第8話

走っている

こんな一本道を走っている

頭を振って走っている

風が横を通った時

間に合わないさと聞こえてきた

私は途端に足の力が抜けて

息もぜいぜいとなり

頭まで動かなくなって真っ暗に変わってしまった

私はもう立とうともせずに地面に体を委ねて、そうして目が開かない

もう向こうの方では何かがあるやもわからないのに、私はその直前で諦めたのかもしれない

また向こうの方には何もなかったのかもわからない

諦めているものでもないかもしれない

でも私は動けずに

闇に吸い込まれていくようだ

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