七百六十五話 王級の魔法:王氷墓葎(キングフリーズ・グレイブヤード)と神遺物(レリクス)
空飛ぶ蛙のモンスター軍団は、ただの蛙ではなかった。
蛙と大きなグリフォン系の鳥獣が合体したようなモンスター。
巨大な蛙鳥獣モンスターもいる。
蛙鳥獣の大きな体の上部は、ほぼ蛙。
蛙鳥獣の大きな体の下部は、すべて鳥獣。
それらの蛙鳥獣は、大きな体に魔刃と小さい翼と複数の肢を持つ。
すると、その魔刃が煌めいて纏まり、大きな翼と化した。
ドラゴン系統なのか?
バルドーク山が近いし、それもありえるのか。
未探索地域開拓依頼で倒した魔竜王バルドーク……。
俺の愛用している魔槍杖バルドークを考えると、感慨深い。
ま、そんな古代竜や竜種の住み処がバルドーク山だ。
樹海やペル・ヘカ・ライン大回廊などにも地続きで繋がる。
そして、ここは高度も高いし、この空域を巡る生存競争を生き抜くモンスターたちも強いだろう。
惑星セラ恐るべし。
そんな竜種の一つと予測した、大きな翼を獲得した数匹の蛙鳥獣ドラゴンは、小さい翼を上下に回転させつつ上昇するや、俺たちに向けて下降してきた。
残りの複数の蛙鳥獣ドラゴンも大きな翼を獲得すると、旋回を始めた。
俺たちの、上下か左右からの、挟撃を狙うつもりか?
上方から下降中の蛙鳥獣ドラゴンは俄に速度を落とす。
距離にして……。
まだ一キロ以上は離れていると思うが、人を刺す、建物を透過する電磁波ナイフでも寄越すのか。
そう疑問に思ったところで、
「にゃごぁぁぁ――」
右斜め前に火柱、否、炎が迸った。
赫く燕を擁した神獣ロロディーヌの紅蓮の炎ブレスだ。
怒れる炎神エンフリート様も真っ青な勢い。
紅蓮の炎の波と赫く燕の群れが、蛙鳥獣ドラゴンの群れを飲み込むように突き抜けた。
一瞬で、右側へと旋回中だった蛙鳥獣ドラゴンの一団が炎に飲まれて消えた。
他の旋回中の蛙鳥獣ドラゴンは散乱。
が、まだ多い。
「相棒、ありがとう! だが少し引いてくれ。バルドーク山側の大量の魔素たちが気になる。そいつらの相手をしてくれ」
「にゃおお~」
相棒は後方に向かう。
『戦神ラマドシュラー様のご加護を得た凄まじい炎でした!』
『そうだな、相棒も凄まじい強さを持った神獣様だ』
視界に浮かぶ小さいヘルメと思念会話を行う。
ヘルメは感心したような仕種を取り、頷いた。
また、くるっと回ってヘルメ立ちを繰り出してくれた。
揺れるおっぱいさんはビューティフル。
そのヘルメは、
『はい、しかし、今までと違ってロロ様の凄まじい熱量のある炎を見ても、不思議と恐怖を感じませんでした』
『へぇ。あ、王級の《
『はい! まさに氷の帝王と呼ぶべき魔法が《
気合い溢れるヘルメだ。
そして、参謀長的な態度だ。
そんなヘルメと念話をした直後――。
上方の蛙鳥獣ドラゴンが口を拡げた。
その口から粘液状の大波を吐き出してきた。
波の中に渦があり、モンスターの体と魔力が混成した大波。
『閣下、あのドラゴンのブレスは少し他のドラゴンと違うような……』
『あぁ』
<紅蓮嵐穿>か<魔狂吼閃>の中身のような魑魅魍魎の大波か。
蛙鳥獣ドラゴンが今まで取り込んだモンスターの類かな。
予想外の攻撃だ。
<
王級の《
――<血道第三・開門>を意識。
――<
『ヘルメ、<精霊珠想>と王級の《
『はい、<仙丹法・鯰想>でも可能です』
『了解した。何事も基本から、まずは<精霊珠想>から連係しよう。隙を見てヘルメは実体化。俺も攻撃しつつ隙を見て、次の魔法書を覚える修業に移る』
『ふふ、実戦の最中に魔法の修業を行うとは、閣下らしい!』
『おう!』
左目から神秘世界を魅せる
そのヘルメは、俺の左半身の《
今までの<精霊珠想>のヘルメとは異なるヘルメは、扇の形を保ちつつ宙を前進――。
<仙魔術>系統の<精霊珠想>の中身は不思議。
宇宙のマクロと原子のミクロ世界を同時に可視化しているような気分となる。
そのヘルメの<精霊珠想>と粘液状の魑魅魍魎の大波が衝突。
液体のヘルメの<精霊珠想>は、その魑魅魍魎の大波を内部に取り込むと蛍光色を帯びる。
そして、箱船に乗った七福神の格好をした闇蒼霊手ヴェニューたちが、液体のヘルメの体内に出現。
その妖精の闇蒼霊手ヴェニューたちは元気に点滅。
<精霊珠想>の液体の中で、運動会を行っているような感じで、楽しそうに行進する。
その闇蒼霊手ヴェニューたちを擁する
<仙丹法・鯰想>のナマズが泳ぐような機動で宙を進む。
粘液状の魑魅魍魎の大波を吸収――。
そのまま直進し、粘液状の魑魅魍魎の大波を吐いてきた蛙鳥獣ドラゴンを飲み込んだ。
が、蛙鳥獣ドラゴンは大きすぎたか。
液体のヘルメは速度を落として静止。
そして、前の亜神ゴルゴンチュラ戦を想起してしまい、不安を覚えたが、杞憂だった。
蛙鳥獣ドラゴンは内部から「ドッ!」と重低音を立てて爆発。
爆発の基点にいる<精霊珠想>の液体ヘルメは無数の泡を発して炭酸ガスを内包しているように揺らめいていた。
その液体ヘルメは爆発のエネルギーも体内に吸収したのか、派手に氷の飛沫を周囲に放って実体化を行った。
現れ方が、氷の女王的な雰囲気だ。
左腕を太いグラディウス系の剣に、右腕を魔槍に変えている。
<精霊珠想>は攻防一体のスキルではあるが、王級の《
そんなヘルメに――。
他の蛙鳥獣ドラゴンが迫る。
その蛙鳥獣ドラゴンが、またも、口から粘液状の魑魅魍魎の大波を吐いた。
フォローに――。
《
王級の《
俺の魔法の攻撃は粘液状の魑魅魍魎の大波に吸収された。
蛙鳥獣ドラゴンは強い。
ヘルメは、
「閣下、見ていてください――」
と発言するや、足下に氷の蓮を作り、その氷の蓮を踏み台にしつつ、跳躍、飛翔を繰り返す。
粘液状の魑魅魍魎の大波を、踊るように体を反らし紙一重で避けた。
そして、回転、剣腕と魔槍腕を華麗に振るうや、魑魅魍魎の大波を幾重にも剣の刃と魔槍の刃で切断。
両腕が武器化しているヘルメは、華麗な氷剣槍術を魅せる。
すると、そのヘルメは逆方向に体を横回転させる。
斜めに移動したヘルメはアイススケートのスピンをそのまま宙空で行うような、螺旋機動で宙を直進した。
<血鎖の饗宴>を用いた一本鎖のような機動だ。
武器と化した両腕と体に纏う水と氷の魔法鎧の《
常闇の水精霊ヘルメの螺旋攻撃は、粘液状の魑魅魍魎の大波を幾つも突破すると、隙を見せた蛙鳥獣ドラゴンの体をも超電磁スピンを行うが如く貫いた。
直進したヘルメは、次の蛙鳥獣ドラゴンも貫くかと思われたが、螺旋の動きを紐解くように流れる回転運動のまま、剣腕と魔槍腕を振るい抜く。
水平軌道の剣腕と魔槍腕の刃が、その蛙鳥獣ドラゴンの体を切断。
続いて、両腕の武器を振るい回す。
剣腕と魔槍腕の軌道がZか×の文字に見えるぐらいに迅速に動くや、瞬く間に蛙鳥獣ドラゴンを細かく切断して倒した。
「見事だヘルメ!」
カッコいいヘルメだ。
尊敬の念を抱いて拱手。
「はい!」
――俺も参戦だ。
左手に聖槍アロステ。
右手に雷式ラ・ドオラを召喚――。
間髪を入れず<
俺の斜め前方に出現した五発の<
魑魅魍魎の大波の一部を貫いた。
更に、二体の蛙鳥獣ドラゴンの体に突き刺さる。
その二つの<
蛙鳥獣ドラゴンの体の毛が溶ける。
網目模様の傷が鱗と皮膚に生まれるや否や体は賽の目状に分裂し、派手に血飛沫を放出。
サイコロ状の肉の塊となってバラバラに落ちていった。
が、粘液状の魑魅魍魎の大波に捕まっている<
更に、光属性に耐性を持つ蛙鳥獣ドラゴンも存在。
粘液状の魑魅魍魎の大波と相殺された<
――梵字に輝く<鎖>も試すとしよう。
が、粘液状の魑魅魍魎の大波を貫いた<鎖>の表面にべったりと気色悪いモンスター部位が付着してしまう。
<鎖>と粘液状の魑魅魍魎の大波は相性が悪いようだ。
――<鎖>の梵字が消えた。
<鎖>が溶けるようにも見えたから、即座に<鎖>を消した。
やはり蛙鳥獣はドラゴン系統ってことだろう。
その蛙鳥獣ドラゴンは、弱点はそれぞれ違うか、弱点があまりない。
個性的に成長していたようだ。
<血鎖の饗宴>なら効くかな。
ま、素直に叩くとしよう――。
<水月血闘法>を意識し発動。
周囲に赫く血の鴉が幾つも誕生。
同時に鴉たちは体から水と氷の粒も放っていた。
それらの血の鴉たちから、
『かぁ、かぁ、かぁ~』
『ぶぉぉぉぉ』
法螺笛的な音が響く。
それは神社から不思議な神々の世界に誘われるかのような神秘的な音にも聞こえた。
太陽神ルメルカンド様、光神ルロディス様、水神アクレシス様に感謝だ。
否、すべてだ。
日本人の精神らしく
<
ヘルメの周囲に群がる蛙鳥獣ドラゴン目掛けて前進、加速――。
《
電光石火の勢いで一体の蛙鳥獣ドラゴンとの間合いを詰める――。
槍圏内に入った直後――。
右足の踏み込みから、迅速に、聖槍アロステを突き出した。
十字矛の<水穿>が巨大な眼球ごと蛙鳥獣ドラゴンの頭部を穿つ。
手応え十分。
が、まだだ――。
続けざまに――。
<水雅・魔連穿>を繰り出した。
一の突きは雷式ラ・ドオラ。
黄色い杭刃が、再び、蛙鳥獣ドラゴンの頭部を穿つ――。
二の突きは聖槍アロステ。
白銀の十字矛がその蛙鳥獣ドラゴンの胴体を穿つ――。
三の突きは雷式ラ・ドオラ。
黄色い杭刃が、まだ残る蛙鳥獣ドラゴンの内臓を穿った――。
三連続の多段突きが蛙鳥獣ドラゴンに決まった。
一匹の蛙鳥獣ドラゴンは崩れるように体が崩壊。
よし、倒した。
聖槍アロステと雷式ラ・ドオラを両手から消して退く。
<導想魔手>を足下に出しつつ、ヘルメの背中に背中を合わせて、
「――ヘルメ、魔力は大丈夫か?」
「大丈夫です、元気です!」
俺たちに群がる蛙鳥獣ドラゴンは、まだまだ多い。
相棒の炎ブレスで、随分消し飛んだと思ったが……。
人の造形に近い魔族風のモンスターと、悪神デサロビアの眷属のような眼球が集結し体を構成しているモンスターが、蛙鳥獣ドラゴンと戦いつつ集まってくる。
魔族は背中に一対の翼。
両手に武器を持つ人型で強そうだ。
「――分かった。一応魔力を送る」
「あぅん、あ、ありがとうございます、ぁん!」
ヘルメの体が震えた。
恍惚とした表情を浮かべているんだろうな。
「よし! 相棒が戦うグリフォン亜種の群れもいる。一緒に蛙鳥獣ドラゴンを倒すとして、巨大な蛙鳥獣ドラゴンもいるから気を付けようか。俺は魔法書を読みながらとなるが」
そう喋りつつ――。
蛙鳥獣ドラゴンに向けて、《
ヘルメも、左右の腕を普通に戻しつつ――。
「はい、一際大きい蛙鳥獣ドラゴンに気を付けます。そして、翼を持つ大柄の魔族と眼球のモンスターの新手は敵でしょうか」
「敵だ。無数の礫を俺たちにも繰り出してきた」
「分かりました」
ヘルメは大柄の魔族風のモンスターに《
「行くぞ」
「はい! 氷の帝王たる閣下の戦闘修業に貢献します――」
「おう」
「ふふ――」
微笑むヘルメと俺は左右に出た。
俺たちに飛来してきた礫と粘液状の魑魅魍魎の大波を避ける。
直ぐに<血道第一・開門>を意識。
血の分身を創るように<血魔力>を全身から放出した。
同時にアイテムボックスから王級:水属性の
放出した<血魔力>のマントのような血が囮となった。
その囮の血のマントは、礫と粘液状の魑魅魍魎の大波と衝突して消えた。
<導想魔手>を蹴って高度を得ながら<血道第一・開門>と<導魔術>を活かすように自らの血で架台を生成。
その血の架台に聖書でも置くように
赫く血で構成される小さい鴉が、血の架台の周囲を舞う。
同時に血魔剣を右手に召喚。
左手にセル・ヴァイパーの鋏剣を召喚。
更に鬼神キサラメ骨装具・雷古鬼を全身に装着した。
俺の体とハルホンク衣装に展開中の《
まだ血の架台に載せた魔法書は読まない――。
血魔剣に<血魔力>を送る。
血魔剣の剣身からプラズマ的な血の炎が迸った。
髑髏の柄の左右からも、見事な血の炎が迸るさまは、まさに血の十字架の柄だろう。
この血魔剣とセル・ヴァイパーの鋏剣を用いようか。
そして、周囲のモンスターたちの行動を――把握しよう。
<導想魔手>を蹴って――。
速度を活かしたまま宙空散歩――。
旋回を行いつつ辺りを調べた――。
――飛来する礫と、魔力の波動のような攻撃を避けつつ――。
状況を把握。
前方の蛙鳥獣ドラゴンに対処しているヘルメ。
そのヘルメを攻撃しようとしている一際大きい蛙鳥獣ドラゴンを視認。
一際大きい蛙鳥獣ドラゴンの体長は、かなりある。
魔塔ゲルハットの中層ぐらいの大きさか。
その一際大きい蛙鳥獣ドラゴン目掛けて――。
<邪王の樹>の樹槍を意識。
一端、両手の武器を<血魔力>で浮かせて――。
赫いた<血魔力>の血の鴉の印が樹槍に刻まれる。
その樹槍を<投擲>――。
続けて<
《
一際大きい蛙鳥獣ドラゴンに樹槍と<
一際大きい蛙鳥獣ドラゴンはヘルメへの攻撃を止めた。
魔刃の翼を盾代わりにしつつ防御を優先している。
数百は放った《
「――閣下、その大きいドラちゃんをお願いします~」
「おう、一際大きい蛙鳥獣ドラゴンは俺に任せろ――」
そう宣言しつつ――。
<血魔力>で浮かせていた武器を握り直して――。
一際大きい蛙鳥獣ドラゴンに向けて突進――。
一際大きい蛙鳥獣ドラゴンは、俺の雨霰と繰り出される激しい遠距離攻撃を防ぐことに必死だ。
俺の機動を捉えきれていないと判断。
一際大きい蛙鳥獣ドラゴンとの間合いを詰めた。
一際大きい蛙鳥獣ドラゴンの体に侵入して、心臓部を直に叩くか。
即座に血魔剣を振るって<血外魔道・暁十字剣>を繰り出した。
外科手術でもする勢いの血魔剣の血のブレードが、一際大きい蛙鳥獣ドラゴンの胴体を切り裂いた。
そのレーザーブレードで切り開いたような傷から、胴体の内部に侵入。
鉗子代わりというわけではないが――<導想魔手>の拳で、目の前の障害物のような骨をへし折り、強引に内臓の中に通り道を作った。
濃厚な血の匂いが支配する別世界となった。
フィナプルスの夜会の異世界で戦ったデカブツを想起する。
腰に備わるフィナプルスの夜会も同じ気持ちなのか、少し振動して隣り合う魔軍夜行ノ槍業と衝突していた。
ここにはさすがに師匠たちの秘伝書の欠片はないと思うが。
魔軍夜行ノ槍業の師匠の方々の強い心を感じる。
すると、横の肉壁が迫ってきた。
その横の肉と毛の塊を血魔剣で切断。
ブゥゥゥゥンと血のブレードから音が響いた。
赫く血の鴉が血のブレードを追い、宙に軌跡を描く。
焼き肉のような匂いが鼻を突いた。
同時に<血道第四・開門>――。
<霊血装・ルシヴァル>を発動。
口と顎を守るルシヴァル宗主専用吸血鬼武装を出現させた。
その口元から光魔ルシヴァルの血の魔力粒子が散る。
《
改めて、水属性の王級魔法の凄さを認識。
セル・ヴァイパーの鋏剣と血魔剣を振るい回しつつ直進――。
更に、《
すると、左右の狭い肉壁から人型の腕が現れる。
その人型の腕ごと壁を血魔剣の<水車剣>の
が、左側の前方の肉壁が斜めに狭まった――。
その肉壁から瞬時に魔族擬きが現れる。
ぐにょりとした粘土系の血を纏っていたが、しっかりとした体格のある魔族戦士の姿だった。
一際大きい蛙鳥獣ドラゴンが取り込んでいた人型魔族のなれの果てか?
急ぎ<
前傾姿勢で前進して
魔族擬きの肩口から胴体を斜めに両断。
その際、俺の周囲に発生した氷の刃が魔族擬きの体に傷を付ける。
――《
次々に魔族擬きが内臓の肉壁から現れる。
間を空けず左足で踏み込み、右足を振るった。
下段蹴りで、魔族擬きの片足を刈り折る。その魔族擬きは倒れかかるや、その胴体目掛けてセル・ヴァイパーの鋏剣の<飛剣・柊返し>を実行。その胴体を撫で斬った。
更に、左側の壁が反応。その壁から出たのは眼球が集結した悪神デサロビアの眷属系モンスターだ。眼球から赤黒い骨剣を突出させてきた。
左手を無手に変えてから、右手の血魔剣を掲げるように前進。
赤黒い骨剣をその血魔剣で防ぎつつ、左の貫手による<死の心臓>を実行。
貫手の<死の心臓>が眼球深くに突き刺さる――。
集結した眼球は破裂した。
よしっ、悪神デサロビアの眷属系モンスターを倒した。
その直後――右側の肉壁が迫ってきた。
肉壁からは無数の骨の刃が突き出ている。が、退かずに、出る――。
その罠染みた肉壁に向けて、跳躍しつつ――右手の血魔剣を振るう。
――<超翼剣・間燕>を実行。
一際大きい蛙鳥獣ドラゴンの肉壁を三枚下ろしに処した。
そのまま左手にセル・ヴァイパーの鋏剣を再び召喚。
着地際に、触手系の魔族擬きが出現するが、血魔剣とセル・ヴァイパーの鋏剣で、その触手系の魔族擬きの頭部を天誅!
下腹部までを一気に両断。
そのまま転がるように直進――。
分厚い骨を擁した肉壁が上下を狭めて道がない。
我流二剣流を実行――血魔剣とセル・ヴァイパーの鋏剣を上下に振るう。
<血外魔道・石榴吹雪>と<水車剣>を実行。
上下の肉壁を粉砕した直後――その肉壁の残骸が派手に散った。
その残骸がショットガン的に飛来してきた。
すると、<シュレゴス・ロードの魔印>から、
『主――』
と、桃色の魔力が出る。
『シュレ、大丈夫だ。今の俺には、王級:水属性の《
『了解した。我は、氷の帝王たる強い主に仕えることができて光栄である』
『おう。ヘルメのような言い草で面白いが、ありがとうな』
『……主、照れる』
左の掌の魔印からチョロッと出た桃色の蛸足が虹色に輝く。
その間にも《
体にも飛来するが、殆どの骨と血肉は凍り付いて落下。
俺の右上に浮いたままの血の架台にある
《
落ちた内臓も凍り付いて、内臓の足場も凍る。
内臓の足場は硬くなった。
飛来した血肉と骨は血魔剣にも衝突している。
ブゥゥンと鳴るプラズマの如く燃える剣身から微かに蒸発するような音も響いてきた。
血魔剣の髑髏の柄と血のブレードには、《
『器よ、心臓部らしき魔素の塊は近い。斜め下ぞ!』
『おう』
大人しい沙が助言してくれた。
いつもなら『妾の出番か』となるはずだが、カットマギーを<従者長>に迎えた時を見ているからな。
血と魔力と精神力をいつもより多く消費したことに気付いているようだ。
そのまま一際大きい蛙鳥獣ドラゴンの心臓部を目指す。
また足下と左右の肉壁が迫った。
その肉壁から大柄の魔族擬きの群れが出現。
のっそりと動く魔族擬き。
頭部の眼窩にあるのは腐ったような複眼。
色合いが黄色と黒色で濁っている。
眼球のみがゾンビ系で不気味だ。
両手に魔剣のような骨剣を持つ。
立派な武器だが、動きは遅そうだ。
その魔族擬きの観察を強めつつ――。
血獄道技術系統・独自遠距離魔術を意識。
先ほど<血外魔道・石榴吹雪>は使ったが、たまには、魔術師や魔法使い系の戦闘職業の<血獄道の魔術師>を活かすとしようか。
同時に、闇の<血魔力>と<吸血王サリナスの系譜>を持つ
――血魔剣の剣身から、俺の血がプラズマの如く迸る。
髑髏の柄からも血の炎が迸った。
ブゥゥゥゥンと血魔剣から音が響く。
吸血王の血魔剣は雰囲気抜群だ。
その血魔剣の血のブレードを振るった。
<血獄魔道・獄空蝉>を繰り出す。
血魔剣の周囲に無数の血の礫の<血獄魔道・獄空蝉>が発生。
それらの血の礫が前方に向かい、魔族擬きと派手に衝突。
そのまま血の礫は、狭い肉壁ごと魔族擬きを破壊。
魔族擬きは破裂するように散っていた。
<血獄魔道・獄空蝉>は中々に強烈だ。
そして、この血魔剣に関係している血獄道の大魔導師ソトビガさん。
吸血王サリナスを支えたと云われている吸血鬼の一人。
そのソトビガさんに『新たな血獄道の一派を創り上げるのも良いだろう』と言われた。
しかし、悪いが、今のところ創るつもりはない。
そのまま前進。
左右の内臓の壁と下の床が邪魔だ。
血魔剣の赤いブレードを振るった。
が、血魔剣は床の硬い骨と内臓の塊で止まる。
巨大な岩と衝突したような感覚だった。
右手を離し血魔剣を放置。
両手でセル・ヴァイパーの鋏剣を握り直す。
右側の肉壁が崩れて、魔族擬きが出現。
その魔族擬きに向けてセル・ヴァイパーの鋏剣を振るう。
スキル<鬼喰い>を実行――。
セル・ヴァイパーの刀身は振動。
魔族擬きを両断。その魔族擬きの血を吸収しつつ右側の肉壁が崩れた箇所を少し進むかと、血魔剣を背後に残して前進。
分厚い骨をセル・ヴァイパーの鋏剣で切断。
足下の内臓の床も斬り下げた。
すると、セル・ヴァイパーの鋏剣は、内臓の床から迸る血飛沫と魔力を吸い寄せる。
邪神セル・ヴァイパーの反応はないが……。
ペルネーテに魔素は向かっているんだろうか。
前に進むと、また魔族擬きが現れる。
セル・ヴァイパーの鋏剣の<水車剣>を実行。
――魔族擬きを真横から両断。
上下に分かれた魔族擬きの体。
その下側の肉塊を蹴って吹き飛ばした。
しかし、巨大な魔素の反応は、こちらにはないな。
このまま、一際大きい蛙鳥獣ドラゴンの内部を探検しつつ魔族擬きを斬り伏せるのも剣術の修業になるが、行わない。
心臓部の反応は、血魔剣が不自然に止まった場所の斜め下辺りか。
<生活魔法>の水を地面に引いた。
セル・ヴァイパーの鋏剣を消してからバックステップ。
肉壁が崩れた箇所に戻って、さらに内臓の道を戻った。
――《
そのまま両手で血魔剣の柄を握る。
同時に<血魔力>を盛大に、その両手握りの血魔剣へと注いだ。
ドゥゥゥンと血魔剣から鈍い音が響く。
少し重くなったような感覚を血魔剣から受けた。
更に、吸血王らしい心臓の鼓動音が血魔剣から轟いた。
刹那、ブゥゥゥゥンと音が響く。
剣身のブレードと髑髏の柄から再び真っ赤な炎が迸った。
赤い十字架のような炎を見るとアーメンと祈りたくなる。
さて、この一際大きい蛙鳥獣ドラゴンをさっさと倒さないとな。
ヘルメと相棒なら大丈夫だとは思うが……。
その思いのまま、左足で、盛り上がった床の内臓を蹴る。
と同時に、血魔剣を勢い良く引き抜いた。
引き抜いた大きな穴から血飛沫が間欠泉の如く迸る。
それらの血飛沫を吸い取った。
「グギャァァグォォォァァ」
一際大きい蛙鳥獣ドラゴンの声。
今更の悲鳴か?
すると、その血魔剣が刺さっていた骨と内臓の塊が溶けた。
大きな穴がパカッと空いた。
その先に心臓部らしき魔素の塊が露出。
が、大きな穴の縁から気色悪い触手の群れが飛来。
すかさず――。
血の架台に置いてある
《
氷の大きい龍の頭部がドッと出現。
が、その大きい龍の頭部は一瞬で巨大な氷竜に変化。
巨大な氷竜は周囲の穴ごと肉壁を凍らせた。
その肉壁は一瞬で崩壊し吹き飛ぶ。
触手の群れは、巨大な氷竜に触れるか触れないかの距離で凍りついた。
《
血肉と骨を巻きこみつつ破壊。
触手の群れも当然の如く散る。
半径五メートル以内の空間には、何もなくなった。
その先の空間は、ミミズの群れが凍ったような異質な氷柱ばかりとなった。
そして、魔素の反応はよく分かる。前進――。
目の前の触手氷柱を蹴って破壊。
心臓部に近付いた。
「マスター。中央に素晴らしく巨大なエレニウムストーンがあります」
「極大魔石か」
「そのようです。先の骨と内臓が、巨大な魔素を遮断していたようですね」
「おう、回収だ――」
血の架台に置いてある
血鎖の群れが波頭のように周囲の内臓を喰らう。
極大魔石に絡み付いていた動脈的なモノの大半を溶かした。
最後に残るのは、心臓部を支える台座のような太い動脈。
周囲の膨大な血と魔力を吸い取りつつ前進。
血魔剣で<刺突>を繰り出すように――。
風槍流槍突の『風研ぎ』を実行。
片腕が剣と化すように、真っ直ぐ血魔剣のブレードを伸ばした。
その血魔剣のブレードの切っ先が心臓部の極大魔石を支える動脈を捕らえた。そのまま太い動脈の根元に血魔剣のブレードが侵入するや否や極大魔石を支える動脈的な内臓は溶けた。
極大魔石が落ちる前に、その極大魔石を回収。
直後、一際大きい蛙鳥獣ドラゴンは崩壊。
<導想魔手>を蹴って旋回機動で飛翔した。
掌握察を実行しつつ血魔剣を仕舞う。
ヘルメと相棒が戦う位置を把握。
神獣ロロディーヌと戦うのは魔族系モンスターと眼球集合体モンスター。
神獣ロロディーヌは縦横無尽に暴れている。
魔族系モンスターから攻撃を喰らっているが、構わず、眼球集合体モンスターを追いかけ回していた。
猪突猛進するタイプの敵ばかりではないだろうし、当然だが。
まぁ、相棒だ。
大丈夫だろう。
ヘルメの傍に向かいつつ――。
血の架台に載せていた王級:水属性の
内容は、
『善美なる氷王ヴェリンガー、
読んでいる途中、周囲にデボンチッチたちが出現。
だが、そのデボンチッチたちは混乱したように萎むと消えた。
更に、王級の
続いて、その王級の魔法書が、俺の魔力を吸い込んできた。
「お胸がどっきりんこ!! 水の眷属の幻影たちが! 水の精霊ちゃんたちもいます――」
ヘルメは、胸からハートマークの水滴を出して驚いている。
が、近くの蛙鳥獣ドラゴンをちゃんと倒していた。
そんなヘルメは、俺ごと――。
読んでいる王級:水属性の
「閣下、こちらに――」
「分かった」
そのヘルメの背中に背中を預ける。
「閣下、その魔法書の理解を進めてください。回りは、わたしにお任せを。そして、同胞のような精霊ちゃんたちが、閣下とわたしに、何か……あ、消えていく……」
感極まったヘルメの声だと分かる。
同時にヘルメの視線と、指の先に存在していた水飛沫の人型は消える。
淡い幻影たちが次々と現れては消えていった。
不思議だ。
「読むぞ」
「はい……」
『――霄壌の水の大眷属たち、知者は水を楽しみ、仁者は山を楽しむ。
水属性の
魔法書の等級は同じ王級だが、難易度に差があるのか。
かなり難しい魔法書だ。
胃がキリキリと鋸で切られるような痛みを味わう。
魂がすり減るように自らの魔力を失った。
水属性だが、<仙魔術>系統の魔法なのか?
そして、サキアグルの店主は警告などはしてこなかったが、この王級:水属性の
その
その直後――。
表紙が渋かった王級:水属性の
驚き、これは魔造書の類いだったのか?
が、王級:水属性の《
どういうことだろう。
「閣下、その真新しい魔法書は? 王級の魔法を覚えてはいないのですか?」
「覚えた。だが、脱皮した感のある新しい魔法書のほうは、魔造書かも知れない。表紙は
「王級の魔法は覚えたのに、魔法書は朽ちず残っている? 不思議ですね――」
ヘルメはそう話をしつつ、左斜め前の方角に《
「あぁ」
そのヘルメの右手は闇の繭と化していた。
ということは、と、右の空を見た。
その一帯の空が闇に覆われている。
闇の下側には、紋章魔法陣が敷かれてあった。
魔法陣から次々と闇の杭が出現。
闇の杭が蛙鳥獣ドラゴンを貫いていた。
更に、傷を負っている蛙鳥獣ドラゴンに向けて<珠瑠の花>を展開。
輝く<珠瑠の花>の紐の色合いは蒼色と黒色。
その蒼色と黒色の<珠瑠の花>で蛙鳥獣ドラゴンを雁字搦めにして捕らえる。
捕まえるのか?
と思ったが、ヘルメが<珠瑠の花>を強めると、蛙鳥獣ドラゴンを細切れに切断。
「どちらにせよ、王級の魔法は覚えたから、その
「はい」
「狙いは相棒がいる左側は止して、右の敵としよう」
「分かりました。フォローはお任せを、まだ蛙ドラゴンちゃんが残っています」
「おう」
腕を出し――。
覚えたばかりの――。
《
凄まじい冷気が周囲に発生――。
刹那、俺の足下と、魔造書だと思われる
氷の道は前方に伸びて敷かれると、その氷の道に凍った植物の茎が生えて拡がった。
更に形の異なる氷の墓石、氷の墳墓、氷の塊、氷の水晶が氷の道の内外から出現――。
それらの墓石と墳墓にも凍った植物の茎が絡みついた。
続けて、その凍った茎が絡む氷の墳墓から大小様々な氷の幽体が出現。
「閣下! 先ほど見えた水に関係した大眷属と、その関係者の魂の欠片たちです!」
人のような幽体は、魂の欠片だからか魔力は薄い。
氷の墓石のほうが魔力は膨大だ。
それらの氷の幽体は、魔剣師風の人族かな。
エルフにも見える。
古風な戦衣が似合う男性と女性もいた。
<神剣・三叉法具サラテン>のような方々?
氷の幽体たちは、嘗て力を有した水に関係する精霊たちか?
黝色と岩群青色のコスチュームと水の羽衣を着る女性。
ヘルメ的な神秘的な女性もいた。
『器よ。神界セウロスに近い者たちの魂と魔力を僅かに感じるが、魔界セブドラの魂と魔力も感じる。不思議じゃ』
『はい、器様、魔界セブドラの魔力がある理由は分かりませんが、その魔法書は、神界セウロスの水の眷属たちと関わる
沙と羅が、そんな思念を寄越す。
この魔法書は、
その氷の幽体たちは、各自咆哮しつつ消える。
刹那、氷の太い道の左右にある氷の墓石の群れが、磁力に影響を受けているように縁から引き抜かれて、蛙鳥獣ドラゴンに勢いよく引き寄せられていった。
吹雪的な風を擁した巨大な墓石と衝突しそうだった蛙鳥獣ドラゴンは、巨大な墓石に触れることなく、一瞬で凍り付いて、粉々になって消えた。
右側の宙空が一瞬で銀世界。
氷の墓石と樹氷がある氷の世界となった。
右側の空に、氷の浮遊岩の大陸があるのかってぐらいに、氷の墓石だらけ。
これが……。
王級:水属性の《
氷の墓石は消える。
右側の敵を一掃。
静まり返った。
風の音が響くのみ。
左側の相棒は……遠い。
南のバルドーク山辺りで飛翔中。
相棒は、眼球のモンスターが結構好物だからなぁ。
仕方ない。
「ヘルメ。左側に残った敵を倒しつつ、バルドーク山に向かう」
「はい。火属性が強い地域です」
「俺の近くにいれば大丈夫か? ま、今は左目に入っておけ」
「はい――」
一瞬で左目に戻ったヘルメ。
さて、ひさしぶりに魔竜王バルドークの住み処だった場所に向かうか――。
魔竜王バルドーク的な古代竜はいないとは思うが……。
ドラゴンも様々だからなぁ。
ま、モンスター相手となるか不明だが、バルドーク山で皇級:無属性の
<導想魔手>を蹴って直進――。
試しに
と気軽に考えつつ
ほぼ同時に書から閃光が放たれた。
閃光は、放射状に展開しつつ氷の道となる。
思わず、<導想魔手>の足場に止まった。
宙空に迸った氷の道は、あまりにも遠い場所に進もうとしたのか、陽の光を受けつつ七色に反射してから儚く消える。
しかし、残りの氷の道は一つに集約。
その一つの氷の道は凄まじい速度で下方に弧を描きつつ下へ下へと向かった。
バルドーク山側ではあるが樹海側か?
もしかして鉱山都市タンダールのほうかな?
相棒を追うか、氷の道を追うか、迷うが――。
とりあえず目印として――急降下しつつ――。
宙空で<
血の匂いを撒き散らしつつ――。
山岳地帯に着地。
直ぐに<血道第四・開門>を意識。
目の前の樹に向けて<ルシヴァルの紋章樹>を発動した――。
続けて<光魔の王笏>も発動させる。
目の前の樹が種の変化でも起きたように蠢いた。
その樹は血が混じる深緑と翡翠の色の盆栽のようなルシヴァルの紋章樹に変化した。
<
この血の匂いは、戦神教、神聖教会、ヴァルマスク家などが気にするかもな。
ま、いいや。
そして、
その
瞬時に、魔造虎の黄色と黒色の毛が可愛い猫の姿になった。
「ニャア」
可愛い。
そして、陶器っぽい魔造虎の置物から産毛が生えて、その毛が伸びていくさまは非常に面白い。
生命の神秘を感じさせる一瞬だ。
「アーレイ、ひさしぶり。大きな虎となってくれ」
「ニャア~」
俺の足に数度頭部をぶつけて甘えてくる
「アーレイ、騎乗していいか?」
「ニャゴァ」
尻尾が俺の腰に絡む。
そして、さすがに尻尾で俺は持ち上げることはできないようだ。
その
姿勢を低くした。
「ニャア」
要は『わたしの背中に乗れ』ってことだろう。
「ありがとう――」
その
「ンン――ニャア、ニャ~」
よし、
「アーレイ! バルドーク山に直進!」
「――ニャァ」
大虎のアーレイは前進。
が、「ンン、ニャア?」と途中で止まる。
その
「
「ニャ――」
大虎のアーレイは気合いを入れた。
俺を騎乗させたまま、迅速に山岳地帯を駆けて、なだらかな丘を跳び越えた。
丘を下る――。
気持ちいい風だ――。
だが、触手手綱がないから――。
競馬なら天神乗りってところか――。
鐙や手綱がなくとも安定度は高い。
<神獣止水・翔>に内包されている<魔獣騎乗>のスキル様々か。
ゴルディーバの里と皆とポポブムに感謝――。
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