第百四十〇話『豪華なドアの鍵』

「さぁ、速くクリアしてここを出よう!」

と、僕はうなだれる珊瑚の手をとって、そう言った。

珊瑚は顔を少し赤くして、うん、と言いながら歩き出した。


「この後どうなるの?」

とサラが聞く。

そういえば今までは室外のイベントが多かった。森とか沼とかそういう外のイベントがメインで、それはわりとひたすら真っ直ぐ進んでいくものが多かった。


「この3つのドアのどれかがゴールだろうね!」

と僕が言う。


ゴーストハウスは僕らが入った入り口をのぞいて、3つのドアがあった。

中央の豪華なドア、左右の普通のドアだ。


そう、中央のドアだけすごく豪華だ。


「あきらかに、この真ん前のドアが怪しいよね!これで一気にゴールなんじゃない!!」

とサラが走っていく。


ガチャリと、ドアに手をかけた所。

スーッと、何かが現れた。


「ぎゃー!!でたーーーーーーー!!」

とサラが叫ぶ。


そして、その中央の大きなドアが光る。

ドアに付いている、丸いパーツが2つにわれて、ふわふわ浮いている。


「ぎゃー、でたー!ポルターなんとかー!!」

とサラが叫ぶ。

そこまでは知っているらしい。

惜しい、あと一押し!


「正解はポルターガイストね!よく見てごらん」

と僕が正解を言いながら、その浮いている2つのパーツを見るように促しながらサラに言った。


「よく見る・・・?」

と、サラがそう言いながらそのパーツを見た。

じっと見ていると、だんだん見えてくる。

そう、実体化だ。


「あ、『ゴーストエレメンツ』!!またでた!!」

とサラが叫ぶ。

そう、ポルターガイストではなく、『ゴーストエレメンツ』が『透明移動 - インビジブルムーブ』で消えていたのだ。そして、豪華なドアのパーツを奪っていった。


そして、『ゴーストエレメンツ』2体はニヤっと笑って、また左右に別れて消えていった。


「あ、どっかいった!!」

とサラが言う。


「なるほど!」

と言いながら、僕は、さっきサラが開けようとした中央の立派なドアを開けようと、ドアノブをガチャガチャッと回す。


「うん、あかないね」

「どゆこと?」

と僕の発言についてサラが聞く。


「さっき、あの2体が持って行ったパーツがこのドアの鍵なんだ。この左右のドアに入って、それぞれのイベントをクリアして、あのパーツを取り戻さないと、このドアに入れない」

「えー!めんどくさい!!」

とサラが笑う。

もう一歩早ければこのままクリアできたのに・・・と笑った。


「そう、わりとホラークエストはめんどくさいものが多いんだよね・・・道を間違えると、最初からやり直すやつとか・・・」

「あー!よくありますよね!大変なんですよね!」

と奈緒子が言う。


ゲームをわりとやる奈緒子がそう言う。


「えー、奈緒子ちゃんホラーなゲームもやるの?」

とサラが聞く。


「はい、やりますよ!ホラーゲームは割とメジャーなジャンルですよ!」

と微笑んだ。お化けを怖がるアタッカー二人と違いホラーに強く、心強い奈緒子だった。

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