がーるずほりでぃ_みりゅうす☆せっしょん

つぐはら ふみ の ものろーぐ

★せっしょん011 いや、あたしもびっくりしたんですけどね

がーるずほりでぃ♡みりゅうす☆せっしょん

あたしが見届けた時空連続体のさざなみ


★せっしょん011 いや、あたしもびっくりしたんですけどね



Girls Holiday ♡ Mie-Lyus ☆ session

The ripples of the space-time continuum that I saw


☆session 011 Well, I was also surprised.





✔ あたし? 





 史学部の学生です。


 あたしの事、水卜(みうら)ちゃんとか、剛力ア◎メとか、AKB48 のあっちゃんとか、マクロ○F のシェ○ル様に似てるとかいう噂もよく聞くんだけど、そんな名前の人はぜ~んぜん知らない。


 身長はそこそこ、かな。

 髪は、色はちょっとだけ金色のナチュラルメッシュが入ったプラチナブロンド、地毛の色なの。

 そしてカールした超巨大あほ毛。

 ほわ〜ん、て、振ると腰まで届きます。

 あたしはミリギューム人の女の子なんで、耳は三角形で大きいです。

 あたしの肩にも飾り毛が生えるの。

 あたしは生まれが高緯度の北方系なので、飾り毛は長めのウェーブ、金色のナチュラルメッシュが入ったプラチナブロンド。


 3サイズ?〜〜〜そんなの秘密に決まってんじゃ~ん!!!


 あと、あたしのしっぽ!

 ミリギューム人は大きいです。

 あたしは特に大きいの。

 何故か3本!

 普通は1本だけどね。

 ま、これも、個性ということで。

 立てて、ふるふるふるってすると、背中から頭のてっぺんまで届いちゃいます。

 ロジャオエンドラ人はあたしらよりもっと長くて太いの。

 プロトアクラ人は可愛いしっぽがちょこんと生えるのね。

 この星の古の人(いにしえのびと)達は生えないんだよねぇ。

 人それぞれなんだよねぇ。

 あたしは、まだベッドの中で、携帯で日記中。

 あたしの3本しっぽは、左右にふわ~んふわ~んと時間差ローリング中…



 SUBJECT:  日 曇り  


 余韻を楽しむ  

 昨日はゼミの課題発表会。

 まだ胸焼けする。

 勝負ブラ、新しいの買おうかな。

 ナミュロンちゃんのドレス結構決ってたし。

 あたし負けてるよぉ…



 あたし?

 寝る時は何にも着ないよ、だって気持ちいいじゃん!

 昨日はねぇ、楽しかったな。

 まだ飲み過ぎ食べ過ぎで、頭は痛いし、おなかがどよ~んとしてるけど…


 「姐(あね)さん?起きたっすか?」

 「え?」





✔ ゼミの飲み会






 昨夜の史学部研究室。


 扉が開け放たれて、中から楽しそうな喧噪が聞こえてくる。

 時々、ケーキや酒類のデリバリーが出入りしている。

 今日は、教授とあたしのゼミの仲間 10 人ほどが集まり、レポート課題発表を兼ねて打ち上げ飲み会パーティをやる日。


 授業は、恒星間文明史基礎自立演習Ⅱ。


 「そうか、なるほどな、ふむ…」

 「それはなかなかいい所に眼をつけたねぇ…」


 教授の出身種族はロジャオ・エンドラ人。

 先生は、小皿にとった料理を手にもち、ゼミ生の顔ぶれを確かめながら、笑顔で一人一人丁寧に報告を聞いてゆく。

 先生は身長は 180cm ほど。

 しっぽは 50cm くらい、かな。

 卵胎生爬虫類系知的有機体の先生のお顔は、繊細で優しい。

 ロジャオ・エンドラ人専用デザイン眼鏡を右手でなおすのが先生の癖。

 ちなみに、先入観でイメージしそうな爬虫類的鱗(うろこ)は無いのよ。

 自分のいろいろなデバイスモニターに、資料を開いて見せるゼミ生がいて、室内はなかなかに熱気充分。

 耳の長いプロトアクラ人の女の子は、耳の動きもゼスチャーに入るから、脇の人に耳の先がぶつからないように配慮するのもマナー。

 「ほう」

 「ねぇ、こう…」

 「なるほど、これは…」

 「ふぅむ…」

 教授はあたしの方にやってくる。

 「どうだい、みりゅうす君は決まったかな。」

 ナイスミドルな先生は、ソファに深々と身を沈めた。

 長い尻尾を知的に、右足にからめておくのが、ロジャオ・エンドラ人の男性の流儀。

 女性は左足にからめる。


 さてと、あたしの番だ! 


 あたしは、頬張ったサンドイッチを飲み込み、次のサンドイッチを手にしながら気合いを入れて応えた。

 「イオ教授ぅ、あたし、『ヱキ・羅(ら)_スィントゥ・ラドイアンディ 791 故韻文(こいんもん)』についてやってみようと思うんですけど。」

 あたしは、支援パッドの 3D 表示を入れた。

 あたしと教授の空中の真ん中で、レポートの表題が空中に浮かび上がる。

 「ほぅ、」

 指で、ちょい、と表題をスナップさせ、わかりやすく投影する。

 先生は、あたしの報告に、軽く足を組んで、嬉しそうに眼を細めた。



 『ヱキ・羅(ら)_スィントゥ・ラドイアンディ 791 故韻文(こいんもん)』



 _これはね、ある星域にまつわるうんと古い古文書の一つ。


 ついでだから、先生のプロフィール、詳しく教えちゃおか。


 イオ・タリムイッ 2154・マイリムインツァイ教授。


 発音が難しいとか、名前に数字がついてるのは何故?

 なんて突っ込みは後でね。


 通称イオ教授。

 恒星間文明史学部、局部銀河腕第 3 区担当。

 担当講議は、


 『恒星間文明史思考法基礎』

 『深宇宙演習Ⅰ、Ⅱ』

 『恒星間文明史教授法研究1』

 『恒星間文明史統合比較論・基礎1』

 『文明史解析法基礎 1.』 

 『恒星間文明史基礎自立演習』


 で、

 中央アカデミー史学部運営委員会委員

 ロジャオ・エンドラ堅効実践連合会議

 歴史教育局参事

 恒星間文明史学教育学会常任委員

 ちなみに、芸術家の奥様とお子様3人、とまぁ、こんなところ。


 「そいつはまた、珍しい課題を発掘してきたなぁ。」

 「ですよね~」


 あたしは先生に誉められてちょっと嬉しかった。

 「クリピテラ第三太陽期、もしくは第御燐太陽期4000年代の失われた千年期に相当する古代通史だろう。」

 先生は、課題の“さわり”に触れた。

 「“失われた 千年期”?」

 あたしは、問い返しました。

 「そうだ。たしか 791故韻文は、950、1200 番台と、飛び飛びで続くはずだが、その数字の意味もわかってないんだよなぁ…」

 敬愛するロジャオ・エンドラ人の先生は、椅子に座りなおすと言葉を続けました。

 「ぶっちゃけ…」

 声を潜めて、あたしに顔を近づけ、いたずらっぽい笑顔を浮かべると、あたしの疑問に、

 「ぶっちゃけ?」

 あたしは首をかしげる。

 「恒星間文明史学部の研究陣でも誰も手をつけてないって事だよ。」

 「へぇ、そうなんですか!」

 「全くな、いや、しかし、よく文献資料を探せたな?」

 「いや、あたしもびっくりしたんですけどね。」

 あたしは、サンドイッチを頬張る。

 美味し!

 次は、あそこのスイーツかな。

 食べ物の事を考えながら、ちゃんと先生の話も聞いてるわよ。

 「ほう」

 「史学部専用の入力マトリクスで検索かけてたら変なゲートウェイが開いちゃって、“別の”入力マトリクスが出てきちゃったんです。」

 あたしは、昨日までに何とか終了させる事が出来た作業について簡単に報告した。


 「“別の”入力マトリクス?」


 ちょっと表情堅かったんだよなー、この時、何故だろ…

 あたしは、ずっと理由を聞きそびれてしまってた…

 ゼミ仲間が、あたしと先生の会話に割って入ってきた。

 まぁ、酒の席だし。

 「みりゅちゃん、これ美味しいわよ、お皿にとってあげた。」

 「わぁ、これ何のフライ?」

 「あれも美味しそうね。」

 「あたし、次はあれにするわ」

 「もぐもぐ…ええ、そうなんです。でも普通に調べられましたよ。」

 「ほう、そうか。」

 教授は、酒のグラスを軽く干すと、何かを考えたようだったが、あたしにはよくわからなかった。

 「ええ…」

 「頑張りたまえ。」

 「はい!」



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