第三百四十四話『強い』

「暴れん坊にはこうだ!!」

サラはしゃがんで、相手が倒れるように蹴りを放った!


そして、シュタッと後ろに下がる。


「奈緒子ちやん!」

サラは奈緒子に合図を送る。


「はい!」

それだけで奈緒子は理解したようだ。


『スローダウン』


奈緒子は動きを遅くする魔法をウォー・マシーンにかけた。


===


「素晴らしいね」

タカヒロがその動きを見て言う。

サラの運動神経と奈緒子の息のあったコンビネーション。

僕は何もしていなかったような気はするけど・・・。


「なかなかやるわね」

双子の姉の格闘美少女のララが言う。

彼女は気は強いが、認めるものは認める、という性格なのだろう。


「すごいです!」

双子の妹の魔法使いのルルが言う。

彼女は素直だ。


「僕らも本気でやらないといけないかもしれないね」

タカヒロはグングニルをぐっと持ち上げていう。


「私達が勝つにきまっているけどね!」

ララは言った。


「まぁ、そうだね」

タカヒロも微笑みながら言う。


「そうです!」

双子の妹のルルも言う。


「ぼくらも行くとするか!」

タカヒロは言う。


そう言って、タカヒロは戦闘態勢に移動する。

今までの僕らとウォーマシーンの戦いを見ていたから、ぼっとしていると攻撃してくることを知っているのだろう。


「いくぞ!」

タカヒロはいきなり攻撃を放った。

SSクラスの武器、グングニルを使った攻撃だ。

大きく態勢を変えて準備した。


「はっ!」

そう言ってタカヒロは突きを繰り出す。

すると、一直線に、グングニルがウォーマシーンに向かって進んでいく。


「クォォォォ」

そういいながら、ウォーマシーンはその攻撃を横に飛んで避けた。


「すごい!よけた!」

僕が言う。


「ウォーマシーンちゃん、強いねぇ」

サラもつぶやく。


「手強いですね!」

奈緒子も微笑む。


「なに!!」

タカヒロは驚いている。

今、起きたことが信じられないという様子だ。


「僕の突きを避けるなんて!」

タカヒロはいいながら驚いている。


「なんてこと!」

ララも驚いている。


「はじめてですね」

ルルも驚いている。


いままで、SSクラスの武器と、タカヒロの身体能力でここまで順調に戦ってきたことが伺える。


「さすがに、このレベルになると、コンビネーションをしっかりしていかないと、倒せないということだね。」

タカヒロはその一撃で理解したようだ。

今までとは、レベルの違う敵が出てきたということを。


「いきなりレベルがあがったということか・・・、これが、ジュンたちの言っていたマッチングの効果か」

タカヒロは言う。


「おもしろくなってきたね!」

さらにタカヒロはそう言った。


「スキルの出し惜しみはやめよう!本気だすよ!ララ!ルル!」

タカヒロは言う。

そういえば確かに魔法は使っていたけど、スキルを使っていなかった。


「わかったわ!」

「はい!」

ララとルルが返事をして、走り出した!

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る