路地裏異能力犯罪専門探偵事務所

琥珀色皐月雨。

第零章

第1話 探偵事務所開設のお知らせ

どこにでもあるタイプの、電信柱なんかに貼ってある一枚のお知らせ。

そのほとんどが見向きもされず、いつの間にか剥がれて消えてしまう。

けどその中で或る一枚のお知らせは、夜遅くになってから、こっそりと連絡先を確認しに来る人が時折居て、珍しく役目を全うしているお知らせといえる。

それは何故か。

此のインターネットが情報収集の基本の世の中で、此の広告主はHPを作っていない。だから、此処の情報を得るためには、直接訪ねるしか無い。

普通の広告主ならば、広めたいから広告するのだが、此の広告主の目的は広く知られる事では無い。

此の少々風変わりな広告主の名は――路地裏異能力犯罪専門探偵事務所。

長ったらしい名前だが、要は探偵事務所である。

何を専門とするのか、その所在地などは、その名前から察することができると思う。見る人が見れば絶対に近づきたくは無いであろう。

さて、長くなってしまったがそろそろ本題の連絡先を記そう。視えた者は、何かあれば連絡先を。残念ながら視えなかった者は、この広告のことは、さっさと記憶から消すことをお勧めする。

さあ、貴方はどちらの人間でしょう?

ここまでお付き合い、有難うございました。



連絡先――××ー××××



広告主ー路地裏(以下略)探偵事務所

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る