小説作法

第6話 段落の頭に全角空白。

 ここからは小説の作法の話になります。退屈で眠い授業の始まりです。まず必要なのは、段落の頭の全角空白です。

↑これです。これが必要なんです。


 全角空白を入れることで、そこが段落だということが分かります。段落というのは、小説の基本的なパーツです。段落に次ぐ段落。そして章の切り替わり。また段落に次ぐ段落。この繰り返し。おしまい。というのが、小説の成り立ちです。どうです? 簡単でしょう。

 最近はケータイ小説などと銘打って、段落をないがしろにする風潮もありますが、とにかく小説らしい小説を書きたいと思ったら、段落を作ることを恐れてはなりません。この作法を受け入れ、自分の作品に段落を、起承転結を付け加えることができたら、たとえ千字だって立派な作品になるのです。


 え! そういうお前は話の中に起承転結が入ってないって? いやはや耳が痛い話です。

 あ、ついでになりますが、このように「!」や「?」の後ろにも全角空白を入れましょう。これも小説のマナーというか、作法になります。ぱっと見た感じにも、文章全体が引き締まって見えるので、お勧めです。そもそも地の文で「!」や「?」を多用するのはいかがなものか? という意見もありましょうが、そこはお見逃しください。


 さて、段落については語ることが山ほどあります。そもそもどこからどこまでを段落とするべきなのでしょうか?

 一段落に、文を何十個も詰め込むタイプの作者もいます。反対に、原稿用紙の一行に満たない文章でも、段落分けすることを躊躇わないタイプの作者もいます。最近のラノベでは、地の文が少なく、下半分を隠しても読める、などという残念な風潮さえはびこっているそうです。そういうのを聞くと、反対に、ついつい段落わけをしたくなくなる。そういうあまのじゃくな性格をした作者がここにいます。


 段落を分けるにあたって、声を出して読んでみるというのが、一つの指標になると言われています。息継ぎに当たる部分に句読点を打ち、声を出して読んでみます。すると、ここで段落を分けよう! というポイントがくっきりと見つかることがあります。

 あるいは、このように特別に引き立てたい言葉を頭に持ってくるという方法もあります。「しかし」「だが」「あるいは」「そうして」など、段落の頭にもってくると引き締まる言葉というのがあります。しかしあまりやりすぎてしまうと、小説というより四行詩や神話になってしまうので、注意が必要です。


 さて、あまり長く語ってもアレですので、次に行きましょう。

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