第百九十〇話『鬼神の剣』

「いままでの、弱小モンスターならそれで倒して来れたんでしょうけど・・・」

と『鬼王のアルバート』は低い声でゆっくりと言う。


「私は四天王なのでね」

と『鬼王のアルバート』は微笑んだ。

そして、腰に装備していた、剣をゆっくりと握った。


「さて、次は私の番ですね、『鬼神の剣』の力をお見せしましょう!」

と、『鬼王のアルバート』は剣を抜いて構えた。


「サラ!!」

と僕が叫ぶ!


「いや、大丈夫!私を狙ってない!!」

とサラが僕に言う。


実はかなり冷静なサラだった。

敵がどこをみているか、しっかり目で追っているのだった。


普通そんなことできるか・・・。


「ほう!」

と『鬼王のアルバート』が呟く。


「そう、そのとおり、この『鬼神の剣』の力をお見せするだけです!」

と、砦にいくつか立っていた像に向かって剣戟を放った。


ドカァァァァァァァン

と、そこにあった石の像は一撃で破壊された。


「なるほどなるほど、奈緒子ちゃん!あれつよい??」

と、サラが聞く。


「はい、かなり良い色をしています!当たったら大変です、サラちゃん!」

と奈緒子は敵の強さが色でわかる「天秤 - ライブラ」を使って『鬼神の剣』を見た。


「ほう、強さがわかるのですか!なら、わざわざ見せなくてもよろしかったですかな、まあ、良いでしょう!これで戦意喪失していただけば、無駄な殺生もしなくてよくなります!」

と四天王『鬼王のアルバート』は言った。


「だれが、あきらめるってー??」

とサラが笑う。


むしろ楽しくなってきた、といったように見えた。


『雷迅 - ライトニング』


バチィ、バチィィィィィ

と再び格闘家の靴のスキル『雷迅 - ライトニング』を発動させるサラ。


「強い攻撃なら・・・当たらなきゃいいだけでしょ!!」

と、再度『雷迅 - ライトニング』で地面を蹴って近づく


「よろしい!」

と大きく剣を構える。『鬼王のアルバート』


「よしっまっすぐいくからね!!」

と、先ほどとは違い、まっすぐ、高速に向かっていく。


それを迎え撃つように『鬼王のアルバート』は剣を振り下ろした。


「よし!」

僕が呟く。


そう、サラは、彼の射程範囲に入る寸前に『横に飛んだ』


「なに!!」

『鬼王のアルバート』は誰もいないところに、『鬼神の剣』で斬りかかった。


「よっし!もらったー!!」

と言いながら、大きく横に飛んだところから、更に、もう一度、『鬼王のアルバート』に向かって電撃の蹴りを放った。


「電撃キーック!」

と、サラがいつものネーミングセンスで、『鬼王のアルバート』に電撃の蹴りを当て、吹き飛ばした。


「サラ・・・まじか・・・すごいな!」

と僕が呟く。

ほんとにここで四天王を倒してしまうかもしれない、そう思い始めていた。


「サラちゃんすごいです!」

と美少女魔法使いの奈緒子も言う。。


「これはこれは、ほんとに、素早いお嬢さんですな・・・私も本気を出しましょう!」

そう言って『鬼王のアルバート』は新たなスキルを発動させた。

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