変えている。

 一体何事かと思ったら……


「なんか……し、視察で……視察で、マキ姫さまが来たって!」

「………なに?」


 それは俺もまた完全に予想外の人物の名前。 

 偉大なる魔王様の娘にして、魔界の姫たるマキ姫が、こんなところに?

 すると……


「あ、そうか……マキ姫の登場は序盤だし、確かにそろそろか……」


 相棒がハッとしたように呟いていた。








【回数状況】

・姫騎士勇者ヤミナル:13回

・異世界黒ギャル・花見色香:6回






――あとがき――

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