第15話 俺、流星姫に会う
暑い日、みんなは何するー?俺はねー絶対家でゴロゴロするー!
はい!如月 零です!今日も元気いっぱい頑張ります!
さてですね、みんなが何するのか…こんな質問をした理由…それは…
今が体育の授業中だからです!何が関係あるんだよ?って思うよねー
今、クッソ暑いの!俺、暑いの無理なの!つまり、早く帰りたいと言うことなのです。
「れいちゃーーん、さっきから何してるんだよ」
龍牙の声が聞こえた。
「りゅーーーーたーーすーーけーーてーーー
暑すぎて、死ぬよーーー」
「いや、死なないだろ!あと、この暑さで死ぬなら、お前、陽炎を扱う時、どうなるんだよ!あれ、くっそ暑いだろ!」
「あれは……慣れだ!」
「いやいや、だったら、この暑さも毎年のことだから、慣れてるだろ!!」
「いーや、冬が一回挟まれるから、慣れないんですー」
「なら、暑い国でも行ってこい!」
「無理ですーお金ありませーん」
「ああ言ったらこう言うなーーいいから、耐えろボケ!!」
「うわーー龍牙が悪口言ったー」
「何してるんだ!お前達!話を聞きなさい!」
「「はい……」」
俺たちが授業中に話してしまったため、体育教師に怒鳴られた。
「怒られたじゃん…」
「いやいや、れいちゃんが悪いんでしょうが」
俺たちは真面目に授業を聞いた。
体育の授業の内容は、体力測定だった。男女で分かれて、各項目の測定を行うという、中学生の時もやったようなことをする。違うのは、能力を使わなかった時と能力を使った時の測定をするということらしい。つまり、2回同じ内容を測定すると言うこと。めっちゃめんどくさいのだ。
(こんなん測るのかよ、こりゃあ時間がかかるなー)
俺は早く帰ることができないことを悟って、泣きそうになった。
最初はハンドボール投げにした。因みに、回る順は自由で回る相手も自由だった。とりあえず、時間内に終わらせれれば良いらしい。
俺は悠真と一緒に回っていた。
「悠真ー見ててくれよー」
「ああ!こーーーい!」
俺はハンドボールを投げた。
ボールがバウンドした場所に悠真が向かっていった。
「34m!すごいな!」
「はーっはっはっは!俺の能力抜きの実力よー」
「あはは!なら、能力有りならもっと行きそうだね」
「ふっふっふっ、やってやるさ!」
俺は能力を解放した。
力がみなぎってくる。
(少し調節しないとな…力入れすぎて、やばい記録出したら、何されるか……)
俺は本来の力の10分の1程度の強さで投げることにした。
「おーーーらーーー!!」
俺の投げたハンドボールが、さっきよりも遠くへ飛んで行った。
「えーっと、52m!すっご!」
「ええーでも、カルムの平均だろー?」
カルムが能力を使ってハンドボールを投げた時の平均記録は、男子で50m〜78mとされている。女子は35m〜55mとされている。
「まあまあ、記録としては良いんだから!さ!次は俺だ!」
そういうと悠真は投げる場所へ向かった。
「行くぞー零ー!!」
「おおー!こーーーい!」
悠真がハンドボールを投げた。
「えー…30m!」
「あちゃー、ちょっと伸びなかったか。」
「わはは!俺が伸ばしすぎたようだな!」
「何だと?!言ってくれるねー」
悠真の目つきが少し変わった。
「よいしょーーーーーーーーー!!」
悠真が能力を解放してハンドボールを投げた。
「え!」
記録は……
「68m」
「よっしゃーーー!!」
「ま、負けたーー!!」
能力解放ハンドボール投げでは負けてしまった。
「はぁー、測定するだけで疲れる…しかも毎回毎回、能力の入り切りを行わないといけないなんて…はあーだる」
「ため息ばかりだね?零」
「うわ!つめた!!」
「ふっふっふっ…そんなため息ばかりついてるやつには冷たいもので頭冷やそうぜー」
「いや、ただ俺の頬に冷たいの当てて、驚かせたかっただけだろー」
「あ…バレた?笑」
「ったくよー」
俺たちは木陰で休みながら、他の生徒の様子を見ていた。
「ちょっと、頭濡らしてくるわ」
そう言って俺は手洗い場に向かった。
「い〜き〜か〜え〜る〜」
手洗い場の水はめっちゃ冷たくて、熱った体にちょうど良い冷たさだった。
俺が水を頭に当てていると…
「ふぅー、疲れたー休憩休憩!ん?」
俺の隣に誰か来た。
「お隣しつれーい、んっんっんっ…ぷはぁー、おいしーーー!!」
横でいい飲みっぷりの人物は女子だった。
「美味しそうに飲むねー」
「ん?ああ!うん!美味しいお水好きなんだー」
「へえー、体力測定してたのか?」
彼女の服装が運動する服装だったからだ。一応、この学校の体操服はあるのだが、それを必ずしも着なくてはならないと言う決まりはない。つまり、ジャージでも何でも、運動ができる服ならいいと言うことだ。因みに俺は体操服である。理由はジャージとか持っていなくて、新しく買うよりも体操服があるならば、それでいいじゃんってなったから。
「うん!ほとんどの種目終わったんだー!後は走るだけ!」
「はや!俺なんてまだ、半分やったぐらいだぞ!種目」
「あははは!私、運動するのが好きだから、つい早くやりすぎちゃうんだよねー」
「凄いなーその体力、分けて欲しいーわ、あ!俺、如月 零です。名前は?」
「!!!…私、七瀬 芽衣(ななせ めい)!運動大好き女子でーす!!」
「よろしく!俺、1-3だけれど、七瀬は?」
「私、1-1、クラス違うね?」
「だな!でも、また、どっかで関わるかも?そん時はよろしく!」
「こちらこそ!よろしくね!それじゃあ、バイバーイ!」
七瀬は走り去っていった。
「おかえり!零、遅かったじゃん!」
「おう!ただいま、いや、今さっき手洗い場で女子に会ったんだ、それで、話してて」
「あーなるほど、それで、遅かったのか…どんな子だったんだ?」
「えっと、元気いっぱいだったな、明るくて、足が速いって言ってた。あと、運動が好きって…」
「ほうほう…ん?足が速くて、運動好きで、明るい女子?」
「え?うん、そうだけれど…あ!あの子あの子!」
俺が指を指した先に、七瀬が走り出そうとしていた。
パンッ!!スタートの合図が鳴り響いた。
七瀬がすごいスピードで、走り抜けていった。
「うお!すごいなー!はやーー」
「零、君、もしかして、何にも知らない?」
「え?」
「彼女、この学園の陸上部所属で、期待の新人って言われるほどの実力者だよ?この学園では、『流星姫』って呼ばれてる。」
「………マジか、通りで名前聞いた時、驚いた顔してたわけだ」
「うん、彼女、学園入学した時ぐらいから、有名だよ?知らなすぎるだろ笑」
「ううーむ、俺は疎いらしいなーそういうのは」
「まあ、これで知れたね?」
「ああ!」
「じゃあ、七瀬さんのことを知れたところで、続きしますかー」
「了解!」
俺たちは測定の続きを行いに行った。
「はぁー…終わったー!」
「お疲れさん、零」
体力測定が終わり、普通の授業も受けた俺は、校門を出ようとしていた。
ふと、俺はグラウンドの方を見た。誰かが走っていた。
「あれ、誰か走ってね?」
「ああ!確かに…誰だろう?」
俺たちがグラウンドの方へ向かうと…
七瀬さんがトラックを走っていた。
「七瀬さんだ!」
「本当だー走ってるね」
「期待の新人って言われているからこそ、努力しているんだろうなー」
「だな!すごいよ彼女は…」
俺たちは応援することにした。
◾️????? 視点
「おい、準備は進んでいるんだろうな?」
男が、もう1人の男に確認をしていた。
「はい、準備はしっかり進んでおります。奴らを殺す準備が…」
「ふっ…それで良い、カルムどもを根絶やしにできる絶好のチャンスをしっかり探れ。その時が来た時、世界中のカルムが世界を襲う兵器となる!クックック…楽しみだな…」
※あとがき
走りの姫キターーー!!いや、1人はこう言う女子欲しいよねー?
はい、ベルメールです。
さて、今回は、何やら怪しい雰囲気が……一体奴らは誰なのか、何を企んでいるのか…
零たちの活躍、楽しみ!
次回、俺様男 降臨
お楽しみにー
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