6:コウベ 対 MΘNΘCERΘS その3
「■惑星ラスクデ使ワレテイル、宇宙兵装ト宇宙船ノ推進装置ニ発生スル、パテント料ノ全テヲ
「ザッ―――さっき、
「ふ、ふーん。姉さんが、飛びつきそうな話ねー」
「でも、そんな高っけーモン、毎回爆発させてたら、
「■何度、壊レテモ爆発サセテモ、バックパック内蔵ノ
「■ソレデモ
「はーっ。なんて、もったいない。50兆宇宙ドルとか、1基400万宇宙ドルとか。そんなお金有ったら宇宙ステーション、……どころか、小さめの惑星なら丸ごと買えそうじゃない! もったいない、もったいない―――けど、まあ、いいわ。高性能の理由が解ったし」
「ザザッ―――じゃあ、話を戻すぞ。あの、鉄の
「◆hfj※っdrlじゅw_」
ザッ―――ピピッ♪
宇宙服は文字入力を諦め、件の
”肯定”と言うことだろう。宇宙服に首を縦に振る自由度は無い。
「ザザッ―――さて、どうなってる?」
気の早い残念会会場では、B級映画のクリーチャー、”
大声を張り上げているので、
「―――こら! ”試作コード68”! ……”試作コード65”を放しなはれー!」
ビビビビビビヂヂヂヂヂヂッ♪
”
小鳥の眼の明滅パターンを、応答する側のコウベの眼が
本来の敵、
時折放つ、コウベへの
一角獣との距離が離れ、映し出される範囲が最大になったとき、隅に小さくフレームインしてきた顔長猫。
ジャングルの中に開けた
戦闘が
その円らな瞳の向いた先。
鉄塊の上で、ピタピタコスチュームのコウベは、小鳥の首を掴んだまま、小鳥の頭を ムギュムギュムギュッっと3回叩いた。
ビョビョビョォォォォォォォン!
どういう仕組みなのか、おもしろい音を立てる小鳥。
赤く明滅していた、瞳に黒い色が戻る。
コウベの瞳にも、髪と同じ色が戻った。
「自力で戻った!? ど、……どういうこと……でっしゃろ、あんな設計し……てやしまへんえ!?」
狼狽するVR設計師にして、今の姿は細身の巨漢の、
表情を”?”にする、
動きがないため、ズーーーーーームされ続けた、映像空間に、大写しの美少女コウベ。
有効攻撃力を持たない以上、どうやっても、負けてしまうのだ。
ヤケ気味なのだろう。
頭の上の小鳥は何やら
先ほどまでの、緊迫した空気は無い。
コウベは、鉄塊の縁から足をブラブラさせて座り込んだ。
開封された、
切れ込みが入ってて、手でも千切れるようだ。
その手づかみで千切り取った、天辺の
今まさに、牙を突き立てようと、眼前1メートルへ瞬間移動してきた、青い
「ザザザッ―――チョット待ってなさいよ。決着はコレ食べてからね」
獣は、着地して、口の中のおやつをモグモグモグ。
ピチチチッ♪
こっちにも寄越せと、小鳥に頭をつつかれ、しぶしぶ、千切って頭上へ突き出す。
コウベは、パッケージへ
「ザザザッ―――さっき拾ったコレ、……もぎゅもぎゅ……どうすんのさ。え? 何処でもいいから装備しろ?」
ドコにすっかな。やっぱし、ココかな!
カタカタカタ、カタカタカタ、タン。
と再び文字チャットへ書き込みだした。IMEの調子が戻ったっぽい。
「■最高ランクノ強度ヲ誇ル、”圧縮プロトコル”、『
「……長えな。えっと、つまりどういう事だぜ?」
映像空間に映し出される、美少女は、その
虹色に
「■『
小鳥が鳴くと、何故か光る真空管。その大きさは結構でかくて、直径10センチ、高さ15センチの円筒状。
コウベの髪を放電が流れ、ツインテールの先まで行って、オレンジ色の放電を放った。
同時に、わずかながら、コウベの体が
ウォ!?
一斉に
小鳥が鳴くと、何故か首の後ろから、右拳まで、”導電体による
ウオォォォ!?
小鳥が鳴くと、何故かもう片拳にまで、線が引かれ、再装填。
両拳共、再使用可能になるまでのタイムゲージはまだまだ、残っていたにも関わらずだ。
ウォオォォォォォオォォォォ!
小鳥が鳴くと、頭の上の真空管が強烈な強さで光り出す。
ペカーーーーーーーッ!
正直な話、それほど格好良くは見えない。それどころか、頭の上の電球は、間抜けで有り、何が閃いたの? と問わずには居られない。それでも、取りあえず、迫る敵と渡り合える武装が使用可能になったのだ。多少の見てくれの悪さを気にするプレイヤーは居ない。
バリバリッバリ! 毛先から鉄塊へ流れ込むオレンジ色の放電。
もはや、地に足は着いていない。ほんのちょっとだが浮かびっぱなしだ。
ウォオォォォォォオォォォォォォォオォォォォォォォォォ!
歓声に答えて、大爆発する、ワルコフ謹製、
ドッガーーーン!
爆発に驚いた、顔長猫達は再び、木々の茂るジャングルの奥へ逃げていく。
コウベは華麗に宙を舞い、ムーンサルトで決戦場の中央、
が、足を取られ、円盤へペタリと女の子座りを披露した。
かっ!
ざわつく観客。
「ザザッ―――「「「「か?」」」」」
かわいぃぃぃぃぃぃぃーーーーっ!!
半狂乱の観客たち。期待と手詰まり感の漂う中、何か、やってくれそうなパワーを身に付け、あまつさえ、コケたドジを隠すように、「失敗失敗」と、猫手で頭の上の真空管をコツン。
「ザザザッ―――あんな芸風、どこで覚えやがった!?」
色めき立ち、大口を開ける
「ぎゃーーーーーーーーっ!!!」
叫んだのは細身の巨漢の、無骨で泡立つような、
取り乱す余りに、キャラに設定された音声ライブラリで発音されている。
「い゛ーーーや゛ーーーや゛ぁーーーーー!」
「歌色ちゃん
意地悪な表情を張り付かせ、嬉々として、赤い”自動機械”から、次々とおやつを取り出して並べていく、
「あ゛て゛ぇは、……あ゛んなこ゛と゛……せ゛えへんも゛ん!」
「もぉうー、すっかりー打ち解けたぁ、ようでぇーすねぇー」
猫耳ヒューマノイドは、ほっと胸をなで下ろした。
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