生まれ変わったらめんどくさい種族になっていた

lakar01

生まれたての兎編

生まれ変わったらウサギかよ

side XXX

 さて、俺は元々日本に住んでいた大学に所属して大学生と呼ばれることになれるくらいには過ぎたくらいの時の事だ。俺は死んだ、っと言ってもいいのかは不明だが気がついたら俺は生まれ変わっていた。



  ☆  ★  ☆



 気がついたら俺は狭く暗い部屋の中に漂っていた。部屋の外から誰かが語り掛けているような気もするがそれは俺にはなんだか大切なそして重要な事のはず、なんだが思い出せずに狭い部屋で漂うという矛盾を体現してる自分はなんなのかを考えつつそのまま眠りについた。



  ☆  ★  ☆



 あれからどれくらい過ぎたのか知らないが段々この部屋の中が狭くなってる。今では身体を丸めても身動きがあんまり取れないくらいには狭い。最近気がついたのだが頭の方にぴったりと閉じられた何かがある。試しに狭い部屋で踏ん張って頭突きしようと思ったがまだ早いと本能が囁くのでまだなにもしていない。

 この狭い部屋の向こうからよく誰かが話しかけてくるがそれがここでの数少ない変化である。だがそれも長くないような気もするし、まだ続くような気もする。そういえば俺はいったいどうなってるんだ?



  ☆  ★  ☆



 目が覚めたら無性に動きたくなり取りあえず手足を伸ばしてみたら、壁の向こう側が慌ただしくなってきているが俺には関係ないと割り切って続けていたら、足を思いっ切り伸ばしてみたら、頭の方にあった何かを押し広げていた。そしてそのまま行けるのではないかと思い、というより暗く狭いどこかからでたいと無理矢理でたら、光が、音が、莫大な情報を感じ取り、俺はその痛みにより泣き続けた。頭の片隅で自分がもしかして赤ん坊なのではないかという予想が現実になったことに気づき、抱き上げられた腕の中で揺れるウサギの耳を眺めながら俺の意識はあらがえない心地よさに睡魔という大敵に飲まれて消えた。


side ?

「よかったなお前!」

 心の底からの喜びにより、妻と息子を力いっぱい抱きしめようとしたが「子供を殺す気か!」と婆さんに殴り飛ばされた。流石に思慮が浅かったなと反省。

 ベッドの隣で妻の腕の中で眠る息子は私の息子だから厳しくも優しい男に育て上げて、一族の長にふさわしい男にしなくてはいけないな!いや、私と妻の子だ。身についたギフトで自然と長の地位まで昇っていくかもしれない。これからが楽しみだ。眠る息子を見て安心してしまったのかそのまま寝てしまった妻を眺めながら私はこの幸せが永遠に続くように願っt「頭首様お話が」

「・・・・・・なんですか婆さん」

 せっかくの喜ばしい事態なのに婆さんは空気が読めないのか。

「ここでは少し・・・・・・」

 周りの目を気にしてることからきっと言いにくいことなんだろうが

「構わん。言え」

「いいんですか?」

「構わんと言ってるだろう」

 少し迷ったようだが婆さんは言う。

「坊ちゃんには月の兎としての最低限のギフトしかありません。他の子でもそれ以外のギフトを最低でも一つか二つ所持しているのに」

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・は?

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