クラス転移と太陽と星月の欠片

白緑紫炎(旧黒薔薇)

―Prologue―

―Prologue―

―まえがき―

 私の他の作品を読んでくださったことのある方はお久しぶりです。はじめましての方ははじめまして。どうぞ楽しんでくださると作者が喜びます。


以下本編



――転移一日目


 目を覆うような光が収まったことで俺達はそれぞれ目を開けた。


「よくぞ召喚に応じてくれた。異世界の住人たちよ」


 偉そうな椅子に座った三十代後半くらいのおっさんが、俺達がへたりこんでいる場所よりも一段高い場所から声をかけてきた。

 なぜこんな事になっているのかわからず、ここに至る流れを混乱しながら思い出していた。



――時は少し遡り、日本六月某日午前十時頃


キーンコーンカーンコーン


「今日の授業はここまで。号令お願いします」

「き、起立、礼っ。ありごとうございましたっ」


 数学の蜂谷先生が授業を終わらせると、小動物のような雰囲気を持ったクラス委員長の

佐々木ササキ リンが号令をかけた。


「「ありがとうございました」」


 委員長の号令を合図に俺(十六夜イザヨイ 蒼太ソウタ)を含めた生徒は全員起立して授業終わりの挨拶をした。


「そうだ、次回小テストをしますので前回やった内容の復習を行っておいて下さい」


 そう言って蜂谷先生教室から出て行くのを見送った。


「ふう、やっと終わったな……蒼太」


 俺が一息ついていると、すぐ後ろの席から腐れ縁の幼馴染みである高梁タカハシ レンが話しかけてきた。


「ああ、そうだな」

「なあなあ蒼太、次の授業って何だっけか?」

「次の授業は……小鳥遊先生の古典探究だな」

「サンキュー、蒼太」


 ちなみに小鳥遊先生は、このクラスの副担任でモデル体型。それにもかかわらず前髪が目元にかかっていて少し地味な印象を受ける。しかも、身のこなしからは何かしらの武術を修めているっぽいんだよな。

 そんなことを考えながら次の授業の準備をしているとオタ友の一人小田オダ 千聖チヒロ通称オタが話しかけてきた。


「蒼太氏、この間勧めてくれた漫画とても面白かったです」

「おっ、もう読んだのか早いな」

「オタ活しかやることがないですからね」

「さすがオタ、オタクの鏡だねぇ」


 オタに貸したのは、最近書店で見つけたクラス転移モノだったな


「いやー、つづきがとてもきになりましたよ。あ、これ返しますね」

「おう、ありがとな。俺も続きが楽しみだよ」


 オタやその友人とは気が合うからな。

 ふと、時計を見やると授業開始二分前になっていた。


「そろそろ席に座ってください〜、授業が始まりますよぉ」


 この間延びしてふわふわとした喋り方は小鳥遊先生だ。

 彼女は去年大学を卒業したての新人の先生だが雰囲気や授業のわかりやすさからとても人気なんだよな。っと、チャイムが鳴ったな。


「それではぁ、授業を始めますね〜。号令をお願いします〜」

「起立、礼。よろしくおねがいします」


 授業はじめの号令をかけたのはクラス副委員長でメガネがトレードマークの陸上部にして小動物委員長の彼氏でもある光永ミツナガ 優希ユウキ だ。

 やつは、インターハイで入賞するくらいの選手で。陸上部の次期エースとも呼ばれている。あ、ちなみに委員長は陸上部のマネージャーだ。

 そんなこんなで授業が始まった。


「ではぁ、教科書の――」


 だが、全員が席につき指定されたページを開こうとした瞬間教室が目も開けられないほどの眩いまばゆい光につつまれた。


 


 


 



―あとがき―

プロローグなので少し短めです。

次回は9/22の12:30に更新予定です。

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