二人のパパとクレア

大蚊里伊織(おがさといおり)

第1話 二人のパパ

 その夢はずいぶん何回も見ていて、クレアはそれが本当にあったことのように思う。でも本当のところはわからない。どうしてそんな夢をみるのかも。

 最初に出てくるのは女の人。いつもでもぼんやりとした顔しか思い浮かばない。

 昔はもっとはっきりしていたような気もする。

 女の人はクレアにここにいなさいと言われ、うずくまる。

 次のシーンが写る。クレアは中庭のような塀に囲まれた陽だまりにいて、顔を上げる。

 左側は塀で、右側をむくと建物があってコンクリートのような壁で埋まっている。

 音がして、後ろから誰かが歩いてくる。その誰かが歩いてくる足音が、じゃ、じゃ。と音をたてる。霜柱を踏む音だ、とクレアは思う。

 クレアの視界に自分の白い息が見える。

 振り返る。

 踏みしめる靴の音が止まり、クレアは朝日の逆光がまぶしくて目を細める。

 二人の若い男がかがむようにして視線を合わせてくれた。

 クレアの大事な人だ。若いころの二人だ。クレアは笑う。

 僕たちと一緒にくるかい、と一人が言い。

 私たちと家族になろうともう一人が言う。

 クレアはうなずき、二人に手を引かれて歩き出す。

 パパ、ダッド、私ね、パパが二人もいてラッキーよね。


 目が覚めた。

 クレアは起き上がり、十四歳の自分がここにいるという不思議を少し考えた。

「クレア―、朝ごはんだよ」

 男の声がした。

「はーい! ダッド!! ああ、遅れちゃう」

 クレアは慌ててベッドから出る。きなりのパジャマを脱いで下着姿になり、ショーツとそろいの白いブラジャーをつけ、ジーンズと白いシャツを着て鞄を持ってドアをあけた。金髪の長い髪を軽く結わえながらダイニングへと歩く。

 緑の瞳は意志を宿し、彼女の性格と同じく輝く。

「クレア、おはよう」

「おはようダッド! 今日はなに?」

「ベーコンとエッグ」

「うふふ」

 台所に立っている男のそばに行く。

 長身で全体的に灰色の髪の毛。瞳も色素が薄いのか薄い茶色で。黒いタートルの薄いインナーが首回りを隠し、水色のワイシャツを襟はすこしあけ、

腕まくりしている。灰色のズボンをきっちりはく。

 コーヒーを注いでいるとさまになる。俳優とかモデルのような整った顔をしているがどこか三枚目の印象を与えるのは、クレアに向けた少し笑ったような顔のえくぼだろう。

「おいしそう!」

「ストライクにもおはようを」

「はーい。おはようございます、パパ」

「ああ」

 もう一人、テーブルに座って新聞を広げてる男の方にクレアはあいさつする。そばにいくと大柄で栗毛色の髪をなでつけ、青い目をしている。同じくワイシャツにネクタイをしている。ズボンは髪に合せているのか茶色だ。

 新聞を嘗めるように眺めている。

「ノスタルジア、コーヒーをもういっぱい」

 大柄なほうが言った。

「目玉焼き冷めるから食べたらどうだ、ストライク」

 灰色の髪のほうが言った。

 細い方をノスタルジアと言う。大柄なほうはストライクと言った。

「ノスタルジア、もう少しだけ」

「君は活字中毒だからなあ」

 ノスタルジアと呼ばれ、男はふうとため息をつき女性が見たらきゅんとくるような憂い顔を作ってみせる。

「食べようよ、パパ」

 クレアが言う。

 クレアはノスタルジアをダッド。ストライクをパパと呼んだ。

「うむ、クレア、手を洗ったかね」

 ストライクが聞く。

「あ、まだだ! 洗ってくるね」 

 ばたばたと洗面所に行く少女を見送って、男二人は目線を合わせる。

 十人中九人の女性が見たらモデルだと思うほうの男が切りだす。

「今日は仕事になりそうか」

「そうだな、……買い出しは一人で行ってくれるか」

 ストライクはそう言うと、首をすくめた。

「仕事の忙しいのはいいが無理はするなよ」

「わかっている」

「食料のほうは任せてくれ」

「わかった」

 ストライクは新聞を隅々まで見てしまうと、フォークをとった。

 クレアはまだ来ない。

「デートだと思うかい」

 ノスタルジアは言う。

「デートなら、もう少し可愛くするのではないかね」

 ストライクが答える。

 二人の心配は、基本的に大事な娘のことである。

「十四歳だもんなあ、もうそろそろ彼氏の一人も……」 

 クレアが顔を出した。

「ダッド、食べたら駅まで送って! セレンと約束なの!」

「ああ、わかったよ」

 なんだ、と、女友達との約束だとわかって、ノスタルジアは笑顔を作った。

「じゃあ、駅に送ってついでに買い出しも済ませてくるよ」

 後半はストライクへの言葉だ。

「ああ、ありがたい、締切が近くてな」

「いいよ」

 ノスタルジアが席につく。クレアもつくと、三人の朝食が始まった。


 ノスタルジアはカギと財布を持って外に出た。

 車の置いてある車庫にクレアと向かう。

 この辺りは隣の住居が遠い。

「ダッド、ドラゴンは」

 クレアが聞く。

「土日はしっかり休んでていい、クレア。月曜日は学校があるのかな」

「月曜日は午前の講義が一個」

「そうかい、じゃ、午後に点検を入れておく」

「うん、わかった、オレンジさんも一緒?」

「一緒だ」

 一番近くに住んでいるのがオレンジ女史と呼ばれている女性である。

 ストライクたちの本来の仕事はドラゴン狩りだった。

 この惑星の先住動物と地球から持ち込まれた科学のハイブリットクリーチャーのひとつだ、爬虫類に近い。知能を持つものもいて、どうやら会話能力もあることがわかったのが超能力の研究で知られる研究所での解析だった。

 クレアは、その能力の保持者だった。

「ねえ、ダッド」

「なんだい」

「最近調べたんだけどさ、昔私が小さいころドラゴンが大量発生した時にどさくさに紛れて大統領が女性になったって本当?」

「何年も前だけどそんなこともあったね」

 ノスタルジアが少し顔を固くする。

「ふうん」

 駅につく。

 車から降り、クレアはありがとうと言い残して駅へと向かった。

 同じような格好で緑のシャツを着ている子に手をふる。

 友達も多いようでほっとするノスタルジアである。

 クレアを送ったあと、ノスタルジアはふうとため息をついた。

「大統領、か」

 街頭演説をする男たちのそばを通り抜け、車を走らせる。

 街をおおうドームの中は自動制御された車が静かに走っている。適当に駐車スペースに留め、買うもののリストを見ながら歩き出す。

 レストラン街を抜けると山積みの食材が並ぶマーケットに出る。

 果物と肉の匂いがして、ノスタルジアはあれこれと買い物を済ませ、とってのついた麻袋の中に詰めると、車に戻った。

 駐車料金を手首につけた時計を機械にかすめて払い、そのまま発車する。

 今日はなにか手の込んだ料理でも作ってそのあとは来週の仕事のリストを作るか。と呟きながら料理を考える。

 得意料理はイタリアンとフレンチ。だが、ほかにもメニューはいろいろ作れる。レストランに行けばそれなりの料理が出るが、手作りがやはり一番だ。

 鳥を塩コショウしておいて、野菜サラダも作る。と。

 

 車に乗ってしばらくすると、時計が地球の大昔の曲を歌い出す。一回聞くと忘れられないフレーズの、ものすごく人気があったという曲だ。

「どうした、ストライク」

 ハンドルを握ったまま聞く。

「コーヒーを買ってきてほしい」

「いつものを買ったが」

「ああ、ありがとう、君はぬかりないな」

「どういたしまして、あとで」

「ん」

「あとで話し合いたいことがある」

「わかった」

 ノスタルジアは時計を操作すると、ハンドルを切り、ドームを抜ける。

 原野が唐突に表れる。

 半分野良のクリーチャーたちが跳梁跋扈する中を走りぬける。

 遠くを牛のような生き物を追いかけるドラゴンが見えた。

「ああ、珍しいな、こんなところまで出てくるなんて」

 ノスタルジアは、たばこを手に取る。

 仕事中だけ吸う、ニコチンでないたばこだ。仕事に集中するために吸うもので、薬としての副作用は落としてある。

 車を自動運転にし、一直線に自宅へそのまま運転するようにセットし、車の上の窓をあけた。

 片手で銃を構える。

 車は最高速度を出している。風でノスタルジアの髪が乱れた。

 ドラゴンのサイズは牛の二倍ほど。

 高濃度の麻酔薬の入った弾を充填し、正確に腹に向かって撃った。

「命中。と」

 席に戻り、車にセットしてある無線機で、回収部隊に連絡する。

 ドームに近づくと殺されるので、そこから離れさせるためだ。

「よろしくー」

 と、位置を知らせて車の上をしめる。

「うー、寒いな」

 ノスタルジアはそう言うと車のヒーターも自動制御に戻した。

 


「ただいま、と」

 鍵をあけて入り、廊下を歩く。

 ストライクが書斎から出てくる。

「話しとはなんだね」

「ああ、ちょっとな、昔のことで」

「昔、どれくらいかね」

「女王のことだよ」

「ノスタルジア」

「大丈夫だ、屋敷に盗聴器もないことも全部調べてある。君が心配するようなことを言うつもりもないんだ、だが」

「だが」

「クレアにどう説明する」

「十五歳になったらすべて話すと、一緒に決めたのではなかったのかね」

「そうだが」

「だからすべて話そう」

「……、いいのか」

「クレアは強い。我々の娘だ」

「ああ」

 ノスタルジアはその言葉に薄く笑う。

「じゃあ、豆から轢き立てのコーヒー買ってきた。淹れる暇はないだろ、入れるから仕事してろ」

「わかった」

 ノスタルジアはキッチンへと向かう。

 コーヒーを淹れ、静かにマグカップを二つ出す。

 そそいでストライクの部屋へと一個持って行き、机に置いて、書斎でパソコンに向かう男の背中には何も声をかけず、ノスタルジアはキッチンへと引き返す。

 コーヒーを持って、仕事場に向かう。

 事務室として使っている部屋だ。

 ストライクと共同で持っている事務所で、ストライクはここでの仕事と、書斎での仕事、ボランティアでの仕事を持っている。 

 ノスタルジアはそのうちの、共同で持っている事務所での仕事の補佐と、料理まかないかたが基本の仕事である。

 ドラゴン及びほかのクリーチャーの資源としての活用と保護についての指針。と書かれた書類がノスタルジアの机の上に乗っている。

 政府側から出されたものだ。

「政府も無茶言うよなあ」

 この惑星には先住民がいて、その大部分は海に住んでいる。

 それらも、持ち込んだ地上のクリーチャーもすべて利用して、殺して……。

 女性大統領が政治を握って十年になる。

 そろそろほかの人に代わるべき時期だと思うのだが。

「我々の仕事がまた必要になるときがくるのかな」

 ノスタルジアはコーヒーの香りを嗅いだ。

「それとも新しい誰かが生まれるのか」

 クレアが大人になるときには、政治も安定してるといいんだがなあ。

「まあでもクーデターの政権にしては長いこと上手くやってるほうだよな」

 女王のクーデター、ナイトメア暗殺事件。噂ならいくらでもネットで探せるが。

「ストライクがいつか小説にするくらい世の中が安定したらいいな」

 と、一人笑う。

「さて」

 仕事を始める。

 スケジュールを組んで、仕事について連絡を各方面にメールで連絡。

 手紙で出す場所には手紙を書く。

 いまだ手紙での連絡が必要な人間もいる。電話も電子機器も嫌いな人間だ。

 全部済ませると、ノスタルジアは立ちあがった。

 ここが孤立してもいいようにしている、食料庫に降りていくと、備蓄している簡易食料などの点検する。

 地下だが、まったく地下の感じはない。

 木でできた壁に沿って歩くと勝手に電気がついて、一番大事にしているワインの並ぶところまで来た。

 そこにはクレアの古いおもちゃもひとつの箱に入っている。

 ほとんどは捨ててしまったが。

 クレアがどうしてもとっておきたいと言ったぬいぐるみがいる。

 ドラゴンのぬいぐるみだ。

「DNAっていうのは、やっぱり遺伝してるんだな」

 ノスタルジアはそうつぶやきながら、自分がかつて仕事で忠誠を誓っていた女性を思い出した。

 時々はテレビでも見る。

 新聞にも載る。

 ストライクが今晩までに仕上がればワインだな。

 と、ワインを持ってキッチンを通り事務所に戻る。

 

 あれは十八人目の恋人がいたころだな。とノスタルジアは考える。

 クレアが娘になってから、恋人を何度か作ったが、ほとんどの場合、仕事で付き合えなくなった。それと、娘がいるだけで別れる人もいた。

 不倫を疑われたこともあるし。

 未婚で独身とは思ってもらえないらしい。

 ノスタルジアは、顔だけはいいんだよ。と自分でも思う。

 でもクレアが一番大事な女性だしな。

 娘は大事だ。

 と、彼は思う。

 親ばかである。


「ノスタルジア」

 ドアがひらいた。

「なんだい」

 さめたコーヒーのカップを持ち上げたのをおろし、ストライクに聞き返す。

「ちょっと気分転換に鍛えてくるのでな、ちょっとこれを読んでくれたまえ」

「ん、最新作か」

「ああ」

 ストライクから渡されたのは、童話だ。

 ストライクはドアをしめる。

 人に読んでもらってる間は出てこない。

 恥ずかしいらしい。

 だが、とてもいい話をストライクは書く。

 ストライクの仕事は、ドラゴン狩りの本部での仕事であり、LISのクリーチャー部門の所長でもあった。

 しかし、子供のころから童話作家になることを夢見て、仕事が荒れる仕事ばかり就いても、彼の心は童心を忘れなかった。

 ノスタルジアが最初知り合った時、趣味は童話を書くことだと聞いて驚いたものだ。だが、ノスタルジアはその作品を見せてくれるか、と聞いた。

 そののち、ノスタルジアはストライクとエンゲージシステムのバディとして組んで仕事をし、童話作家として活動するにあたって、最初のマネージャーになったが。

 今は女性のマネージャーを中央都市に雇っている。

 そこに作品を送って売り込んでもらう。

 ストライクの作品はあたたかくて子供を肯定する文章に満ちている。

 決して世界は君を見捨てない、生きようという気持ちになる。

 大人になって読んでも、いい物語だと思う。

 童話を書くことが、彼にとって救いであるように、その童話を読むノスタルジアにもまたそれは救いなのだ。

 今回は、少年の話だった。

 文盲の少年のもとに、男が現れる。

 男は仕事を教えながら、彼に文字を教える。

「あれはなんて書いてあるかわかるか」

「レストラン」

「その前は」

「わからない」

「文字は書けるか」

「文字?」

 少年が聞き返す。

 やがて少年は大きくなり、童話作家になる。

 ストライクの人生について、ノスタルジアは深く知らない。

 だが、どうやら文盲だった時期があり、そのあと本を知り、図書館にこもりながら、兵士に志願し、体を鍛えた結果、仕事は粗っぽいものになって。

 そして。

 今に至るようだ。

 すべて知らなくても、信頼は築ける。

 信頼も信用も。互いの存在はかけがえのないものだった。

 ドアをあけて、トレーニング室のドアをあける。

「どうだね」

 ストライクは持っていたバーベルをおろして聞いた。

「いいんじゃないかな」

「そうか」

「うん」

「ボランティアでの仕事のほうをやりながら、少年に逢った」

「うん」

「彼のことを書いたのだ」

「そうか」

 ストライクのボランティアは、文盲の子供をなくすことだった。

 とくに人間でないが、この世界で生活している者に関してだ。最下層での子供たちは、エンゲージシステムから取りこぼされ、文盲になる。

 人でないものの中には人に溶け込もうとしているが。

 エンゲージシステムは現在拡張中で、今の所亜人種までしか人格を認めていない。

 エンゲージシステムはこの惑星だけで運用されているシステムである。

 そのシステムを作ったのは二十年近く前の政府だ。

 まだ、海賊たちがここを占拠していた時代だ。

 この星のワープ航路が破壊され、その区間の住むことが可能な星までの移動がコールドスリープしか無理になった。

 ワープ航路の全貌は今も政治機密だが。

 航路を作ったのは地球人ではなかった。

 その秘密ごと、ひとつが壊されたのだ。

 だがしかしそのあと、海賊と呼ばれる惑星間をワープする者たちが現れた。

 壊されたワープ航路を発掘した会社が、そのシステムの一部を解析することに成功して、船に取り付けたのだ。

 不安定であるがワープを使用する船が出始め。

 惑星間の大航海時代の始まりはそんな風で。

 たぶんクレアも学校で習っているだろう。ノスタルジアはストライクから借りた本で知った。

 ワープ航路が壊れたこの惑星は、そのワープが使いづらい。

 使えない時期と使える時期があるのだ。

 壊れたワープとの関係も考えられている。

 そのためにあまり海賊が入り込まない緩衝地帯になっていた。

 君は自分のことをあまり言わないな、とストライクに言われたことを思い出す。

 言うべきことなんて何にもないんだよ。

 と答えた。

 普通の家に生まれ、たまたま銃に興味を持ち、正確な射撃を好み、両親がたまたま早くなくなって銃を使えると兵士になった。

 それだけだ。

 それだけ?

 ノスタルジアは首をふる。

 忘れてはいけない罪はあった。だがしかし、それは――。

 ストライクと出会い、クレアと出会って、人生はおもしろくなった。

 

 ノスタルジアの時計から昔の地球の歌姫の曲が流れた。



 クレアが首から下げているカードに触れると、はい、ノスタルジア。と声がした。

「あ、ダッド、今から電車乗るから、迎えに来て!」

 クレアはそれだけ言うと、わかった、と返事を聞いて連絡を切る。

「どうしたの、セレン」

 その時、初めてセレンの違和感に気付いた。

「セレン?」

「なんで、私、今日いまここにいるの」

「?、セレン、なんかおかしいよ」

「おかしい? クレア、今日は学校じゃなかったっけ」

「セレン」

 セレンは、鞄からチューブを取り出して、まいていたスカーフをとり、首にある穴にチューブにつなげる。

 ブルーの液体が入っていく。

「はあ、はあ、はあ」

「大丈夫? いつもの?」

「うん、チューブが遅れると時々なるの」

「そっか」

 異星人の中には、大気が中毒になる子もいる。

 薄青い顔の少女は、笑った。

「クレア、今日はありがと、彼氏に送るペンダント、すっごく素敵なの選べたし」

「ううん、一緒にいて楽しかったし、私でよければなんでも相談に乗るよ」

「ありがとう」

 クレアは笑い、駅につくと、二人は外に出たのだった。

 クレアは友人とわかれ、手を上げたノスタルジアのところまで走る。

 ノスタルジアは、まぶしいような顔をした。

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