初決戦3

時折観客のどよめきや子供達の笑い声が聞こえてくる中、ひときわ大きな歓声が上がった。ステージのほうを見るとテレビでも見た事ある茶色いアイツがステージの天井にぶつかるんじゃないかと言うぐらい伸びていた。


優勝賞金は魅力的だがあんなの見せられたらとても勝てる気はしない。エミの方を見ると観客の子供達以上にステージに見入っていた。


「そろそろ私達の番ですよ、スマホ電源切るかマナーにしといてくださいね」


「えと……僕は何をやれば良いんですか?」


「え!?え!?何にも決めてないんですか?」


「はい」


ありさはかなり焦った。この人いったい何なの!?馬鹿なの!?もう時間がない。観客のシーンとシラけるイメージしか湧いてこない。


「えと……お客さん達を喜ばせるような事をすれば良いと思います。何をしたら喜ぶのか私もわかりませんけど……逆になんか得意な事とかないですか?何が出来ます?」


「人間が想像出来るような事なら大概出来ると思って間違いないですよ」


「……は?」



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