千五十三話 ダイザブロウの万歳、万歳、万々歳!
バーソロンの気配は庭の左のほうにある。
そして、奥座敷は傷だらけ。
激戦の跡が至る所に残っていた。
すると、ダイザブロウが前に出て、
「おお、奥座敷の戦いを制したシュウヤ殿と神獣様がバシュウとマーマインの大将を討ち取ったのか!」
興奮していた。
「にゃお~」
相棒はそんなダイザブロウに鳴いて答えた。
片足を上げて肉球をダイザブロウに見せている。
ダイザブロウも丸い肉球に指を当てたいはず。
隣にいる上笠のタチバナは一瞬視線を鋭くするが、笑顔を見せて、
「――マーマインの急襲を退けた後に、なんという朗報か!!」
そう発言。
裏切っていただけに白々しい。
タチバナに尋問してもいいが……。
と、サシィと目が合う。
サシィは微かに首を左右に振る。
ここでは事を荒立てない方向でいくのか。
『分かった』と頷きを返した。
皆もそれとなく空気を読む。
すると、銃を持つ男性が、
「先代の仇をシュウヤ殿が取ってくれたのですな! あ、俺の名はマゴザです。そして、シュウヤ殿と皆様方に姫! 【源左サシィの槍斧ヶ丘】を守って頂きありがとうございます!」
「おう、守ることができてよかった」
俺がそう言うと、サシィは、
「マゴザのいた右場も激戦だったようだな」
「はい、激戦でしたが、なんとか生き残りました」
「信号弾の合図もなくなり、次々と討ち死にの報を聞いた時は焦りを覚えたぞ」
「そうですね、信号兵も皆死にました。最終防衛戦も最後まで食われてしまいました。しかし、乱戦にも、この最新式の源左魔銃孫三式は使えますから、しぶとく生き抜いてやりましたさ」
マゴザはそう語りつつ魔銃を掲げた。
傷だらけの太い腕が持つ魔銃は、スナイパーライフル的にも見えるが、アサルトライフルのように連射が可能なのかな。
アクセルマギナが興味深そうにその魔銃を見ている。
皆に、
「マーマインの親玉は倒したから、もうマーマインに関連した襲撃はなくなるだろう。サシィとこれからの源左は他に注力できると話をしていたところだ」
と言うと、サシィも、
「うむ。我らの大勝利!」
そう気合いを入れるように発言。
「「「おぉ、大勝利!」」」
「今日はめでたい!」
「追撃に出たと聞いて心配していたら、砦に敵の大将を取るとは……」
「宿願の一つの達成だ!」
「うむ! 吉日、めでたい!!」
「ははは、今宵は酒が美味くなる!」
「おう、コザクラで一杯のむか」
「そうだな、しかし、マーマインは大軍のはず」
「あぁ、シュウヤ殿たちが強いことは分かるが……」
キクシゲの言葉にサシィは、
「すべて事実だ。最初、灰色の砦から巨大なマーマイン戦士の幻影も出現していたのだが、シュウヤ殿が、その巨大なマーマイン戦士の幻影に向かって空から灰色の砦に侵入していくところは、凄く格好良かったぞ」
「「おぉ」」
「……
「おぉ」
すると、
「サシィの言葉を補足しよう。良いか?」
「は、はい」
「妾の名は、沙。器のシュウヤが使役している<神剣・三叉法具サラテン>の一つの沙である。そして、妾たちは【マーマイン瞑道】を突破し、【ローグバント山脈】にあった【マーマインの砦】に突撃を噛ましたのだ」
「はい、灰色の砦での戦いでは、主に空軍としての役回りでした」
沙と羅がそう発言。
沙が神剣を右手に出して切っ先を天に向け、そのまま袈裟斬りを宙空に繰り出しては、
「――うむ、マーマインの灰色の砦を牽制したのだ」
と、横回転しながら神剣を仕舞う。
仙女スタイルの沙だから、生の太股がチラついて目の保養になったが、上笠たちは目のやり場に困っていた。
結構な薄着だからな。
乳首さんは露出していないが、中々の乳房の大きさなのは分かる。
まぁ立場上、野郎として素直にエロい視線は送れないよな。
「はい、山塊には小さい砦も幾つかありましたから、駆け下りてきたマーマインの大軍も厄介でした。強者のリーダー格も多かったです」
貂がそう発言すると、羅も、
「そうですね、魔矢を放つ優れた射手、源左魔銃持ち、魔法使いのマーマインには少し苦戦しました。わたしと羅は、そんな射手が多くいる櫓を次々と襲撃して、その櫓と塔を落としていきました」
「「おぉ」」
羅の発言にダイザブロウとキクシゲが歓声を上げる。
「はい、麓には幾つかの要害があったのです。マーマインの射手は多かった」
そう喋った
沙は、
「ハザルハードたちがいた本丸は、山間に聳え立つ縦長の魔塔だったのだが、そこから超巨大なマーマイン戦士の幻影が出現し、その幻影が空にいる妾たちを攻撃してきたのだ」
「はい、マーマイン戦士の本体は透けて物理攻撃などが効きませんでした。しかし、その巨大なマーマイン戦士が持つ斬馬刀と大きな魔斧は、透けずに本物でした」
「うむ。当たれば妾たちも無事では済まなかったであろう。であるからして、マーマイン大戦大勝利の要因は、妾たちの大活躍のお陰である!」
沙が腰に両手を添えて胸を張る。
貂が笑って、
「ふふ、活躍はしましたが、器様の迅速な行動が、今回の大勝利の要因です。そして、魔皇獣咆ケーゼンベルスがいたことも大きいですね。先ほども言いましたが、打って出てきたマーマインの大軍に対処できたのはケーゼンベルスのお陰」
「ウォォォン! 貂よ、我を褒めるとは、嬉しいぞ!」
ケーゼンベルスが貂の右足の太股に頭部を寄せていた。貂は複数の尻尾と長細い腕と手で、そのケーゼンベルスの頭部と胴体を撫でていく。
ケーゼンベルスの黒い毛は結構モフモフだ。
「灰色の砦などから駆け下りてきた大軍だが、俺たちもそれなりに活躍はしたぜ」
「はい、サシィの御姫様もフィナプルスも黒狼隊も皆が活躍していた」
「我らもマーマインの強者と大隊の一つと真正面から敵対しましたぞ!」
「その戦いに大勝利し、閣下に貢献できたことは誉れだ。しかし、口惜しいのが魔獣の乗りこなしに失敗したことか」
「うむぅ……」
光魔沸夜叉将軍ゼメタスとアドモスがそう発言。
脇腹から残念がるように泡のような魔力が迸る。
粉塵や煙のような魔力と異なる魔力の泡。
サシィとビュシエの眷属化を行った際に出ていた銀色の泡に似ている。
新技か?
感情の差で絶妙に噴出していく魔力が異なるから面白い。
続いて、フィナプルスも、
「はい、皆が皆、役割をまっとうしていたからこその大勝利。とはいえ、巨大化したハザルハードを見て……世界を滅ぼす、わたしの魔心臓だった奇怪フィナプルスを思い出して、少々面食らいましたが……」
そう語りながら俺を凝視。
フィナプルスの背中から斜め横に出ている白い翼がはたはたと動いている。
たしかに……奇怪フィナプルスは超大型巨人ハザルハードのように大きかったな。
そして、【魔女ノ夜会集】と奇怪フィナプルス戦を思い出した。
フィナプルスは、俺の腰にあるフィナプルスの夜会を見る。
――フィナプルスの夜会から出る前の複数の魔女たちとの会話がフラッシュバック。
『……古い主たちのせいだ。魔女フィナプルスは、その古い主たちにより、魔心臓をくり抜かれた』
『古い主? このフィナプルスの夜会という名の魔術書には、他にも契約主が居ると?』
『そうだ。時と場合により魔界四九三書の名は様々だ。そして、新しい主を生み出さないために、古い主たちが、この魔界四九三書の循環を破壊する目的で、魔女フィナプルスの魔心臓をくり抜いた。間接的ではあるが、わたしを含めた魔女たちのせいでもある』
『その古い主とは?』
『魔界王子ハードソロウ、幻魔ライゼン、魔界奇人レドアイン、魔公爵ゼン。本来であれば、魔女フィナプルスが生まれし日に……新しい契約主の下で使われる魔術書であったのだ』
『だから、フィナプルスが主を得れば、その契約によって、今よりは、この世界の吉兆の魔力が強まる。調和が取り戻される』
『奇怪の出現も緩和される』
『世界に秩序が生まれやすくなるはずだ』
更に複数の魔女たちは、
『……あの魔十字の亀裂ですが、あの亀裂は、どこかと繋がっている?』
「その通り、魔十字の亀裂は、セブドラという異界に棲まう古い主たちと繋がっている。魔界四九三書としての力を使いすぎた結果だ』
『セブドラ……魔界ですか。貴女の主も?』
『そうだ。わたし魔女カトロと魔界王子ハードソロウとは繋がりがある。切っても切り離せない存在であり、理の一つ』
とあったから、魔界セブドラにいる以上……。
魔界四九三書のフィナプルスの夜会には気を付けようか。
そんなことを思い出していると、ダイザブロウたちは微かに声を漏らしつつ感動していた。
マーマイン討伐は源左の者たちにとって宿願の一つ。そして、奇襲を受け奥座敷の戦いも経験した結構な危機から一転しての大勝利の報だ。
気持ちは凄く分かる。
「我らの宿願が成った!」
「聞けば聞くほど素晴らしい……姫とシュウヤ殿。まっこと見事な大戦果」
「やはり【源左サシィの槍斧ヶ丘】の吉日ですな」
「……ダイザブロウ、お前に大事な話があるのだが」
「分かりました」
「皆にも後で情報を伝えよう。シュウヤ殿たちも奥に」
「「「ハッ」」」
俺たちは上笠たちから離れて、奥座敷の奥に向かった。
その庭のほうから、
「陛下!」
バーソロンが低空を飛翔しながら近付いてきた。
「よう、バーソロン、今戻ってきたところだ」
「はい、わたしは
殊勝だ。抱きしめたくなったが、自重。
「ありがとう。お祈りのお陰で、バシュウと、親玉のハザルハードを倒せた。マーマインの砦も落としてきた」
「はい!」
「バーソロンも【源左サシィの槍斧ヶ丘】を守るため、ヘルメと共によく戦ってくれたな」
「はい!」
嬉しそうな表情を浮かべているバーソロン。
顔の右側に多い炎のマークが煌めく。
「で、どんな戦いだったんだ?」
「右場と左場は一時敵に占領され掛かりました。特に右場は犠牲者が多かった。精霊様とわたしで盛り返した形です。とはいえ、<
「ふふ、当然です」
「はい、そのようですね」
ヘルメとバーソロンは微笑み合う。
そのバーソロンにリューリュ、ツィクハル、パパスが近づき、
「バーソロン様!」
「バーソロン様ァ」
「バーソロン様、シュウヤ様たちとマーマインの砦を攻め落としましたぞ!」
「おぉ、お前たち」
「「「ウォォォン!」」」
ケン、コテツ、ヨモギの黒い狼もバーソロンの足に頭突きを喰らわせて、膝かっくんが起きていた。
面白い。
「ははは、皆がんばったようだな」
「「「はい」」」
「あの、バーソロン様、嬉しい報告がまだあります!」
「なんだ、リューリュ」
リューリュは
それは今は止めておいたほうが、いや、今だからいいのか……。
リューリュはバーソロンを笑顔のまま見て、
「シュウヤ様はわたしを<従者長>にしてくれると約束してくれたのです!!」
「あ、わたしも……」
笑顔のままリューリュがそう報告する。
ツィクハルもそうボソッと発言。
刹那、バーソロンの笑みが消える。
やばいか、思わずリューリュの前に腕を出した。
そのまま、俺の腕を
「……」
「バーソロン、アチを含めて、バーソロンも<
「おぉぉ!!」
バーソロンが吼えた。
「陛下、わたしは魔界騎士、光魔騎士となりましたが、可能なのですか!」
「魔界騎士の<魔心>の契約も眷属化と同じだが、勿論可能だ。光魔ルシヴァルの血の螺旋に入る覚悟があれば、の話だが……」
「螺旋もなにも、入りますぅ!」
と、乙女言葉になっているバーソロンが面白い。
リューリュとツィクハルも笑顔だ。
パパスにも視線を送り「パパスも<従者長>になるかな」と言うと、
「え! 俺もいいのですか?」
「当然だ。魔斧レガールを使い黒狼隊としてよく働いてくれたからな」
「うぅ……俺の武器を覚えてくれている。ありがとうございます。俺もお願いします」
パパスは喜びのあまり泣いてしまう。
そんなパパスの肩に、ツアンが手を置いていた。
「はは、では、バーソロン、ビュシエも紹介しとこう」
「あ、初めまして、ビュシエといいます。シュウヤ様に救われて、光魔ルシヴァルの<
「……え?」
「マーマインの親玉が取り込んでいた片腕が、吸血神ルグナド様の元<
「なんと……<血魔力>が膨大な美人が増えたことはオカシイと思っていたが……」
「ふふ……オカシイ? わたしがシュウヤ様と結ばれるのは必然……」
「……ほぅ」
バーソロンとビュシエに早速、ドンパチの気配あり。
「おちつけ、喧嘩はナシ。で、皆、これから、その眷属化繋がりで、サシィの処女刃の儀式をするから、奥に向かう。サシィ、案内を頼む」
「分かった。皆、ダイザブロウも行こう」
「はい」
ダイザブロウは少し
光魔ルシヴァルになったことを聞いたら、やはりショックだろうな。
そのまま奥座敷の出入り口ではなく、庭を進んだ。
神像が多い庭から
ビュシエとバーソロンが互いをジロジロと見ていた。
サシィも<
そして、レベッカとエヴァとヴィーネが争っていた頃を思い出す……。
すると、ヘルメが、
「閣下、闇神アーディンの像が、ここの右のほうにあるんですよ」
「へぇ、後で見よう。ステータスを見た時に<武装魔霊・煉極レグサール>は闇神アーディン様と関わりがあると知った」
「アドゥムブラリが使っていた武装魔霊が闇神と関わっているとは、興味深い」
「ほぉ、逸話は知っていたが、闇神アーディンと繋がりがあるとは知らなかった」
アドゥムブラリがそう発言。
ヘルメも、
「愛用していたアドゥムブラリも知らないのですね。不思議ですが、閣下とデルハウト繋がりで興味を持たれるかと思いましたが、そのような繋がりがあろうとは……」
奥座敷の庭は広いし、魔界セブドラの神々の彫像も多い。
その神像には魔力が内包されているから、魔力を送ったら何かが起こるかもしれない。
他にも、この庭には秘密がある。
【源左喜平次の石碑】。
【源左蛍ノ彷徨変異洞窟】。
【緑王玉水幢ノ地下道】。
【コツェンツアの碑石】。
【源左サシィの隠れ洞窟】。
【開かずのゲイザー石棺群の間】。
【源左ミーロの墓碑】。
【立花弦斎の羨道】。
【源左ゼシアの命秘道】。
などもあるから調べたい。
サシィの処女刃が終わり次第かな。
フクナガさんの料理も食べたいが……。
皆で縁側から廊下に上がる。
サシィは草履を素足に変化させた。
そのサシィに近侍と小姓のような存在たちが近寄ってきた。
「皆、ここからは出入り無用。わたしの私室には仲間たちのみだ」
と発言していた。
そして、俺たちに、
「できれば素足で頼むが、まぁ、無理ならそのままで構わない」
と発言。
俺はもう素足。
皆もそれぞれ靴の装備を消してから廊下を歩き出す。
数寄屋造りの建物にありそうな古い縁甲板を歩いていると……ホウシン師匠たちと修業を行った修業蝟集道場の廊下を思い出した。
前にも思い出したが、板の間の匂いは共通しているからなぁ。
その修業蝟集道場に〝神仙鼬籬壁羅仙瞑道譜〟が飾られていたことは忘れられない。
この廊下の左側は日本庭園っぽい庭園だ。
右側は、
サシィは廊下から、その右側の部屋に入り、そのまま三つほど広い大部屋を通り抜けたところで、また
「ここだ。ダイザブロウ、人払いは出来ているか?」
「はい、上笠影衆は一時的に一つの部隊として、街櫓を守らせています」
「分かった……」
私室のようだが、結構な広さだ。
床の間と床柱、床框と板床の上にはたたら束があり、書院欄間もある。掛け軸や花瓶に植物の背の高さをいかした飾りも見事。
風呂場があれば風呂場でしたいが、ま、ここでもいっか。
すると、サシィは、
「ダイザブロウ、わたしは種族が光魔ルシヴァルとなった。シュウヤ殿の<
「……え、シュウヤ殿の……」
「その通り、<
「なんと! サシィ殿も<
驚きの声を発したバーソロンは、チラッと俺を見る。
安心させるように笑顔を意識しつつ、
「おう。ビュシエもサシィも流れからだ」
「はい、
頷いた。
そして、ダイザブロウに何か言ったほうがいいと思うが、俺が言うと怒りを買いそうだな。
そのダイザブロウは、ふるふると肩が震えて、
「源左から、光魔ルシヴァルに……しかし、眷属とは、シュウヤ殿の女となるということか……」
「そうだ。シュウヤ様とは事前に源左式の夫婦の契りを行った。提げ重箱の引き出しを丁寧に開け、四重蒸物を一緒に食べている」
「そうでしたか……分かり申した」
「おぉ、分かってくれたか」
「当然です。姫も惚れたからこその行動。そして、源左の未来を考えてのこと……【源左サシィの槍斧ヶ丘】は今後も安泰でしょう」
そう語るダイザブロウは厳つい顔を俺に向けてきた。
睨んでいるようにも思えたが、優しそうな顔つき。
そのダイザブロウは、
「シュウヤ殿、否――」
と、片膝ではなく、両膝の頭で畳を突くと、両手も下げて
「シュウヤ陛下! 姫を……サシィを……末永くよろしくお頼み申す……」
肩が震えている。
泣いているのか。
「……はい、任せてください。そして、頭を下げる必要はないですよ」
寄って片膝で畳を突いて手を差し出した。
だが、ダイザブロウは、
「シュウヤ陛下――万歳、万歳、万々歳!」
と、頭を垂れたまま、叫ぶようにそう発言。
まだ泣いているだろう。
「「……」」
「……ダイザブロウ、痛いほど気持ちは伝わった。立つのだ」
サシィがそう言いながら寄ると、ダイザブロウは、
「ハッ――」
頭を上げた。
両膝を畳に付けたまま、俺に
両目は充血気味だ。
「ダイザブロウ、【源左サシィの槍斧ヶ丘】の皆はもう仲間ですから、今後は共に協力していきましょう――」
「――あ、はい、ありがとうございます」
無理に立たせる形となったが、納得してもらえた。
「ダイザブロウ、わたしの眷属化についてだが、皆にはまだ内緒にしておいてもらうぞ」
「はい、上笠の皆にもですか?」
サシィは俺をチラッと見てから、ダイザブロウに、
「そうだ」
と答える。
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