第百五十六話『クエストクリア』

「よっし!スイッチだよ!ジュン!」

と格闘美少女のサラが叫んだ。


そして僕はその一言ですべてを理解して走りだした。


軽く回復の呪文を魔法使いの美少女、奈緒子にかけてもらっていた僕は、サラの位置と『ゴーストレッドドラゴン』の位置をしっかりと見て走りだしていた。


サラが言っていたのは

『敵に狙われる役割をスイッチする』

ということだ。


さっきは僕が、珊瑚をかばう形でその役割をやっていた。

その隙を狙って、サラは攻撃した。


つまりサラはしっかりと囮の仕事をするから、ジュンは止めを刺してね!と言ったのだ。

そんな剣士冥利に尽きることはないだろう。


「よっし!こい!!」

闘牛と対峙する、闘牛士さながら、しっかりと『ゴーストレッドドラゴン』を見定める。サラ。

赤いマントはもってなかったけど。さながら闘竜士といったところだろうか?かっこいい。

こうすることで、攻撃時には使うことができない『透明移動 - インビジブルムーブ』も同時に防いでいた。


「グオオオオォォォォ」

と『ゴーストレッドドラゴン』がサラに向かって突進する。

そして、この未来は予め、水晶の『未来予測 - ビジョン』で予測されていた。


『雷迅 - ライトニング』


サラがそう叫ぶと、バチィッ、バチィッッッッッと足元に電気が走る。


「よっ!!」

と、サラが掛け声をかけて、高速ジャンプで、『ゴーストレッドドラゴン』の攻撃を避けた。


「よし!避けたよ!ジュン!!」

とサラが叫ぶ。

さすがのサラだった。

僕とはかなり違うやり方の『タンク』だった。


「おおおぉぉぉぉぉぉ!」

その、到着地点を予め読んでいた僕は、走りながら、SSSランクの武器「 神の剣 -デュランダル 」を天高く振り上げる。


「ここは『剣士』らしく決めさせてもらうよ!!」

と、『ゴーストレッドドラゴン』に全身全霊の剣戟を叩き込んだ。


『99,999』

という、カウントストップのダメージを与えた。


ドカアァァァァァン

と言う激しい爆発音と光のエフェクト、倒したことを伝える、効果音が流れる。


「うぉぉぉおおお!よし!やった!!」

と僕が叫ぶ!


「ナイス!ジュン!」とサラがグッと親指を立てるジェスチャーをする。

「さすがです!ジュンさん!」

と胸に手を当てて喜ぶ、奈緒子。


「やるやないか!」

「やるわね!」

「やる」

と珊瑚、水晶、瑠璃も言った。

「よし!クリアね!」

と水晶さんが言う。


そして、クエストの賞品である『ゴールドモンスターボックス』を2つのチームで一つずつ手に入れた。


「やった!手に入れた!これでワイちゃんを連れてあるけるね!」

とサラが喜ぶ。

そう、僕らは、巨大な乗れるモンスター『大龍 - ワイバーン』を持ち運ぶためのアイテム『ゴールドモンスターボックス』を手に入れたくてこのクエストをやっていたのだ。


「さて、サラちゃん!」

と、にこっと奈緒子がサラの方を向いて、微笑む。

その笑顔に『うっ!きたっ!』という顔をするサラ。


「次は水着を買って温泉ですよ!」

と奈緒子が笑顔のまま言う。


噂に名高いあこがれの温泉回がはじまる!?

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