第5話 俺、ヒロイン達と遭遇?!
「誰?あんたら」
何でか知らないけれど、見知らぬ女子から今絶賛睨まれ中です。龍牙は、何だこいつ?みたいな顔してて、魁斗は話の邪魔をされてちょっと不機嫌気味、蓮斗は怖そうな女子が来て、俺の後ろに下がって、ちゃっかり俺を盾にしている。
って盾にするな、蓮斗!
「あんたら誰?って聞いてるんだけれど?」
そう言ってくる女子は、金髪のロングで、草薙学園の制服を着崩していて、如何にもギャルでーすって言ってる様な見た目をしていた。めっちゃ睨んでいるため、怖いという感情しか来ない。
「いや、こっちが聞きたいんだけれど、君たちこそ誰だ?」
魁斗が静かに彼女に答えた。
「はぁ?こっちが先に聞いてんだけれど、何?あんたら、あたしらの話聞いてたの?マジでキモいんだけれど?消えてくれない?目障りだから」
あらーめっちゃバカにされてるんだが、あと、口が悪い…顔は綺麗なのに…
「俺達の方こそ君達に聞きたいんだけれど、俺らは何もしてないし、聞いてないし、消えるのはそっちじゃない?目障りなのもさ」
「はぁ?」
なんか、険悪な感じするんだけれど…
「まあまあ、2人とも落ち着けよー」
声がした方を見ると、龍牙だった。
「こんな屋上のとこで言い合っても意味ないじゃん、それに、君たちも1年生でしょ?俺らも1年生なんよ?だから、仲良くしてくれない?争いとかしたくないんだよー」
龍牙が頼み込む様に手を合わせてそう言った。
魁斗は気まずそうな顔をした後、分かったって言っていた。案外、魁斗は龍牙に弱いのかもしれない。
女子も龍牙に頼まれて渋々と言った感じで、怒りを収めてくれた。
女子達は俺たちから離れた場所でまた、話し始めていた。俺たちは俺たちで話し出す。
「魁斗ー怒っちゃダメでしょ、向こうもびっくりしたから、ああ言っちゃっただけだろうし」
俺は魁斗に一応叱った。
「はぁ、別に怒りたかったわけじゃないさ、でも、あんなにも怒りをぶつけられたら、誰だって嫌な気持ちになるだろ?それに、俺たち何もしてないし、話してただけだし」
「そうだけれど…まあ、いいや、この話はここまでにして、で、あの日からどうしてたかって話だったか?」
俺は、みんなの気持ちが切り替わる様に話題を変えた。
「そうだな、俺はずっと家にいたぞ、たまに手伝えって言われて、現場に行っていたが…ずっとゲームしてた。」
俺は淡々と今まで何をしていたか、話した。
「俺はそうだなー中学の時の友達と遊んでー姉ちゃんと買い物行ったり、母さんの手伝いしたらしてたかな?戦闘はしてねーぞー」
龍牙は家族の手伝いをしていたらしい。
「僕は、そうだな、機械の開発や小説の連載、あとはそうだなー推しのアイドルのライブや握手会に行ったよ、可愛かった」
蓮斗はまあ、十分楽しんでいたみたいだ。
「そういうお前はどうだったんだよ?」
俺は魁人にどんなふうに過ごしていたのか聞いてみた。
「俺は…いい感じに過ごせてなんかいないさ、あれ以来、カルムを見ると思い出す、どうにかすることが出来たんじゃないか?って、苦しみも怒りも与えずに助けてやれたんじゃないか?って…そう考えちまって…」
魁人はそこまで言うと黙ってしまった。まだ、立ち直れていないらしい。
「別にお前のせいであいつらが苦しんだわけじゃないだろ?お前のせいではなくて、あいつらを苦しめたクソ野郎のせいだろ…」
竜牙が何とか元気づけようとしていた。
「そうだが…」
まだ、立ち直れない様子だった。
「まあまあ、この話はさ、また今度にしようぜ、つまんねえ話してもテンション下がるだけだぜー」
竜牙の一言でこの話は切り上げた。
「それにしても、まさか4人とも同じ学園にいるなんてなーびっくりしたわ!」
俺は大袈裟に驚いてみた。
「まあ、カルムになった人は大体この学園に入学するよねーあとは、東の方にある瑞龍学園(ずいりゅうがくえん)、西にある白嶺学園(はくれいがくえん)、南の方にある朱炎学園(しゅえんがくえん)、北の方にある泰山学園(たいざんがくえん)の4つの学園があるらしいし。」
それぞれの学園はここ草薙学園を中心に東西南北にある。どこの学園も高い実績があり、多くのカルムはこの5つの学園に入学する。
蓮斗の説明を聞きながら、俺はこれからのことを考えていた。
(飯にするかー?それとも、飯にするかー?)
「なあ、れいちゃん、今、飯のことしか考えてなかっただろ?」
「え、何で分かった?超能力者か?」
「いや、顔見たら分かるし、何年一緒にいるんだよ?」
龍牙にめっちゃ呆れられた。こいつに呆れられるなんて…今日は雨が降るのかな?それとも、雪?雷?早く帰ったほうがいいかな?
「今絶対失礼なこと考えていただろ?」
「う、ううん、キノセイキノセイ…」
「何でカタコト?余計に怪しいんだが?れいちゃん?」
「怖いってー」
龍牙とのじゃれ合いを魁斗達は呆れ顔で見ていた。すると、ガチャッ、ドアが開く音がした。
全員でその音の方を見ると……
「あ!」
「「「「あ」」」」
そこにいたのは、日向だった。
「教室を龍牙さんと一緒に出て行ったと思ったら、こんなとこで…何してんの?」
「いやー、4人揃うの久々だから、集まろーってなったんだよー」
「はぁ、やっぱり忘れてる…」
「え?」
忘れてる?俺、何か忘れてたっけ?
考えてみる…………………………………………
何も思い浮かばん……
(え、マジで何かあったっけ?覚えてないーー、こ、これは殺されるか?俺…)
マジで覚えて無さすぎて、日向に怒られそうなんだが、いや、もう怒ってるな、これ…
「明日買い出しに行くから、付き合ってね?って昨日に伝えたはずなんだけれど……忘れてたんだね?ん?れい兄?」
「あ…」
思い出しました。昨日の夜に
[明日買い出しに行くから、荷物持ちよろしくー]
って一方的に決めてきた約束だったわ。俺行くって言ってないけれど……てか、何で荷物持ちだよ、めんどくせぇー
「今、めんどくさいって思った?」
「え…」
何でバレてんの?こわ、こいつもこわ…超能力者増えた…いや、元々超能力者だったか。
「いや、れい兄が分かりやすすぎるんだよ?とにかく、行くよ!買い物」
「ええー嫌だーー俺はゲームをするっていう仕事がーーーー」
「い・く・よ?」
「はい………」
俺は、言われた通り素直に言うことを聞くことにした。日向のところへ行く時、俺は、龍牙達の方を見た、助けてという意味を込めて、
だが…
「「「どうぞどうぞ、行ってきてください」」」
全くもって助けてはくれなかった。
裏切り者だ、こいつらはーーーーー!!
※あとがき
いつも読んでいただきありがとうございます。
ベルメールです!
次回からこの場で予告だけさせていただきます。
あと、日向ちゃんがお兄ちゃんのことを
「れい兄(れいにぃ)」と呼ぶことに変更したことをお伝えします。
次回は、買い物で、はちゃめちゃなこと起こるぞ!てか、クラム登場!
お楽しみに!
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