第23話「パニック・イン・ジャスコ(後編)」

パラパラとロータの回転音がする中で女性アナウンサーが


「只今、ジャスコ上空です!多数の火炎と煙が上がり周りは騒然としています!おっと更に3階で大爆発です!付近の消防隊員や人々にガラス片が飛び散っています!」


緊迫した声で実況していると一階付近の壁の当たりから光が生じると土煙が上がった。


『フフ、此れこそ我が、筋肉とメンタル・ギアの成せる合技!一光通貫ワンライト・ストレイト


「歩ける人は歩いて!歩けない人は居る?ブラウさんも行くよ!」


「言われて無くても、分かっていますよ奈々さん!」


『歩けない人、安心して私は片方で300Kg分持てるのよ!遠慮しなくていいのよ?歩ける?そう…誰かおぶって欲しい人居る?』


ガラスの破片が降り先程まで退避していた、消防隊員達は先頭に2m程の半裸の筋肉男と後ろの少女達と十数人を見ると一斉に集まりだしたが一人の幼女が


「ママーママー」


 母親を見つけたのだろうか?小走りに向かって行った時だった!再び4階付近で大きな爆発が有り幼女の上に巨大な壁が落ちて来た!誰もが幼女がやばいと思った時だった


『やらせはしないわ!!』


 地面に深い足跡が着くと同時に幼女はブラウの胸をクッションの様に収まり声の主ミスタープロテインが巨大な壁に飛び掛かり殴り始めていた


『ウラウララララライハッ!!』


掛け声と共に壁が光ったと思いきや巨大な壁が砂の様にサラサラと散った。


『ふう、まだ目が粗いわね…やり直さないと…』


空中を降りながら●●●●●●地面に落ちてくる砂を手に掬い呟やくかのじょの耳には周りの歓声と拍手が聞こえて居なかった。


***


 ジャスコ上空、女性アナウンサーがパイロットに怒鳴っている


『ねぇ、テレビ西とテレビ各局が屋上付近に近寄っているわ、近寄って視聴が求めるのはスリルがある映像なのよ!!』


ヘリが移動し屋上付近へ移動を始めて時に先行して居たヘリが全機爆散し蒼空に死の花火が生まれた!


「ふーん、失った右手をメンタル・バイブレーション・ソード精神波振動剣通称:MVS 、左腕をスペアパーツのメンタル式大型キャノンロケットランチャーで補ったのねー でもいいのかな?幾ら無限の可能性があるメンタル・ギアだからってそれだけの武器を使って反動フィードバックが起きたらどうなるか分からないよ?それにしても擬似料理イミテーションフード有機栽培オーガニックは、やはり同じみたらし団子でも有機栽培オーガニックの方が美味しいね、はむ」


 少年かれはジャスコ名物、屋上大観覧車の頂上部ゴンドラの上でみたらし団子を食べながら立っている


「それにしても?熱追尾式サーモセンサーでヘリに4発ヒット、観覧車に4発ヒットでメンタル式大型キャノンロケットランチャーは八発で使い切ったみたいだけど、どうする?来ないなら行くよー」


 串に付いたみたらしを舐めながらパンフレットを見ながら言った後に右手と左手に持った串でパンフレットを細切れにすると少年はゴンドラの上で一歩を踏み出したが回転部のモータがギシギシと音を立ててやがてバキンと金属が折れる音がすると大観覧車が動き始め、動き始めた大観覧車の先にはM・Sメンタル・スーツが居た


「ちょ!まあ、イイか向かってるし行くぞーーー」


 少年かれは転がっていく大観覧車のゴンドラ上に飛び跳ねながらM・Sメンタル・スーツの方へ向かっていたがM・Sメンタル・スーツは両足と腕からアンカー射出機を出すと観覧車が向かって来る直線上から離れた


「えええっ、避けちゃうか?仕方が無いな…」


 動いている大観覧車から飛び降りるとM・Sメンタル・スーツへ向かっていった、MVS精神波振動剣を構えたM・Sメンタル・スーツ少年かれの飛び込んでくる先にMVS精神波振動剣を突き出したが、少年かれによって受け止められた。其れも、二本の串にで有る!

M・Sメンタル・スーツが驚いた様な格好をしながら後ずさると


「え、驚いた?其れも無理も無いね!でも此れは誰にでも出来る事だよ、メンタル・ギアの力を迂回させて他の物をコーティングするイメージで覆う此れをメンタル付与グランと読んで居る。其れによって様々な物を強化できるんだ、ホレ、ホレホレ」


 少年かれが二本の持ち躰を回転させM・Sメンタル・スーツへ迫り攻撃を加えるとM・Sメンタル・スーツは、MVS精神波振動剣で攻撃を受けす流すのみの防勢に成り屋上の柵ギリギリまで追い詰められ、他の建物へ左手のアンカーを出し空を舞った時で有った!アンカーが切られ空に影が見え


「うん、ナイスポジション!!最高だよ!この前の人間ファイブスターが耐えられたから君も耐えられると思う!?うん耐えてね!君の耐久試験してみたいんだ!」


 中の人が映像を見れていたら柄を上にし鞘から抜いた彼の姿が逆光に照らされ悪魔の様に黒く見ただろう、次の瞬間に大地が激痛の様な悲鳴を上げながらジャスコ周辺が土煙に覆われ上空のヘリが突然の横風に吹き飛ばされ近くのビルディングに激突し多数の炎が上がった。


***


此処は四谷よつや重工本社ビル


「何だ、此れは一体何が起きているのだ!」


 条約で禁止された虎の剥製や海外の博物館から盗難届けが出ている金色の甲冑を自室に起き美人の秘書にマッサージをさせていた男は薄いバスタオルを着ながら多数の宝石が付いた手でフォログラムを拡大すると映っているのは、自分の会社のM・Sメンタル・スーツの[スケルトニア]がメンタル式大型キャノンロケットランチャーを打ち放しヘリを撃墜している映像だ!


 有れは今日の日のために作り息子に貸与えた物で重火器を揃えさせた特注仕様スペシャルオーダー品だ、銃を持っているがM・Sメンタル・スーツ委員会から銃所持の許可は得ていない。


 何故なら全てが違法な銃で有り使用が禁止された武器等が多数入って居る為に許可など降りるわけが無い事を分かっていたからで有る!が此れからの機体は武器を持つ前提●●●●●●で基本データを日本の本社で取り、売り込む先はアメリカやロシアと言った銃に付いて寛大な土地で実践的な目的としていた。この頃は、汎用メンタル・ギアさえも付焼連合企業(ツケヤキコングロマリット)の品質価格共に押され始め後は、軍事分野への汎用メンタル・ギアを流用して作っていくしか道は無くそんな中で生まれたのが汎用メンタルギアを使ったM・Sメンタル・スーツの[スケルトニア]で有り自分の会社の星と成る物で有ったが、其れが民間機を撃ち落としジャスコという商業施設を破壊しているどう弁明しようかと思考を張り巡らしていると


『こんにちは、四谷達磨よつやだるま社長』


 道化師の様な仮面とシルクハットを被った人物が映った


「こんにちは付焼連合企業ツケヤキコングロマリットM・G・Sメンタル・ギア・スーツ会社カンパニー会長、付焼貴義ツケヤキタカヨシ殿、何か御用で?」


『ええ、弊社の売った汎用メンタル・ギアのコアが御社によって不正に使われるという事案が発生しています』


「何の事かね?」


『ほぅ、知らないと?』


「知らぬ」


『そうですか?其れでは、此れをどうぞ!知らないと言えますかね?』


 其処には多数の社長の彼のサインが入った電子書紙(データシート)の大量のデータと音声データが展開された


「うっ…」


『其れに伴い弊社は警察への通報とM・Sメンタル・スーツ委員会へ連絡を行っています』


「うっ…」


『更に、多数の従業員からのパワハラとセクハラの告訴がされています』


「うっつ…うっ…」


『最後に、弊社は契約通りに違反時には全ての御社のメンタル・ギア・コアの販売と停止と在庫の引き上げを遂行し、既に此れは弊社掲示板と公式SNSにて通達を…大丈夫ですか?胸が苦しそうですが?』


「大丈夫だ、少しだけだ!」


『其れでは、さようなら次は未支払いのメンタル・ギア・コアの費用の支払いに付いて法廷で会いましょう!』


 映像と音声が切れ、彼が悪態を付きながら空気を吸うために窓を開けて息を吸うと彼の会社へ向けて何か燃え上がりながら向かってくるのが見えた。


 あの後、大観覧車はジャスコの屋上から落ちて土埃と炎を上げ市街地を駆け抜けて多数の死傷者を出し更に水素ステーションに突っ込み大爆発を起こし文字通り火の車に成りながら何の因果か四谷よつや重工本社ビルに向けて居たのだ!


 次の瞬間、建物の腹を殴る様な音と振動が起き、彼が外を見て見ると建物に大観覧車がめり込んでいた、もっと見ようとすると後ろから


「死んだ父のかたき!」


ドンと背を押されながら声がし彼は宙を飛び振り返ると其処にはかって突き落とした●●●●●友人●●の面影を残した秘書が立っていた


「くそ、最初から!そのつもりで秘書に!!」


 毒づく彼が幸運にも●●●●滑る様に空いた強化ガラス窓から落ちた。が熱々に熱せられたゴンドラ内の為、落ちた瞬間に熱で背中の皮膚が鉄板に吸い付きやがて燃えて重さに耐えられなく成ったゴンドラが落ち始め彼は熱さと痛みと共に全身を焼かれながら彼が自分用に作ったゴルフ場に池ぽちゃした。

 後日、搜索で見つかった彼のゴンドラは損傷を殆んど受けて居らず。幸運にも●●●●扉が締まり殆んど密閉された状態で有ったが、彼は死んでいた。死因は僅かに漏れ出た水が彼の顔に被さった破けたバスタオルに吸われジワジワとタオルが水分を吸い嬲るように彼の息の根を止めた事が原因だった。

だが、検視官は不思議に顔を傾げた、背中の皮膚は焼かれたが彼は脂肪が緩衝材と成りショック死せずに気絶するだけで済んだ!だが、其の後が解せない両手は鉄板にくっついて居らず自由に動かせたのだそれなのに動かさなかったのだ。

 そして、彼の両手足には成人男性の何か重いものが乗っかった跡が有り彼の手首からは何者かの指紋が検出されたが照合ヒットしたのは不運にも●●●●会社の窓から転落死した彼の友人●●●●だったのだ。だが、検視官はそんなオカルト的な事が23世紀にあるはず無いと思い適当な死亡理由を付けて提出し受理された。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る