伝説のチートギルドマスターが大量BANされ、再ログインを試みたら異世界に転移していました

Rédo HDY

プロローグ

いつものように、主人公であるクリカスは怠惰な日々を過ごしていた。


オンラインの賭け事、通称**ポーカー**から得る金で、彼はいつも勝利を収めていた。


しかし、それは彼が幸運だからではない。彼は常にチートを使い、ゲームに勝っていた。


クリカスは常に不正行為を働いていた。対戦相手がどんなカードを持っているかを知るために、彼は違法なプログラムを使っていたのだ。


そう、対戦相手全員のカードが、クリカスにはすべて見えていた。


相手の手札が自分より悪いと分かれば、クリカスはチップを全て賭ける。


相手がそれに乗ってくれば、その時点で相手のチップはすべてなくなる。なぜならクリカスは、相手が勝利する可能性が少しもないことを知っているからだ。


退屈な時は、毎日一日中眠って過ごしていた。寝て、寝て、そして家から出ることはなかった。そんな毎日を繰り返していた。


しかし、今日は少し違った。彼は久しぶりに外に出てみた。近所にあるゲームレンタル屋に行きたくなったからだ。


そのレンタル屋は、子供の頃によく通っていた場所だ。しかし大人になった今、時間のやりくりが難しくなり、最近はめったに立ち寄ることはなかった。


**カデルおばあちゃんのレンタル屋**。


そこは、とても厳しいおじいさんとおばあさんが経営している店だった。


懐かしさを感じながらゲーム機で遊んでいると、隣で同じようにゲームを借りている小さな子供が話しかけてきた。


「ねぇ、お兄ちゃん。このゲームの裏技、知らない?もう3ヶ月以上やってるんだけど、まだクリアできないんだ」


子供はそう言った。


クリカスは心の中で思った。

*「え、このゲームってクリアできるのか?これってクイズゲームだろ。1つのクイズが終わっても、また次のクイズが出てくるはずだ」*


彼は子供からゲーム機を受け取り、ゲーム内の設定メニューを見た。


すると、ゲーム内に未完成のシステムがあることに彼は驚いた。


そのシステムは、ゲームをクリアした者が、好きなクイズミッションを自由に選べるというものだった。


クリカスは素早く子供のゲーム機のボタンを連打した。すると、子供は叫んだ。


「うわあああ!お兄ちゃん!入力できた!すごい!」


クリカスは悪そうな笑みを浮かべ、ゲーム機を子供に返した。子供は母親からプレゼントをもらったかのように、とても喜んでいるようだった。


それからクリカスは自分のゲームに戻った。時間が経つのもあっという間で、ゲーム機を借りる時間が終わってしまった。


すると同時に、レンタル屋のおばあちゃんが大きな声で叫んだ。


「おい!おい!おい!アンタ、時間切れだよ!延長したいならカネを払いな!さもないと、さっさと帰りな!遊びたいやつは他にもいるんだからね!」


おばあちゃんは怒鳴りつけた。


「あー、もう帰ります」


クリカスは穏やかな声でそう返した。


おばあちゃんに怒鳴られても、彼はまったく怒らなかった。むしろ、とても幸せに感じていた。子供の頃から、このおばあちゃんにはしょっちゅう怒鳴られていたからだ。


それが、クリカスが幸せに感じる理由だった。怒鳴り声や厳しい言葉が、子供の頃の懐かしい思い出を呼び起こしたのだ。


そして、クリカスは席を立ち、家路についた。


帰り道、彼は道を歩きながらスマホゲームに夢中になっている人々の多さに気づいた。


今や誰もがモバイルに移行している。そのせいで、ゲームレンタル屋やインターネットカフェはとても閑散としていた。


すべてが手軽になり、わざわざネットカフェやレンタル屋に行く必要がなくなったからだ。


モバイルがあれば、他人がゲームを終えるのを何時間も待つ必要はない。


気づけば、クリカスはネットカフェの前に立っていた。


昔、彼がオンラインゲームに明け暮れていた場所だ。


毎日、このネットカフェにお金を費やしていた。しかし今、この場所はとても静かだ。


モバイルが主流になり、当時のプレイヤーたちも大人になった。それが、ネットカフェが昔ほど賑わわない理由だ。


クリカスが中に入ると、やはり店内は閑散としていた。


昔のように、コンピュータを借りるために何時間も待つ人はいなかった。


店内には、オペレーターを含めて3人しかいなかった。そして、いつものようにゴデックスはコンピュータの画面の前で眠っていた。


ネットカフェの管理で眠いのか、それとも単に怠けているのか。なぜ彼がいつもコンピュータの前で寝ているのか、僕は一度も尋ねたことがない。


**ゴデックス**はネットカフェのオペレーターだ。僕は彼を昔から知っている。なぜなら、このネットカフェは僕にとって第二の家だったからだ。


僕は熟睡しているゴデックスを起こした。


「おい!おい!おい!起きろ!ホームレスタイムは終わりだ!早く起きろ、遊びたいんだ!」


ゴデックスの目はゆっくりと開き、意識を取り戻した。


「え、クリカスか……。久しぶりだな……。死んだのかと思ったぜ、はははは」


ゴデックスは笑いながら言った。


「早く起きろ!遊びたいんだ」


ゴデックスはまだ眠りたそうだったので、僕は彼を押し続けた。


「あー、待て待て。まだ覚えてるぞ。お前、まだ借金があるだろ。かなり前のことだけどな」


ゴデックスは片眉を上げて言った。


「うっわ、マジで記憶力やばいな、お前。ほら、これ金だ。ついでに1時間だけプレイする」


僕はそう言って、ゴデックスにお金を渡した。


「OK。PCは9番の隣だ」


ゴデックスは8番のPCを指差した。


僕は8番のPCの場所へ向かった。僕の隣、9番のPCには2人のティーンエイジャーがいた。


一人がゲームをプレイし、もう一人がそれを見ていた。


彼らは時々、インターネットを見ている僕をちらりと見ていた。


僕はなぜ彼らが僕をちら見しているのか怪しんだ。そこで、僕はその理由を探ってみることにした。


すると、僕の勘は正しかった。彼らは僕のPCにキーロガーを仕掛けていたのだ。


**キーロガー**は、人のキー入力を記録するツールだ。そのため、僕が何をしているか直接見なくても、僕が書いたり入力したりする内容を彼らは知ることができる。


例えば、僕がアカウントのパスワードを入力すると、彼らは自動的にそのパスワードを知ることになる。


キーロガーは、他人のゲームアカウントやソーシャルメディアアカウントをハッキングするためによく使われる。

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