ハマったのは、大損からですが、何か?

 リコール多産した自動車メーカーの皆さまが、一台一台、丁寧に開発し、製造し、販売して。

 信用を取り戻し。

 私の儲けは、そのメーカーの車が買える程でした。

 ありがたい事です。


 で。

 手近な教師の父に、オススメの株を聞きました。

 そうしましたら、TPPだかODAだか。

 絶対両方違うんですが。

 新聞の株式欄にある指標の一つを指差しました。


 どうも、その指標は、社長さんが、自社な価値を数値化しているようで。

 オレの会社は、こんな値段で売買されるのは不本意だ。もっと価値があるんだぜ、と思うと高く。

 こんな値段付けていただいてすみませんねぇ。何とか見合うように努力します、となると、謙虚な数値に。

 いえ、もう少し小難しく説明してくれましたし、私の把握が今一歩で。


 とにかく、父は、その数値が飛び抜けて高い会社を勧めて来ました。

 なんだか、東京の土地開発をやっている会社らしい。ほぉほぉ、良く判らんが買ってみよう。


 確か、数ヶ月後でしたね。

 買収されました。


 本当に、良い会社だったのでしょう。


 買えた車が廃車になりました。


 買収された場合は、株をどうしたら良いですか?と、証券会社担当者に聞きました。

 分かりやすく説明してくれて。

 ではお願い致します、というと、手続きしてくれます。

 楽チンです。


 手数料は高いですが、ネット売買でなく、電話での注文取引を続けているのは、何かあったら聞けるし頼める、という安心感が大きいですかね。

 デイトレードのように頻繁な売買では、手数料分が大きいでしょうけれど。

 おねぇさんとオバサンの中間色だった私には、証券会社スタッフへの質問と対応が又、面白くて。


 おねぇさんの時は、カッコ悪くて聞けない事が、オバサンになると聞けるようになるのです。

 何故ですかね?

 私の方が知ってる事も沢山ある、という自信もあるのかしら?


 同じ仕事を続けていると、対応の方法が変わってきたなと思うのです。

 慣れるまでは、ただただ必死。

 慣れてからは、数こなせるのが楽しくて。

 数こなせると、ただの作業になり飽きてくる。

 そういう人は、辞めていきました。

 数こなせるようになってから、やっと臨機応変、とか、シナプスのような他との繋がりとか。

 こちらの表情一つでの変化とか。

 何と言うか深みを感じる事が出来ると思うのですが。


 まぁ、変化を楽しむのも、一つの人生ですし。

 新たな出会い、と言うものも、良いものですしね。


 車が廃車になる位の損も、私には、新たな出会いでした。

 私みたいな、狭い生き方をしている場合、狭い生き方なりの買い方が有りそう、と。


 見知らぬ、冒険家のようなわくわくする会社を育てる喜びもあるのでしょうが。

 私は、日々の生活にちょっとの喜びがある方が良い。


 買われる会社より、買う会社が良い。

 よらば大樹の影。


 そうは言っても、居酒屋チェーン店とか買っちゃうんですけどね。


 そんなこんなで。

 面白味に気付いちゃったのは、得したからじゃなく。

 損したから、なんですね。

 てへぺろ。


 ん?何か?





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