母にはなり損ねましたが、何か?

 そんな、ラブラブな私たちですが。

 子供はおりません。


 遺伝素因が無きにしもあらずの、病気持ちの家族が居る旦那様。

 積極的になれない気持ちをおもんばかり過ぎまして。


 私自身に子宮筋腫があり、手術も受けましたが。


 タイミング法➕排卵誘発を数年。


 その先の治療を受けるには、旦那様が受診しなくてはなりません。

 という所で断念したした。


 私も、よくよく考えましたのですが。


 授かりにくい私に、欲しがらない旦那様とは。

 割れ鍋にとじ蓋とはこの事ではないか、と。


 もしも、旦那様の心配通りに、遺伝病が発現したり。

 障害者として産まれて来たとして。


 それでも、産まれてくれてありがとうと、言えるのはどこまでか、と考えたとき。


 授かり物までだな、と思ったのです。


 作った、造った、創った。

 どの字が妥当かは判りませんが、私個人、そういう感覚なしに、授かった、と思えるところはどこだろう、と考えに考えて。


 私にとって、授かり物、と感じられるのは、ここまでだな、と。


 決めたのです。


 決めてからの私の方が、しあわせになりました。


 母にはなり損ねましたが、ラブラブで、幸せです。が、何か?




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