とびたつ君に

   君はひとあし先にこのなつかしい地からとびたとうとしています


   見送る私は何も言えませんでした


   言葉が遮られ 二人の間にはもうすぐ切れてしまいそうな心の糸だけ


   君は少し何か言いたそうな表情かおでしたが、


   うしろを向きました


   その時 私の中の せきが切れました



 とびたつ君に


 大きな声で


 ありがとうと 言いました


  君がいなければ 私の人としての旅路は変わっていたと


  君に出逢えて うれしかったと


 君のことを けして忘れないと 言いました



   君は涙を 返してくれます


   私も涙を 贈りました

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