第004話「職場の先輩」
先輩A:「おはようございます、」
集合時間の1分前になって、漸く一人の女性が会議室に入ってきた、
少しぽっちゃりした感じの背の低い女性、首に下げた社員証には「MIYAGI」と書かれてある、雰囲気から察するに、どうやら僕達の先輩らしい、
宮木:「揃ってるね、じゃあ行こうか、」
シオン:「あの、もう一人「平塚さん」が来る事になってるんじゃないかと思うんですけど、」
ドアを開けた侭の格好で僕達を促すその女性に、僕はおずおずと質問してみる、
宮木:「ああ、彼女、何だか今日は来れないミタイ、二人でOKだよ、」
まるで学生?友達感覚?な言葉使いに少し当惑してしまう、会社ってこんなんで良いのか?
僕達はそそくさ急かされる侭に案内されて幾つか並んだエレベータの一つに乗り込む、
先輩:「あ、私「宮木」ね、よろしく、」
マドカ:「「戸塚」です、よろしくお願いします、」
シオン:「「二宮」です、」
何故だか「宮木さん」が、僕の顔を覗き込んでニヤニヤ笑う?…何故??
エレベータを降りたフロア前には既に他の課の新入社員が何人か集合していた、その横をすり抜けてガラス張りの執務室のセキュリティゲートの前に立ち、…
それから「宮木さん」が生体認証用カメラに軽くウインクすると、執務室へのガラス扉が開いて、ぞろぞろと集まってきた先輩社員達が物珍しそうな眼差しで僕達を迎え入れる、
長谷部:「いらっしゃい!」
果たして開発総務の先輩達は歓迎モードで僕達を待ち構えていた、
用意されたデスクには、大きく名前の書かれた歓迎の垂れ幕と、折り紙を組み合わせて
総括グループ
稲毛・ヒロシ(♂):課長、若白髪渋顔オヤジ
長谷部・トシオ(♂):アシスタントマネージャ、醤油顔イケメン
鈴木・チエコ(♀):主任、おどおど系お局
搭野・ノリカ(♀):担当、甘えん坊ママさん
山河・ユキ(♀):派遣、ちょい美女部長秘書
戸塚・マドカ(♀):やはりどう見てもNo1アイドル
開発費見積もりグループ
森・ヒロノブ(♂):アシスタントマネージャ、おっとり兄さん
桑名・タケオ(♂):主任、頑固じいさん
新山・トモミ(♀):担当、優しそうな元ギャル
白石・キョウコ(♀):担当、清楚系眼鏡女子
経理グループ
藤沢・カスミ(♀):主任、超美麗冷血小姑
宮木・ジュン(♀):担当、ぽっちゃりオタク女子
吾妻・ノブコ(♀):担当、パッと見可愛い系ママ
守本・イズミ(♀):派遣、オカッパ小っちゃい女子
ビジネスプラングループ
国府津・イオリ(♂):アシスタントマネージャ、????
二宮・シオン(♂):担当
平塚・リョウコ(♀):????
(作者注、以上第一印象はあくまでも作者の個人的感想です、)
本日不在の僕の上司「国府津・イオリさん」と、同じグループに配属されるらしいインターンの「平塚・リョウコさん」を除いて、先輩方からの簡単な自己紹介の後、
稲毛:「じゃあ、新人二人、前に来て、…」
僕は、トボトボと課長の傍まで歩いて行って、肩が竦むような緊張感に思わず眉をしかめながら、先輩達の方に向き直る、…見ると「戸塚さん」も少しあがっている?
稲毛:「えっと、彼が「二宮クン」、…「二宮クン」には「国府津さん」と一緒にビジプラを担当してもらいます、…「二宮クン」簡単に自己紹介、」
行き成りフラれて、…まあ、それでもある程度は覚悟していた訳で、
シオン:「「二宮」です、大学・大学院では交通情報工学を専攻してました、ビジネスプランの事は未だよく解らなくて、どうしてこんなに畑違いの部署に配属されたのか不思議なんですけど、出来るだけ皆さんにご迷惑にならない様に頑張りたいと思います、よろしくお願いします、」
ぱちぱちと、まばらな拍手、
稲毛:「何か質問有る人?」
そう言う展開は、…想定していなかった、
アドリブは得意じゃないから焦る、、
長谷部:「趣味は何ですか?」
シオン:「此れと言って特に趣味とかは、…無いです、」
新山:「好きな食べ物は?」
シオン:「茶わん蒸し、かな、」
白石:「何処に住んでるんですか?」
シオン:「今は、新杉田の社員寮です、」
宮木:「好きなアイドルは? 二次元でもOK!」
シオン:「あまり、…テレビとか見ないので、よく解りません、ごめんなさい、」
稲毛:「はい!ストップ、…みなさんガッツキ過ぎ!」
課長、咳払い一つ、…
稲毛:「それから「戸塚さん」…「戸塚さん」には「長谷部さん」のグループで、総括業務を担当してもらいます、…「戸塚さん」自己紹介お願いします、」
「戸塚さん」は一歩前に出て、一呼吸、
マドカ:「いよいよ憧れのNAVEで実際の仕事に就く事が出来て、何だか一寸ドキドキしています、一日でも早く皆さんのお役にたてる様に頑張りたいと思いますので、どうかご指導ご鞭撻の程、よろしくお願いいたします。」
それで、丁寧なお辞儀、
こういう場面で変に可愛い子ぶらない真面目な所は、何だか少し好感が持てる気がする、
彼女は少し頬を染めながら僕の方をちらりと盗み見て、バツが悪そうに笑った、
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