第二百二話『四天王の強さ』
「そして、その『鬼神の籠手』もってるいうことは・・・」
と珊瑚が聞く。
「うん、倒したらもらえた!」
と、サラが微笑んだ。
そう、すごく当たり前の事のように、サラが言った。
スライムを倒したら、コインがもらえた、くらいに当たり前の事のように言った。
「いやいやいや、それはないやろ!!」
と珊瑚が言う。
そのリアクションは正しかった。
全く持って正しかった。
普通は倒せないはずだからだ、でも僕らにとってはそれがどのくらい普通でないかを知る方法はない。
「そうねA級で何人かで、向かっていっても全然勝てなかったわね!」
と水晶さんが説明する。
それで、やっと実感が湧いてきた。 A級の合同チームでも倒せないということは、よっぽどのことだ。
やはりそう簡単に倒せるものではないのだ、四天王は。
「そやねん!というか、そもそも、戦えないやろ四天王なんて・・・」
と珊瑚が言う。
そう、確かに四天王とはそういうものだ、最後の方にならないと出てこないから、四天王なのだ。
「どこであったん??誰か強い人に連れって行ってもらったとかか?」
と珊瑚が聞く。
そう、僕達がゴールドゴーレムと戦ったりしているのは、元A級の珊瑚たちが、僕らを連れて行ってくれているから、行けるのであって、普通はそうはならない。
「妖精の森のクエストだよ!」
とサラが言う。
サラが口に出した、クエスト名は超初心者向けのクエストだ。まだチュートリアルも兼ねているような、初心者用のクエストだ。
「え!妖精の森のクエストって最初の頃のやつやろ??あの助けても助けても襲われるやつや!」
と、珊瑚が思い出しながら言う。
「ああ、やっぱり、みんな何度も何度も襲われるって思ってるんだね!」
と僕は笑った。
そう、僕ら、特にサラが倒しても倒しても妖精さんを襲うトロールに対して怒っていた。
「定番なんですね!」
と、奈緒子も笑った。
「いやいや、あそこに四天王なんて出てきーへんやろ・・・」
と珊瑚が言いながら考える。
「出てくる。『ファイヤートロール』の後に。」
と瑠璃が答える。
「ああ、そうや!よく覚えてるな瑠璃!」
と、珊瑚が褒めると、瑠璃の頬が少し赤くなった。
「いや、でも、すぐ帰るやろ『鬼王のアルバート』、挨拶に来ただけやったやろ、その時は・・・、まさかそこで倒したんか・・・」
と珊瑚がしゃべりながら推理を進めてサラに聞く。
「だって、何度も何度も妖精さんを襲うから、ついカッとなって・・・」
とサラが言う。
「ついカッとなって、四天王倒したんかいな!!」
と珊瑚が驚く。
そして、一呼吸して、ジュン達ならやるか・・・と呟いた。
「はっはっは、面白くなってきた。そんな『ドラゴンハンター』さんに勝とうないか!なぁ、瑠璃!水晶!」
と珊瑚が二人に言う。
「勝ちたい」
と瑠璃が呟く。
「そうね!いい目標が出来たわね!」
と水晶が言う。
「私も珊瑚ちゃんたちに勝ちたい!」
とサラが微笑んだ。
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