第十四話『超大型モンスター ドラゴノス』

「じゃ、みんなで頑張ろっか!」

サラが笑いみんなも笑う。

そして、最初のクエスト、食堂のおばちゃんに頼まれた「きのこ」を採りに、森のなかを進んでいく。

とちゅう何回か、スライムに遭遇し、みんなで倒した。


「やっと、わかってきた感じがするわね」

だんだん操作に慣れてきたのか、サラがシャドーボクシングをしながら言う。


「そろそろLVあがったりしないの??」

何体か倒した、サラが疑問に思ったことを口にした。


「そろそろあがると思うよ。最初のクエストの間には上がるんじゃないかな。Lv.2になったら魔法とかも覚えるかも。」

僕はRPGの定石から、想像し、そう言った。


「魔法!!凄いわね!やっとファンタジーらしくなるのね。食堂のおばちゃんにお使いを頼まれるだけのゲームじゃないのね!」

と、笑うサラ。だから、クエストはそういうもんなんだって、と言いながら僕も笑った。


「あ、ここがゴールじゃないですか?」

森の行き止まりを見つけ、魔法使いの少女、奈緒子がそう言った。


「お、ここに『きのこ』があるのね!いっただきー!」

と、大きく手を振って走り、きのこを取りに行くサラ。


すると、メガネを外して、目をこする奈緒子。

その姿が気になった僕は、奈緒子に聞いた。

「どうしたの?」

「はい、ええと、なんとなく、サラちゃんの奥の色がおかしいような」

と、奈緒子は僕に説明する。


「色がおかしい??」

「はい、いままで、見たことない色な気がするんです。」

と、サラに目をこするサラ。


「やっぱり、メガネを外すと見えないですね、やっぱりおかしいですよ!」

「どういうこと??」

「かなり強い敵が、この先にいるってことです!!」

奈緒子がしている、魔女のメガネのスキルは「天秤 - ライブラ」。強さが色で表示されるらしい。それによって、僕の武器、SSSランクの「 神の剣 -デュランダル 」の強さを見やぶったのだ。


その彼女が言うということは、と僕は考えていた。

そういえば、このゲームはその時のレベルでは倒せないようなモンスターも出てくるという事を聞いたことがある。通常はおとなしくしていれば、攻撃して来たりはしないらしいが。


と、思ったところで、サラが大声で叫んだ。

「おーい、みんなー『ふつうのきのこ』ゲットしたよー」

彼女は陸上部らしく、かなり大きな声で、僕達に教えてくれた。


すると、奥から、「グルルルルォォォォ」とうめき声が聞こえてきた。


「え?どうしたのみんな、黙っちゃって!『ふつうのきのこ』ゲットしたよ!!これでクエストクリアだね!!」

と大声と笑顔で、僕らに言う。


「しー!!サラちゃんうしろ、うしろ!!」

と、小さい声と大きなジェスチャーでサラに伝える奈緒子。


「え、後ろ??」と、恐る恐る振り返る、サラ。


「うああぁぁぁぁ」

そこには巨大な瞳があった。

サラは、その瞳と目があった。


その瞳の正体は、中盤に登場すると言われる超大型モンスター。「ドラゴノス」だった。

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