第25話 俺、祭りを楽しむ!!

カンカンッドンドンッカカッカッドンドン……

多くの人が道に集まっていた。

屋台が立ち並び、多くの列ができていた。

「おおー、人が多いなー」

「そりゃあ、お祭りだからねー」

俺たちは今祭りに来ている。焼きそばやうどんなどたくさんの屋台があり、盛り上がっていた。

「クラムの脅威があるって言われてるのに、みんな来るよねー」

「まあ、クラムが現れても、カルムがいるから大丈夫っていう考えの人が多いんだろうねー」

日向が周りを見渡しながらそう言った。

「ま、来ないように注意しないとな」

「だね!あ!りんご飴あるーれい兄!買ってー」

「ええー、自分で買えよー」

「だって、ただ飯食べたいじゃん」

「俺の金を使い切るつもりか!!」

「奢ってくれないなら、夜中にお母さんが好きなスイーツを食べてるってお母さんに言ってやろー」

「奢らせていただきます」

「変わるの早!」

俺たちはじゃれ合いながら、出店を回っていた。


「あ!零!」

「ん?あ…悠真!みんなも!」

ばったり会ったのは、悠真達だった。

「この祭り来てたのか」

「ああ、友達と一緒に夏の思い出作りたくてな」

「いいねー」

俺は悠真の友達の方を見た。

「ねぇ、悠真?」

「ん?どうした?」

「……なんか女子率高くね?」

悠真の友達は男子が悠真を入れて2人、女子が5人いた。

「そうか?まあ、多い方か」

悠真はこれが当たり前だと思っていたらしい。

「ゆーーうーーまーーー!!!!てめ!この!モテ男が!!!お前、前の海の時、俺、モテないんだよねーって言ってたじゃねーか!!騙しやがったな!!!」

「ええええええ!!!も、モテてるのか?これ」

「モテてなかったら、女子が5人も来たりするかよ!この!裏切り者ーー!!!」

「イテテテテテッ!!」

俺は悠真の首を絞めてやった。

「れい兄待って!ストップ!!」

「ああ!止めるんじゃ………」

止めるんじゃねえ!って言おうとしたら、急に寒気が来た。

俺は恐る恐る女子の方を見ると……

「!!!!!」

般若の顔をした女子がこっちを見ていた。

「あばばばばばば!!!」

俺はガクガクと震えてきた。そして…

「「「「「悠真くんをはーーなーーーせーーーーーー!!!!」」」」」

「うわぁぁぁぁあああああ!!!!」

5人の女子がいっせいに襲いかかってきた。間一髪のところで、避けたが、凄い顔で追ってきた。俺は全力で逃げた。


「ぜぇーはぁ…ぜぇーはぁ…し、死ぬ…」

「笑笑めっちゃ走ってたね」

あれから1時間、俺は女子から逃げ切った。

流石にしんどすぎて、地面に座り込んでしまった。

「ゆ、悠真は?」

「あー、もう屋台の方見に行っちゃったよ」

「そ、そうか…」

俺は息が整うまでうずくまっていた。


「ふぅ…よし、食べまくるか」

「あれだけ走ったのに…食べれるんだ…バケモノ」

「誰がバケモノだーー!!」

俺は日向の頭をぐりぐりしてやった。

「痛い痛い…」

ぐりぐりぐりぐり…

「痛いって言ってるでしょうが!」

「ごふっ……」

日向にお腹を殴られた。

「はぁ、しつこい!」

「……すみません」

「とりあえず、回るよ!」

「へい!」

俺は日向の後を追った。


「うまーこの焼きそば美味すぎ!」

「ん!このパイナップル冷たくて美味しい!」

俺たちは屋台で食べたいものを買って食べた。

焼きそばのソースの香ばしい匂いや、パイナップルの酸っぱい匂いが漂っていた。

「あ!ヨーヨー釣りあるじゃん!やろ!れい兄!」

「ええー…めんどくさ……あーー引っ張るなー!!」

日向に引っ張られて、ヨーヨー釣りの屋台まで連れて行かれた。


「昔、よくやったよねー」

「だな、取りすぎだ!って父さんに怒られたっけ?」

「それで腹がたったのか、れい兄が、ヨーヨーをお父さんに投げつけてたよねー」

「はっはっはっ!あったねーそんなことー」

俺たちはヨーヨーを釣り上げながら、昔のことを懐かしんでいた。

「…………あ、あのーお二人さん」

「「ん?」」

顔を上げると、屋台のおっちゃんが困った顔をしていた。

「釣り上げすぎじゃないかね?」

「「え?」」

俺たちが釣り上げたヨーヨーを見ると、桶に20個…いや、25個ぐらい入っていた。

「「あ…」」


「また、やっちゃったねー、おじさん困ってたね?」

「だなー、ついつい、取りすぎてしまう…お!あれ、射的じゃね?」

「あ!本当だー」

「一回やってみるか!」

「いいね!やろうー」

俺たちは射的をやりにいった。


「おっちゃん!2人、やらせてもらうよ?」

「はいよー、うまく狙ってなー」

おっちゃんから弾をもらったため、銃に詰めた。

「よし!取りますかー」

「あ!れい兄!あのゲーム機最新じゃない?」

「え?嘘だろ!switchじゃん!!これは取らないとなー」

「だねだね!私も手伝うからさ!取れたらやらせてよー」

「えー、しゃあないな」

「やった!」

俺たちはお互いに銃を構えた。

射的の台から1.5mぐらいの距離にswitchがあるのだが、真正面から打つと落としづらい。

(ふむ、ここは………)

俺は日向の方を見た。向こうもこっちを見ていて、何をするのか分かっていたらしい。お互いに目が合うと、頷き合った。


パンッ!!パンッ!!

2人同時にswitch目掛けて銃を撃った。同時に弾がswitchにあたり、少しぐらついた。

弾が発射した瞬間に俺たちは次の弾を詰めた。

そして、ぐらついた瞬間に詰めた弾をまた、同時に発射した。

その弾も見事的中。switchがそのままの勢いで下に落ちた。

「なっ…お、大当たり!!」

カラカラカラカラッ…ベルが鳴った。

「よっしゃ!!!」

「やったー!!!」

「や、やるじゃねーか、ほれ、景品だ」

おっちゃんがswitchを渡してくれた。

「よし!いい買い物した!」

「いや、ショッピングしたわけじゃないんだけれど?!」

「まあまあ、細かいことは気にするなー!次行くぞー」

「はぁ…まったく」

俺たちは他の屋台も見て回った。


俺たちは屋台のそばにあったベンチで休んでいた。

「はぁー疲れたー」

「結構回ったねー」

「いや、しんどいよーおじさんにはきついです。」

「待って待って、私たちまだ、15歳よ?おじさんになるの早くない?あと、れい兄がおじさんなら私おばさんじゃん!嫌なんですけれど」

「ううう…腰いてー」

「おじさん発言するなー!!」

「何騒いでるんだよ」

「「へ?」」

振り返ると、魁斗と蓮斗、龍牙の3人がいた。

「あれあれ?2人でデートですかー?」

「おい!誰がデートだ!俺らは兄妹!デートじゃねーわ!」

「えー、本当にー?」

「本当にー?」

「ぶっ飛ばすぞお前ら」

「「こっわ……!!!」」

龍牙と蓮斗が魁斗の後ろに逃げた。

「おい、俺を盾にするな」

「だって、れいちゃんが怖いんだもん!」

「そうだもん!」

「おいこら!引っ付くな!!離れろ!!」

「やーだー、魁斗ーたーすーけーてー」

「こんの……!!!おらぁ!!」

「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!!」

龍牙の顔面に魁斗の拳がクリーンヒットした。

数メートル飛んでいった龍牙はピクピクとしながらぶっ倒れていた。

「ふぅ、まあ、あのバカは置いといて、俺たち今から穴場の花火スポット行くけれど、2人はどうする?」

「え!そんな穴場スポットあるんですか?知りたいです!行きたいです!」

「れいちゃんは?」

「お任せしますわー」

「了解、じゃあ行くか」

「「おおーー」」

俺たちは移動することにした。


「おおおーーーー結構広いなー」

「花火どこから上がるんだろう?」

「全然人がいないね、これなら花火見えそう!」

「確かに!早く始まらねぇかなー」

「そんなすぐに始まるかよ」

俺たちは空を見上げていた。その時だった、

「皆様、お集まりのようですねー」

「「「「「!!!!!」」」」」

振り返ると、見知らぬ人物が5人立っていた。

「誰だ?あんたら」

すると、リーダー格っぽい男が前に出て話してきた。

「これは失礼、怪しいものではありません」

「いや、めっちゃ怪しいけれどな、5人とも全身黒いし」

「あのお方からあなた方の始末を命じられまして、なので、あなた方のお命、頂戴いたします。」

そういうと、5人が武器を構えてきやがった。

「おいおい、まだ、花火が始まってないってー」

「せっかく花火楽しみにしてたのに!!」

「まあ、運動にはなるだろう」

「今日の屋台飯の分消費しますかー」

「うへぇーゲームしたいー」

「蓮斗、あいつらを早く倒したやつが勝ちな」

「よし!ボコそう!!」

「「「「動くの早いな!!!!」」」」

俺たちはそれぞれの能力で獣を呼び出した。


「来い!ストロームハウル!!」

「現れろ!紫紺!!」

「暴れろ!テンペストクロー!!」

「燃えたぎれ!ヴォルカノ!!」

「大地震わせ!朧月(おぼろづき)!!」


「あの世に送ってあげますよー」

「はっ!お前らが先にくたばれ!」


※あとがき

うっす!龍牙です!

なんか、れいちゃんが日向っちと祭り楽しんでやがった!!ずーるーいー、俺もみんなと遊びたかったのに!!!


はぁ、さて、めんどくさい奴らが来やがったよ

仕方ない、久々に…真面目になるかぁー


次回、祭り編 猛獣

お楽しみになー

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