第八十九話『300体のゴーレム』
「よし、雑談はこの辺で終了や。始まるで!」
と珊瑚が言うと僕達の体が光りだす。
「転送開始や!」
メンバー全員がワープした!
僕らは、森の中にいた。
「ゴーレムの森や」
珊瑚が言う。転送が終了して、僕らが、たどり着いたのは、ゴーレムが生息するという、森の中だった。
「ゴールドゴーレムを倒したら、このクエストは終わりや!」
簡単にクエスト説明をする珊瑚。シンプルなクエストだった。聞いてる限りは、ゴールドゴーレムを探すのが難しそうなクエストだ。ゴールドゴーレムは普通のゴーレムにまぎれて、泥にまみれて、違いに気がつかないそうだ。
「まずはゴールドゴーレムを見つけようや!ゴーレムの中に紛れとる」
「まずは、ゴールドゴーレムを見つける勝負ね」
珊瑚とサラが言う。いつの間にか勝負になってる。勝負というよりゲームか。なんでも楽しめるサラらしい。
「そや、まずは『ゴールドゴーレムを探せ!』やな」
と、昔の絵本になぞらえて言った。
珊瑚も満更でもない様子で微笑んでいた。
みんなのテンションが少しずつ上がっているのがわかる。
「ゴーレムは何体くらいいるんだろう?10体くらい?それなら、頑張って倒せば・・」
「ちゃうねん、ジュン・・・」
僕が10体くらいのゴーレムをたおせば、ゴールドゴーレムを見つけることができるのかと、予測したところ、珊瑚がゆっくり首を振って教えてくれた。
「え?何体・・・?」僕が、聞き直す。10体じゃなかったら20体くらい?それもなかなか大変だな、と思っていたら、珊瑚が指で3を作った。まさか、30体??それは大変だなと思っていた所。
「300!!」と、珊瑚が答えた。
「はい??」
僕が驚く。ケタが違うどころの騒ぎじゃなかった。
10だと思っていた所にこの突然の数字。
300??そもそも、ゴーレムだってそんなに弱くはない。
普通のゴーレムを倒すだって全然簡単な仕事ではない。
「300体の中に1体紛れとんねん。」
「300体!!そんなに!?!?」
そんなに難しいクエストだったのか、僕は今になって、このクエストの難しさを実感した。
「普通のゴーレム、一体一分で倒すことができたとしても、300分以上、つまり5時間かかる、そりゃ大規模だ」
「そう、大変」と瑠璃がぼそりと言った。
「でも、楽しい」と瑠璃が追加した。
「よっし、頑張るわよ!!」とサラが屈伸をしている。サラがやる気を出している時はだいたい、準備体操をしている、調子は良好のようだった。
「楽しくなってきたね、瑠璃ちゃん」
「うん、楽しい」
とサラと瑠璃が言う。
「先に見つけた方が勝ちね!!」
「うん、見つける」
サラと瑠璃が楽しそうにやりとりする。
「じゃ、私も探しに行くで!」と珊瑚。
「よっし!」とサラ。
攻撃手(アタッカー)二人、格闘少女のサラと剣士の少女珊瑚が元気に走りだした。
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