第4話
あれから一年。フェリオ•フォン•アーネストは、6歳になった。そろそろ、前世の記憶も薄れかけ、転生を受け入れ始めた今日この頃。いまだにテオルドとソフィアには会えていない。
一年もたったくせになぜなのか。もうずっと寝込んでて、歩けなかったんだよ言わせんな!外に出たいとか、そう言う願望もなくなってきた。外出たら普通にポックリ死ぬ気がする。それはちょっと、まだ嫌かなって。
だけどね、俺だってこの1年、何もやってこなかったわけではないんだよ。
俺はめちゃくちゃ双子ちゃんたちのことを気にかけた。
忙しい両親が時間を作ってくれるときは、2人は元気なのか。早く会いたい、どんな子なのかとお話しをする。
俺が1番信頼するカテリアには、2人のお世話をしてくれと頼んだ。俺の世話はいいから、たんと甘やかしてあげてってね。つーか俺は寝てばかりなんだから、お世話係なんていらないしね。
2人が悪役になってしまった原因って、愛情不足も原因だと思う。だから、両親ではないけど明るいカテリアなら!っておもって。……うーん。この圧倒的他人任せ感。
その結果かはわからないが、カテリアの情報によると、2歳になった2人はすくすくと元気に成長しているらしい。早く2人に会いたいよぉ。既に恨まれてたらどうしよう。うつる病気ではないと思うが病気をうつしてしまうかもしれないと思うと、迂闊に会いに行けない。そもそも2人に会いに行ける体力がない。あーあ。情けない。
カテリアも昼間は双子の世話をしているし、話し相手がいない。前世、本を読むのは苦手だったけど、今世は本だけが友達なのさ。俺がこんなにも本を読む人間になるとは思わなかった。
ちなみに。チートはないのか!俺になにかしらのスキルは備わってないのか!!と試した結果。
…………あったよ、一応。
『鑑定』
自分や、他人のステータスが見える、ゲームのパラメータみたいなやつ。
フェリオ•フォン•アーネスト(6)
公爵家長男
体力 3
筋力 2
武力 2
知力 29
魔力 111
幸運 20
とだけ。脳内ホログラムに浮かんできた。まぁ、これだけじゃね、俺がどれくらい低いかわかんないだろうから、カテリアを鑑定してみたんだよ。
カテリア(19)
公爵家メイド
体力 95
筋力 62
武力 40
知力 49
魔力 29
幸運 85
だってさ。可愛い顔した一般メイドのカテリアがこのステータスだよ?俺の何十倍。年齢差を考えても、俺のステータスなに?って感じじゃない!?
確かに俺は体力ないよ。ほんの数歩歩くだけで息切れしちゃうけど!3て!3はひどいよ!
筋力に至っては4よ!?最近は起き上がるのも、きつくて……え、やばい?これ。
武力も4だし!俺何になら勝てるの!?
知力もひっくいね!上三つの低さに誤魔化されてはいるが、低いよね!?俺、中身大人だったよね…?流石に不安になってきたわ。
せめてもの救いは魔力だけど。俺魔法なんて使えない!
つまり、いいとこ無し!!
これを見た日、一晩寝込んだし、流石に落ち込んだ。こんな、くそ現実見せないで欲しかった。しかも、ステータスは見れるだけ!おれは、もう一生この能力は使わないと誓った。
クーリングオフしたい。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます