第35話 昨日のことは忘れ、次のネタを考える。

 物語が、小説が完結したら、次はどうすればいいでしょうか。


 もちろん、次のネタを探すのです。新しいアイデアを見つけましょう。


 私の場合、予約投稿のストックがあるうちは、新しいネタを探すのが億劫おっくうになってしまうことが多いです。なので、本を読んだり、辞書を引いたり、Wikipediaを眺めたり、某chを見たりします。夢で見たシーンを元に着想を得ることも多いです。散歩中に、ふとしたタイミングで言葉が降ってくることもあります。調べ物をしているうちに、その題材で書いてみたくなることもあります。


 昨日のことは忘れましょう。完結した作品のスターがときどき、偉大なる読者様の恩寵を賜って増えていることがありますが、まあどう頑張っても倍にはなりません。ある程度は諦めが肝心です。


 次のネタが浮かばないというのは、これは高望みしすぎているだけというのがほとんどです。一作、上手く書き上げたことで鼻高々になってしまって、自分の身の丈にあったネタを見つけることができないのです。しばらくだらだらしましょう。そのうち、書いてみたいネタが見つかるものです。


 別のジャンルに挑戦してみるというのも一つの手です。

 私の場合、ファンタジー、童話、恋愛、SFと書いてきて、今回はエッセイに注力してみました。このエッセイを書き上げたら、またファンタジーに戻るかもしれません。あるいは次に書くのは、ハードSFかもしれません。


 筆先が上手くなったことを喜んでいるだけではよくありません。

 重厚なテーマ、奥行きのあるストーリー、リアリティのあるネタが伴っていなければ、筆の持ち腐れです。実際、非常に筆がうまいのだけれど、おそらく決してなろう受けはしないであろうという作者がいます。

 彼らは、ある意味で羨ましいけれど、ある意味では可哀想な人たちです。つまり、小説家になろうに、小説投稿サイトに、インターネットに、彼らにとって適切な発表の場が無いのです。


 彼らはおそらく、賞にも応募しているでしょう。ですが、いくら筆が上手くても、需要と供給の関係で一次選考を、二次選考を突破できないということはあるものです。彼らは悲劇の人たちです。読者に媚びることもできず、筆を偽って下手に見せることもできない。進化の袋小路に入ってしまったのです。


 非常に失礼な言い方になりますが、彼らのようになってはいけません。

 筆力よりもアイデアが重要なことが多々あります。出来のよくないアイデアに拘って、何度も何度も改稿するよりは、新しいアイデアを用いた作品を書きましょう。アイデアが出ないからといって、旧作をリメイクするのもやめましょう。たぶん十中八九エタります。


 常日頃から、ネタを考える努力というものをしましょう。

 そしてさっとメモ帳に書き留めて、それをどんどん膨らませていきましょう。


 いまこそ、新作を書くべき時です。

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