一分で読めるショートショートコメディ集『温かな、こじょはん』

すちーぶんそん

庭掃除


 それがあるのは土曜日の朝。片付けるのはいつも決まってボクだった。


 それは毎週現れた。きっとこれをしたのは熊みたいな大きさの犬だろう。さぞかし立派な犬なんだろう。


 だからボクは町中の庭先を巡って、大きな、大きな犬を探してた。一度だけでも会ってみたかった。会って「なんで?」って聞いてみたかった。


 でもある金曜の晩、知ってしまった。


 父さんだった。


 酔った父さんは、大きく立派な熊だったんだ。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る