1章-3話① 初PTと閃き一閃!?

翌日、目を覚ますと、床に転がり寝落ちしたせいか、背中と首に痛みがあった。


「いてて…硬いとこで寝たらやっぱよくねーや」

首をグリグリと回しながらストレッチをする。


床の上に散らばるケーブルや雑誌が身体に食い込んでいたせいで、ストレッチをしても、まだジンジンと痺れる。


「さて、今日もワルビル、頑張っていきますか!!」


今日はPT狩りに挑戦してみようと考え、スマホでPT掲示板の募集を見る。


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PT募集掲示板

•初心者キャリーPT 1時間1万円

•高難易度PT Lv15~ ヒーラー急募

•わいわい歓迎 まったりPT狩り募集

•犬狩りPT 職不問 どなたでもどうぞ@1

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「おっこれいけんじゃね?メッセ送ろ」


犬狩りPTにメッセ送る。返事はすぐにきた。メッセの内容を確認してから、すぐにログインする。


---《ログイン》---《始まりの街*噴水前広場》


集合場所に到着して、PTメンバーを探す。


「騎士の見た目で赤いのぼり旗を持っている男が、目印って――おっあれだな」

目印の騎士を見つけ、人混みをかき分け近寄る。


「どうもメッセ送ったディスラナイトです」

「よろ~」

「うぃす」

「よろしくお願いします」

「ども」


「じゃあ自己紹介サクッとしますか」

騎士の男が仕切り始める。


「Lv3、騎士見習い、リューク」

「Lv2、ハンター見習い、ノエル」

「Lv3、魔法使い見習い、デュラ」

「Lv5です、神官見習いの雪です」


おっと…。

みんな職業があるのか、俺まだ無職なんだよな。


「Lv2、無職見習い、ディスラナイト」


「いやいや。ちょ。無職見習いはないでしょ」

デュラが笑いながら言う。


「いやあ…適性検査?が上手く表示されなくて、職業欄まだ埋まってないんですよね、ははは。」


エラーだったからしょうがない!

俺は悪くない!


「あーバグったりする人は無職扱いになるらしいっすね」

リュークが冷静に言う。


「プレイスタイルで自ずと更新されたりするらしいよ!」

ノエルが言う。


ほうほう?

じゃあ別に無理して職業決めなくていいのか。


「ディスラはアタッカー?」

ノエルが聞いてきた。


「アタッカーです」

リュークが手を叩いて注目を集める。


「じゃあ狩りにいきましょうか!今日は掲示板で書いた通り犬狩りになります」


「俺がタンクやるので、前衛はディスさん」

「メインアタッカーはデュラ」

「釣りはノエル、雪で回復に専念」


「「「「 りょ!! 」」」」


全員が気合い十分に声が揃う。

声が揃って返事するのは気持ちがいい。

さぁ出発だ!


---《初心者エリア》


街を出てすぐに狩りが始める。


ノエルがヘルドッグを見つけ、弓でファーストアタックを取る。


そのままヘルドッグを引き付けて、リュークのところまで走る。


次にリュークがヘルドッグに仕掛けて足を止める。


そこに俺とデュラが攻撃を入れる。


雪は味方のHP管理をし、適切なタイミングで回復をする。常に全体を把握してなきゃ、できないポジションだ。


仲間の動きと自分の動きが噛み合った瞬間、胸の奥でカチッと音が鳴ったように気持ちが高揚する。

鼓動は速くなるのに、不思議と呼吸は乱れない。ゲームなのに、まるで本当に心臓と仲間がリンクしているみたいだ。


PTが安定しだすと、ノエルは次々にヘルドッグを連れて来る。

確実にワンパンしないとPTが崩壊する為、安定したとはいえ、ほどよい緊張感がある。


この、安定とほどよい緊張感、全員が役割を全うする連帯感、パズルのピースがハマるあの感覚。MMORPGの心地いい瞬間だ。


1時間ほど狩りをして、全員Lvが2上がり、各々、新しいスキルを習得した。


【反復スキル*薙ぎ払い】習得


--- 1章-3話②へ続く

---【毎週月・水曜21~22時頃更新!】

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