4-4 お前なんて犬に食われちまえ!

「は、ハーグッドを殺していない!?」


 完全に予想外の展開に、言葉が詰まるエンジェル・アイ。

 その表情がよく見えるように、リタは彼女の前にしゃがみこんだ。


「ああ、んで、ついでにお前の悪事も公の場に暴露させてもらう。にひひ」


 リタはやおら立ち上がると、ウインクをしてみせた。


「今度はお前が捕まる番だ。なあに、慣れれば、牢屋の中ってのもわるかないもんだぜ」


 その時、銃声が鳴った。

 どうにも先ほどの爆発に生き延びた兵士が撃っているらしい。


「リタ、行こう」


 ウィルがそう言う。

 リタはそう言って馬車の荷台に片足を預け、大きく片手を広げてみせた。


「さらば、エンジェル・アイ! また会おうぜ!」


 リタは去り際に後ろ手で左手の中指を立ててそう喚いた。


「この、クソアマがぁーーーー!」


 エンジェル・アイの心からの叫びが、朝陽の眩しい荒野に雷鳴の如く轟くのであった。

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