第28話

 リドランの駅を出発して1日経たずタダルカス王国の駅に到着した。ほかの駅とは段違いに大きなその場所は何本もの列車が発着しているのだろう、見渡せば都会の駅とまでは言わないがホームに並ぶ人達は多い。そして出口の方に目をやると、そこから入国審査があるらしく長蛇の列が出来ている。


「こりゃぁ時間が掛かりそうだな」

「そうですね…まだ早朝にも関わらずこれだけ並んでいますので、審査が終わるのは昼過ぎかになるでしょうか…」

「うへぇ…こりゃぁ辛いなぁ…」


 審査を行う通路を見れば、三人の兵士がダラダラと特に何かをしてる風でもなく気だるそうに一人ずつ確認している。当然並んでいる人達は苛々しているが、文句を言えば直ぐに他の兵士が来て、連れて行かれるらしく誰も何も言わない。


「あんな奴ら映画なら、お金とか掴ましてすんなり通してくれそうだけどな」

「なるほど、あっあそこ見てください」


 ぽろっと小さな声でイサムが漏らした言葉が聞こえたメルだったが、その横から素通りする商人らしき者が見える。そしてさりげなく後ろの台に小さな麻袋を置くとそのまま何事も無く駅の外へと出て行く。


「やっぱり賄賂か」

「では私も行って来ますね」

「え? おいおい、大丈夫かよ」


 恐らくはメルも賄賂を掴ませる気だろうと気が付いたが、本当に大丈夫なのか不安そうに見つめるイサムの心配をよそに、メルと兵士が何やら話し手渡しているので上手く交渉成立したらしい。そしてイサムを手招きで呼び、直ぐに裏側の通路から通して貰えた。


「すごいなメル、何て言ったんだ?」

「簡単です。主人は急いでいますので、あなた方三名分の一月分のお金を差し上げますので通行の許可を下さいと言いました」

「そりゃ通すな、数分で一月分稼げれば」

「どのみち下っ端でしょうから、上司にばれれば即没収でしょうけどね」

「案外メルは腹黒いな」

「そうですか? 黒くは無いと思いますが…」


 そう言うと服を捲ろうとするメルの手を慌てて抑える。


「まてまて、そう言う意味じゃない! 悪い! 言葉のあやだ」

「そうなのですね…失礼しました」


 元はお姫様だった事を思い出し冷や汗を拭うイサム、駅をでると大きな繁華街へと繋がっている街路にでる。人通りも多く食べ物屋や道具屋、武器屋防具屋等が建ち並び様々な種族でごった返している。


 「やはり獣人が見当たらないな」

 「そうですね…奴隷として売られていると聞いていますから繁華街の方でしょうか?」

 「そうだな…見たくはないが、この国の現状を知るには必要な事か…」


 二人は足取り重く繁華街の方へ歩いていく。大きな国である為に、歩く人は多く道も綺麗に舗装されている。その道幅が更に大きくなった先に露天などとは比べ物にならない程の繁華街が見えて来る、そこは多くの人で賑わっており、とても悪政が行われている国には見えなかった。


「随分と賑やかだな、本当に悪い国なのか?」

「いえ、あそこを見てください。獣人の子供が売られています」


 メルが言うその先には、首に革のベルトと手足には逃げられない様に拘束具を付けられた小さな獣人の子供がいる店を見つける。そして目を上にやると、堂々と獣人の顔を模した看板まで取り付けてる。


「本当だな…胸糞悪くなる」

「イサム様、余り大きな声で言うと兵士に通報されますよ」

「ああ…そうだな、気をつける…それじゃぁ白々しく値段とか聞く振りして近づいてみるか。メル、ここから俺は悪役を演じる。黒髪の女は城に何かしら影響を及ぼしてるはずだから、上手く城に入り込んでその皇太子に接触できないか探ろう」


 イサムは腕を組みながら目を瞑り、少しだけ冷静になる様に自分に言い聞かせている。


「奴隷を買う気ですか?」

「おいおい、本気で言ってるのか?」

「いえ、冗談です」

「と思ったよ…売る奴をどうにか懲らしめないとな。奴隷なんて絶対許せない」

「ふふふ、勢いで奴隷商を倒さないでくださいね」

「わかってるよ。メルはここで待っていてくれ…演じるんだ、悪役を…」


 メルを残しゆっくりと店の前に近付く、白々しく獣人の子供を品定めしている様に見せる。獣人の子供は女の子だろうか、酷く怯え顔には既に精気が無い。こみ上げる怒りを抑えていると奥から怪しげな中年の男性がでてくる。


「どんもどんも、今日はどういう子をお探しです?」

「ふむ…そうだな、こいつ以外は店の中に居るのか?」


 野外に繋げてある獣人の顎を持ち上げ目を見ながら、イサムはそれとなく店の中を覗く。


「勿論で御座いますよ。ベへへっささっどうぞ中に」

「そうか、見せて貰おう」


 気持ちの悪い中年の店主は中へと案内する。入り口こそ人一人通れる程狭かったが、店内に入ると一転し割りと広い部屋に出る。その中には大小さまざまな檻に入れられた男女の獣人が沢山居た。


「ここから出せ!」

「おうちに帰りたい! ママ! パパ! 何処に居るの!」

「殺してやる! お前ら絶対殺してやる!」


 檻の中から聞こえる声に、店主が傍にあった長い棒を掴み振り下ろす。


「黙れ獣人共! ここで死ぬか売られて死ぬかどっちが良いんだ?」

「まぁ待て待て、活きが良いのは良い事じゃないか。それにしてもこんなに居るんだな。この獣人達は何処の出身なんだ?」

「べへへっこいつらは最近皇太子殿下の反感を買ったとかで潰された村の者達らしいです。数名は既に慰み者として皇太子殿下へ献上致しましたがね。べべべべっ」


 店主は気持ちの悪い笑い方をしながら話しを続ける。


「何でも皇太子殿下は、初物が好みらしいので入荷したら必ず取っとく様にと大臣様からきつく言われているのです。旦那も初物好きでしょぅ。べっべへへへ」

「はは、そうだな…それで、大臣は次はいつくるんだ? 同じ日に買って目を付けられたら困る、それにしろ御用達なら値が張るんじゃないか?」


 胸糞が悪くなる会話だか、買い付けに来る日が分かれば上手く城の中に入れるかもしれない。


「べっべっへへ賢いお考えだ。そうですねぇ…今日買いに来ると兵士の方がお話されていたので、もう少ししたら来られるんじゃないですかねぇべっへへへ。金額の方はそうですねぇ…大臣様のお眼鏡に適わなかった者なら安く致しますよ」

「…そうか、なら鉢合わせするとまずいな。一旦外に出て、大臣が帰った後にしよう。やはりお忍びでくるのか?」

「そんなことないですよっ堂々と馬車で店の前にお付けしてお買い物致します。べっへへ」

「…なるほど、じゃぁまた後でだな。じゃましたな…」

「べべべっでは後ほどまたお願い致します、べっべっべっ」


 そう言うと、イサム達は店をでて奴隷店から離れる。そこへメルが飲み物を買ってきてくれる。


「ありがとうメル…本当にやばかった…あのクソ野郎…っ」

「いえ、よく我慢しました」


 イサムは飲み物を一気に飲み干し大きく呼吸する。レモンの風味が漂うスッキリな後味がイサムの怒りも少しだけ抑えてくれる。


「大臣が今日買いに来るって言ってたぞ、でもその後どうやって城に入ればいいのか思いつかないが」

「四千年前と同じ造りのままなら、皇族室へ入れる秘密の通路を知っています。今晩そこから入りますか?」

「そうだな、一応馬車と大臣を確認したら食事して宿を取るか」

「そうですね、では暫く待ちましょう」


 大臣が来る時間がいつか分からないが、それまでは奴隷店を見張る事にした。そして二時間位が過ぎた頃に目的の馬車はやってくる。


「イサム様、あの馬車です。タダルカスの紋章が入っています」

「あんなに堂々と店の前につけるのかよ…」


 華やかな装飾が施された馬車が奴隷店の前に堂々と停車し少し揺れた後に中から年配の男性と金髪の男性が降りて来る。


「おい、あの金髪ってもしかしたら皇太子じゃないか?」

「その様ですね、直接見に来るなんて」

「だが、ここで手を出すわけにもいかない…我慢するしかないか」

「はい…そうですね…」


 遠目からでも分かる、あの金髪の皇太子は傲慢で周りなの気にする性格では無さそうだ。横に居るメルに目をやると我慢しているのだろうか、少し顔色が悪い気がする。


「メル、落ち着けよ。大丈夫だ、必ずあいつは懲らしめる」

 

 イサムは横に居るメルの手を握る、勢いよく飛び出しそうな彼女を抑える為だ。手が触れ一瞬ピクッと肩が動いたメルだが、少しだけ落ち着いたのか手の力が少し治まった気がした。


「すみません…大丈夫です。落ち着いています」

「そうか、それなら良いんだ。だが今じゃない、チャンスは必ず来るはずだ」


 イサムはそっと手を離す。だが互いに目は奴隷店へと向いている。やがて金髪の皇太子と大臣が店の中から現れ、その後ろには先程の店主がもみ手をしながら出てきた。そして馬車へと乗り込むと、それを確認した兵士が馬を動かすように指示を出す。


「品定めをしただけか、あとでつれて来いって事だろうな」

「そのようですね、では馬車が去ったらまた奴隷店に入りますか?」

「そうだな…いや待て! おい! メルあれを見ろ!」


 イサムがそう言い指差すと、走り出した馬車へ幼い子供が急に飛び出した。馬は突然出てきた子供を避けきれず踏んづけてしまう。


「こっ子供が馬に撥ねられたぞ!」

「いやっほっほっとけ! 王国の馬車だ!」


 それを聞いた瞬間、集まろうとした人混みはだれも子供を助けようする事は無く平然を装う。そこへ一人の女性が駆けて来る。


「あぁ!! 私のの子供がっ! どなたか助けて下さい!」


 しかしそんな母親の声など誰も聞かない代わりに、馬車の窓が開き何やら中の人物と兵士が話している。そして、兵士は母親の場所まで来ると剣を抜き容赦なく斬りかかる。


「ぎゃぁぁぁ!!」


 兵士の一太刀で血飛沫が飛び街道を赤く染める。酷いと言う声が周囲から聞こえるが、それを見回す兵士に誰一人として目を合わせることは無く足早にその場を去る。大きく背中に損傷を負った母親は倒れ動かなくなるが、止まっていた馬車はそのまま子供と母親を轢き進みだした。


「あんのやろぅ!!」

 

 激しい怒りにイサムが駆け出そうとした瞬間、その腕を掴みメルが止める。


「なんでだ!」

「駄目です! まずは子供と母親を救いましょう!」


 振り払おうとしたイサムの腕を、強く握るメルの手が震えている。彼女の目にも怒りが溢れ、悔しいという気持ちがイサムにも伝わってくる。

 

「クソっ! わかった…!」

「すみません…」

「いや…俺の方こそ…」


 イサムとメルは馬車を睨みながら、轢かれた親子の元へ駆け寄る。



 無様な親子を轢いた後タダルカス王国皇太子【アートルフィット】は、馬車の中からふと後ろを振り返った。普段は何も感じる事など無いどうでも良い事なのだが、ふと何か気になり振り返ったのだ。


「ダジュカン」

「はっ如何されましたか?」

「あそこの死体の傍に居る水色の髪の女、あれを連れて来い」


 イサムとメルが轢かれた親子の傍に駆け寄っているのが見え、皇太子の目は大きく見開き卑猥な笑みを浮かべた。そしてダジュカンと呼ばれた大臣に指示を出し、何事も無くまた深く腰掛け直した。


「畏まりました、方法は如何致しましょう」

「そうだな…あぁそうだ、先程母子が殺されたのを見た。その犯人じゃないかあいつ等は?」

「ふふ…なるほど…畏まりました。では夜までにはご準備致しましょう」

「ああ、任せたぞ」


 ダジュカンは走る馬車の窓を開き、隣を馬に乗って追従している一人の兵士に指示を出す。兵士は一言声を上げ列から離れた。



 轢かれた親子の傍に駆け寄るイサムとメルは、その状態に怒りを覚える。親子は即死していた、馬に踏まれ頭を大きく損傷している子供と背中を斬られ骨まで露出している母親、そしてそれを容赦無く馬車の車輪が引き千切っているからだ。そんな無残な光景に寄る人は居ないが、一人の男の人が近寄ってくる。


「そ…そんな…そんな! 何故俺の妻と子が! どうして! 酷すぎる…!」


 膝を折り地面に手を付き涙を流す男性。恐らく、いや間違いなく家族である。しかし周りの反応は冷たく、目は向けるがそのまま素通りしていく。この国ではそれが今は当たり前なのだろう、そんな中イサムは男性に話しかける。


「ご主人ですか? とりあえずこのままにして置けません。お手伝いしますので、ご家族を運びましょう」


 涙を零し、震える男性も声を掛けてくれるだけでもありがたいと思いながら精一杯の出せる声で話す。


「ありがと…うございます…しかし…ご迷惑がかかりますので…」

「いや、迷惑なもんか。このままほっとける訳が無いだろ、メルも手を貸してくれ」


 それを見越して、近くの露天で大きな布を買ってきたメルは二人を優しく包み、運ぶ準備を整える。


「イサム様、運べる準備が出来ました」

「ありがとうメル。よし、じゃぁとりあえず移動しよう」

「ほ…本当に有難う御座います…では…家にご案内します…」


 フラフラと立ち上がり弱々しい声で返答した男性は、自分の家へと案内する、トボトボと歩くその足に力は無いが、それでも早く家に戻ろうと精一杯歩く。三十分程歩いただろうか、人ごみを離れ人が疎らになった細い路地の先に古く建ち並ぶレンガで出来た古い家に到着する。ベットに二人の死体を寝かせると少しだけだが落ち着いたのか男性は運んできたイサムとメルに深々とお辞儀をする。


「ありがとうございました。何とお礼を言っていいか」

「いや、礼を言われるのはこれからだ」

「は? 何を仰っているのです? まさか死体を運んだ金銭を要求するのですか!」


 怒りに震える男性の返答は最もだろう。だがイサムは直ぐにその答えを示す。


「死者を侮辱するような事などしない! その逆だ! 生き返らせる!」


 イサムはいつも通り、メニューを開き【魔法・スキル】の【蘇生】を選択した。すると子供と母親は光に包まれ、傷なども一切消えてただ眠っているように姿を変える。変えただけでは無く本当に眠っているのだ。


「そんな! そんな! あり得ない! こんな事が!」


 男性の声で二人はゆっくり目を覚ます。そして何も無かったように目を開けた。


「ん…あら…ここは? 家かしら? でもどうして…」

「あれ? おかあさん? 何で家に居るの? 外に居たのに寝ちゃったのかな?」

「うああああ! お前たち! 良かった! よがっだぁぁ!」


 男性は二人にしがみ付き、大声で泣いている。それに戸惑う母と子だったが、よしよしと子供は父親の頭を撫でていた。


「とりあえずは良かったな…」

「ええ、そうですね。全く怒りは収まらないですが…」

「そうだな…絶対許せない」


 イサムとメルが話していると、落ち着きを取り戻した父親が正面を向き深々と頭を下げた。


「…取り乱して申し訳ありませんでした! あなたは賢者様なのですね! この様な魔法があるとは知らず、ご無礼を言い誠に申し訳御座いませんでした!」

「あっ…いやぁ賢者なんてそんな大層な者ではないですよ。人を生き返らせる魔法が使えるだけだし…」

「ですが、出来れば他言無用でお願い致します。でなければ身の危険にも繋がりますので」


 メルは少し冷たいように男性に口止めを促す、もし話を周りにしてしまうと家族が危険だと思ったのだろう。


「分かっております。魔素の海に還るまで誰にも言いません!」

「お願いします」

「じゃぁ俺らはそろそろ帰ります。宿を見つけないといけないので」

「えっ! それでしたら是非、我が家にお泊まり下さい! 狭い家ですが、是非ともお礼をしたいのです!」


 このままでは帰さないと言わんばかりに男性はイサムの手を握り話そうとしない。


「そう言われてもなぁ…どうするメル?」

「夜には発つので、それまでの時間居させて貰うくらいなら良いのではないでしょうか?」

「そうか…メルが良いなら、じゃぁお言葉に甘えて暫く休ませてもらおうかな」

「ええ! 是非とも!」


 喜ぶ男性と呆気に取られまだ状況が分からない母子だったが、イサムとメルは案内されるがままにテーブルへと案内され、ささやかながらも心温まる持て成しを受ける。そして夜になり、そろそろイサム達が出発しようとした時に窓の外が急に明るくなり扉を叩く音がする。


 ドンドンドン ドンドンドン


「家の者、居るか! 居るなら出て来い!」

「こんな夜更けに何だろう? 賢者様達はそのままお待ち下さい、確認してきます」

 

 父親が扉を開けるとそこには兵士が複数名立っていた。イサム達も何事と父親の後ろから顔を出す。


「どうされたんです?」

「そこの二人に容疑が掛けられている」

「は? 容疑? なんのだよ?」

「母子殺害容疑だ! 日中にお前らが母子を殺したのを多くの者達が目撃している!」


 兵士と共に風貌の違う男が居た、こいつがこの場所を案内したのだろう。


「はぁ? なんだそれ? そんな事する訳無いだろ! それに母子ってこの人達の事じゃないか?」


 そう言うとイサムの後ろから母親と子供が恐る恐る奥の部屋から現れる。それをみて兵士では無い男が驚きの声を漏らす。


「そっそんな! 間違いなく即死していた…子供なんて頭が潰れていたんだぞ!」

「は? 死んでないだろ? 良く見てみろよ、あんたの勘違いだ」


 だがそんな事など知る由は無いと兵士は剣を抜く。


「おい、違うって言ってるだろ!」

「うるさい! それは城で聞く! 連行しろ!」

 

 理不尽で意味が分からない状況だが、城に入れるチャンスだと思いイサムとメルは目を見て意思を合わせる。


「この家族は如何されますか?」


 下っ端の兵士が尋ねると、隊長らしき男があり得ない命令をする。


「この二人に関わったのが運の尽きだな…殺せ」

「は!? 何言ってんだ!」

「黙れ! 連行しろ!」


 イサム達が家を出た直ぐ後に指示された兵士は、家に居る三人を躊躇無く殺す。


「何やってんだテメェ!」

「黙れといってるだろうが! お前達を匿った事による死罪だよ!」

「証拠も何も無い上に無実の家族まで殺すのかよこの国は!」

「イサム様、指示を下さい」


 小声でメルがイサムに尋ねる。だがその元凶を断つ為に、怒りが煮えたぎりそうなイサムが必死に我慢しているのを見て、メルも堪えたようだ。二人は助けた家族を見殺しにしなきゃいけない現状に唇を噛み締めながら、荷台が牢になっている馬車に乗せられ城へと連行されていった。

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