影族の日常
影猫atスニャーン
第1話「平和なる世界の闘争前夜」
魂の流れが乱れ、不浄な魂が天国へ送られるという異常事態から始まった最初の衝突。
影族は「秩序の冒涜」として光族に抗議したが、光族は「光のみを見る」という絶対主義を崩さなかった。
やがて人間界・バルカン半島で発生した魂の裂け目をめぐる交渉は決裂し、光の巨人の侵攻をもって戦端が開かれる。
戦場は神世界の中層領域から人間界のヨーロッパ・中東へと広がり、影神・影吉氏と、光猫・光人・光の柱・光の巨人らが激突。
この戦いは人間界に「見えざる大戦」として爪痕を残し、後の大戦の伏線となった。・・・これが第1次光影大戦
第1次戦争の教訓から、上層神は「魂の選別分担制」を導入。
しかし光族の一柱、光人がこれに反発し、選別権を独占せんと暴走。
人間界で光の柱を強制起動させたことで、ソウルドレイン(魂の大量流出)が発生する。
世界は第2次世界大戦の爪痕から立ち直る間もなく、再び神々の戦場と化した。
アメリカは戦中の干渉で既に崩壊、国家機能は消滅。ロシアは魂流出の直撃を受け民族ごと消失。中国は神門領近くで光の巨人が顕現し、多民族国家が瓦解。日本・オーストラリアは影族の加護が働き、比較的安定。カナダ・フランスは光族に反発し、反神組織が台頭。
この混乱の最中、影猫・影吉氏・影人の連携が光り、暴走した光人と光の柱を制圧。
影族は辛くも勝利を収めたが、記録は封印され、人間史には残されなかった。・・・これが第2次光影大戦
幾度もの大戦を経て世界は新たな秩序を得た。
かつて神々と仏が人々の前に顕現し、戦火と奇跡が入り混じる日々を過ごした時代は終わりを告げ、2015年の現代。人々は平穏の中に、なおも神話の残り香を抱えて暮らしている。
街には戦争遺構が点在し、崩れた塔や焦土の跡地はそのまま保存され、かつての神格大戦の爪痕を静かに物語る。だがその一方で、人と神、仏は共に生活を営むようになった。姿を隠して人に交じる神もいれば、堂々と社や寺を拠点に共生を謳う存在もいる。
そして世界最大の祭典──世界神格王決定戦。
人と神仏が力を競い合うこの戦いは、ただの見世物ではない。新たな英傑を育て、次代を導く者を選ぶ神聖な儀式として定着していた。そのため、各地には壮大なバトルアリーナが建設され、戦いは観戦者の熱狂を集めつつ、教育の場でもあった。
子供たちは普通教育を受ける傍らで、「神格英傑」となるための特別な訓練課程も整えられている。剣技、術式、精神修養──選ばれし者は神や仏の加護を受け、人類の未来を担う存在へと育てられていく。
表向きは平和な現代。だが人々は知っている。戦いの炎は完全には消えていないことを。
遺構の陰には今なお眠る脅威があり、神格王決定戦の舞台裏では、次なる歴史の転換点を狙う者たちが蠢いているのだ。
そんな世界の中で二代目影神こと影猫と影神四人衆の影人、影吉、影竜、影猿、そして彼らに救われた影主は今日も人として暮らしてる
・・・
2015年、東京都のとある下町。
古びた木造二階建ての「吉島アパート」には、10の部屋が並んでいる。
その一室――101号室には、人ならざる存在「影族」たちが共同生活を送っていた。
六畳間のちゃぶ台を挟んで、影竜と影猿はテレビゲームに没頭していた。
影竜は「ダサT」を着込み、操作が不器用ながらも真剣な表情でコントローラーを握る。
対する影猿は最新ファッションに身を包み、勝ち誇った笑みを浮かべながらボタンを軽快に叩く。
二人の勝敗をめぐる小競り合いは、101号室の定番の風景だった。
影猿(かげざる)「どうした、そんなものかぁ?あの時の奇跡の勝利を起こしてみろよぉ~?」(大きめの声で)
影竜(かげりゅう)「あおったところでなにも出ないぞ。」(真剣な声で)
その隣の部屋では、影吉が床に広げたプラモデルのパーツを丁寧に組み立てていた。
工具を片手に、彼は「着やすさ重視」のラフな服装で、夢中になって部品をはめ込む。
勝負や派手さとは無縁だが、影吉の穏やかな集中力は101号室に静かなバランスをもたらしていた。
影吉(かげきち)「あいつら楽しそうだがうるさい」(低めの声で)
キッチンでは影人がエプロンをつけ、手際よく鍋をかき混ぜながら洗濯機の稼働音を気にしていた。
動きやすさを最優先にした服装の彼は、料理、掃除、洗濯――すべてを淡々とこなす。
彼にとって家事は「戦い」であり、101号室を機能させるための重要な任務だった。
影人(かげびと)「あいつら家事ぐらい手伝えよ」(少し怒り気味に)
一方、影猫はパソコンの前に座り、動画撮影用のライトを調整していた。
流行に敏感で服装にも気を配る彼は、カメラに向かって饒舌に語りかけ、
今日もまた「誰に向けるでもない発信」をネットに投稿していく。
猫の影を背負いながら、彼は人間社会のデジタル空間に影を落としていた。
影猫(かげねこ)「やぁやぁ、皆の衆、こんかいは・・・」(楽しげな声で語り掛ける)
その頃、玄関先では影主が大家と向き合っていた。
安物の服に身を包んだ影主は、手渡された書類を前に、無表情で判を押していく。
大家は中高年の男性で、動きやすさ重視の服装をしており、106号室に住んでいる。
「継続の手続きだけは、きちんとしてくれよ」
そう言う大家に、影主は短く頷いた。彼の影は確かに「人」だった。
影主(かげぬし)・・・(恩人たちだしまぁいいか)(悩み気に)
そんな世界中の影たちのにカオスでおかしい日常話
影猫は1時間の配信を終え、みんなに話しかけるように
影猫は疑問そうに「この世界には世界神格王決定戦というものがあるらしいなぁ、だれか出るか?」
影人はあきれ気味に「そんな余裕ないよ。大体誰が家事をしてるんだ」
影猿は苦言気味に「俺が出ても簡単に勝てるのでは?戦うなら神様とかだなぁ」
影竜は真剣に「わざわざ出てまで人間と力比べする必要はない」
影主は横に首を振る
皆から言われた影猫は「今年の出場枠に影犬(かげいぬ)がいるんだが?」と真剣に言い、皆に見せると
影人は不思議そうに「大学の経営者が何してんだ?」
影竜は困惑気味に「えっ・・・(困惑)」
影猿は驚いて「ハイ~?????」
影吉はあきれ気味に「あいつはバカ犬か?」
影主は驚き顔のまま声を出さない
影猫たちはどうするか話し合った。皆、真剣な声で
影猫「これからほかの影族だって出る可能性だってある、これは光族に黙ってもらうチャンスだ」
影人「しかし俺らが出れば存在がばれちまう」
影猫「しかしここで黙っているわけにはいかない、これを機に光族が動くかもしれん、我々の存在を知らしめなければ」
影竜「またあの"光影大戦"が始まるかもしれないのか」
影猫「せっかくここまで復興したというのにこれはまずいことだ」
影猿「"武装大戦"は起こらないとしても、”光影大戦”はまずいな」
影猫「その通りだ、つまり戦争の道具にされてはいけない、これは英傑や神々たちの祭りなのだから」
影吉「仕方ない、ここは認めよう、だが影神には伝えさせてもらう」
影猫「ここは私が出よう、認められるか?」
影神四人衆、影主「あぁ、かまわない、行け、二代目影神(にだいめかげがみ)」
世界神格王決定戦の選手登録画面、これから始まるのは、戦という名の祭りだ
名前、種族、メールアドレス・・・と進み3ページ目の一番下にある選手登録ボタンを押した、、そして届いたメールには
選手ID:GOD-ahuiuh-10406
選手名:影猫
性別;なし
予選会場:フランス:リヨン・カミ・アリーナ
本選会場:日本:江戸・カミ・アリーナ
・
・
・
と返信不可のメールが届き
旅支度を始めた
・・・
一方影犬は返信不可のメールを見ていた、
選手ID:GOD-ahuiuh-10067
選手名:影犬
性別;なし
予選会場:イタリア:ミラノ・カミ・アリーナ
本選会場:日本:江戸・カミ・アリーナ
・
・
・
という内容のメールが届いていた
影犬は真剣な口調で「やはり自分の技術を見せる時が来たか、研究は時に戦闘を必要とする」
ふと、影犬は世界神格王決定戦の選手一覧を見る、ふっと笑いながら「おぬしもまた導かれたものか」
そこには「影猫」の名前があった
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