第20話 スライム盗伐みたいです

冒険者ギルドを出た俺とアイラは、昼食を購入してからすぐに森へと向かった。


「スライムなんて久々だな」


そう俺が言うと


「…ツバサ、スライムって強い?」


と、アイラが聞いてきた。


「スライムは俺が初めて戦った魔物だから、そんなに強くないぞ。」

「…私でも、倒せる……かなぁ?」

「アイラは弓だから大丈夫だと思うぞ、攻撃されそうになったら俺が守るからな」

「…ん、ありがとツバサ」

(やっぱり、アイラタソは最高でござる!!この子犬のような目!エルフの特徴の尖っていて感度のいい耳!そしてこの守ってあげたくなるような表情!サラサラしていて触り心地が最高な髪の毛!綺麗に光る金髪!どこをとっても可愛いなぁ!!ファァァァァア!デュフ、デュフフフ…)


そんなことを考えながら俺はアイラと一緒に森に入っていった。




俺は森に入ると、まずアイラに弓をどれだけ扱えるのか見せてもらうことにした。


「とりあえず、アイラが弓をどれくらい使えるのか見せてもらってもいいかな?」

「…ん、頑張る」

(アイラ大丈夫かな?ケガをしたらすぐに直してあげられるように準備をしておかないと…)


そして俺はアイテムボックスを使って弓を取り出すと、アイラに矢と一緒に渡した。念のためにポーションの準備も忘れない。


「弓の使い方はわかる?」

「…ん、問題ない」


そうしてアイラは矢を番えて普通にはなった…ように見えたのだが

『ズゴゴゴゴゴゴゴ』と、物凄い轟音を立てて木が数十本ほど折れた。


「…えーと、これってどれくらい力込めた?」

「…7割くらい」

(まじかよ、俺と同じくらいの人間いたよ!やっぱり俺たちは似たもの夫婦だったんだ!!(゜∀゜)キタコレ!!)


などと現実逃避をしつつ妄想を始めたが、すぐに我に返った


「え、えーと、とりあえずアイラはこれから弓を放つときは基本的には1割か2割くらいで放ってくれ。そうしないと、この森が壊滅しちゃうからさ。」

「…ん、ツバサに迷惑掛からないように…頑張る」

(はぁ、従順な子って最高だぜ…)


こうしてアイラの強さも分かったので、俺達は早速スライム討伐に向かうことにした。



そして暫く歩いていると、虹色のスライムがいた。


「今日初スライムだな。だけど、珍しい色だからな…とりあえずスライム狩りに協力してもらうぜ。」


そう言って俺はスライムに触りスキルを発動させた。

『モンスターテイム』

すると、スライムはプルプルと振動し始めた。


「…ツバサ、このスライムは大丈夫?」


いきなり動き始めたスライムを見て心配になったアイラが駆けつけてくれたようだ。


「大丈夫だ、このスライムは既にテイムに成功しているからな。」


とりあえず、俺はスライムのテイムに成功したようだ。


「一先ずこのスライムに他のスライムの居場所を教えてもらおう。それと、討伐の証はスライムの核だから、間違っても消し飛ばしたりしないように。」

「…ん、わかった」


俺はとりあえず討伐に関する説明を簡単に済ませると、アイラ達一緒に探索を開始した。


暫く歩いていると、


「…ツバサ、スライムいた」

「ん?もう見つけたのか?どこだ?」

「200mくらい先に…2匹いる」

「アイラはハーフエルフだから目がいいんだったな。」

「私…役に、立つ?」

「もちろん!アイラはめちゃくちゃ役に立ってるぞ!居てくれるだけでも十分役に立ってる」

「…そう、それならよかった」


するとアイラが安心したように笑った。


(アイラタソ(以下略))

そしてアイラは矢を番えて、そのまま放った。

矢は狙いを過たずスライムを貫いた…だけではなく、その後ろにあった岩に穴を空けた。


「やっぱり、アイラは強いなぁ。ひょっとして俺が居なくても戦えるんじゃ…ハッ!?」


しまった!ちょっとした嫉妬のせいで変な事を口走ってしまった。それに気付いた俺はすぐにアイラの方を向いた。

すると、アイラが涙目になっていた。


「ア、アイラ!」

「…ツバサは、私が居なくても…平気なの?」

「変な事言ってごめん!アイラが居なくなったら俺の人生に希望が持てなくなる!!だからずっと俺の傍に居てくれ!」


そう俺が必死に謝ると、アイラは突然俺にキスをしてきた。


「…さっきのは、冗談。ホントはツバサに構ってほしかった…だけ。

「まったく、ホントにアイラが居なくなったら俺は泣くからな。…それにしても外でいきなりキスをするなんて、何時にもまして積極的になったなぁ」

「それは…相手がツバサだから。ツバサと一緒にいると…興奮する」

「アイラはすっかり変態になっちゃったな。外でするのに興奮するなんて…」

「…こんな変態な女は、きr「いや、大好きです!」そう、なら…よかった」


その後、何故か俺とアイラは森で獣のように激しく抱き合った。スライムが見ていることも忘れて…

そして情事を終えた後にスライムに見られていたことを思い出し、お互いに赤面をしたのは言うまでもない。



こうして二人と一匹はスライムを200匹ほど狩り、冒険者ギルドに戻ることにした。



冒険者ギルドに着いた俺達はすぐに中に入り、受付に丁度いたリリーに依頼の達成の報告をした。


「スライムの討伐証明部位を持ってきていますか?」

「あぁ、少し多めに狩っといたからスライムの核が大量にあってな。買取は出来るか?確かギルドに持っていけば買い取ってくれるって聞いたんだが…」

「あ、はい!買取は可能ですが、量はどのくらいですか?」

「うーん、たしか200くらいかな?」

「…は?すみません、よく聞き取れなかったのですが…今なんと?」

「え?だから200くらいだと言ったんだ」

「…スライムを3時間で200ぅ!?そんなことが可能なんですか!?」

「あぁ、アイラや俺の使役しているスライムがスライムの居場所を教えてくれるからな。結構簡単だったぞ。」

「そうですか…とりあえずこちらでスライムの核を清算いたしますので、買取を行う分だけ出してもらってよろしいですか?」

「あぁ」


そう言って俺はアイテムボックスを発動してスライムの核を全て出した。


「で、では清算いたしますので、少々お待ちください。」


そう言ってリリーはスライムの核を持って奥の部屋に入っていった。


(ちょっと時間が掛かりそうだから俺とアイラのステータスの確認でもしておくか)

そう思った俺はアイラとステータスの確認をすることにした。

『ステータス』

------------

ツバサ  人間???



LV 34

HP 50000/50000

MP 74300/74300


スキル

鑑定 LV10(MAX)

強奪 LV6

吸収 LV15

消化 LV18

水魔法 LV8

火魔法 LV6

風魔法 LV7

無魔法 LV2

雷魔術 LV1

土魔術 LV1

光魔術 LV1

威圧 LV6

剛腕 LV8

跳躍 LV7

状態異常耐性 LV5

気配察知 LV10

アイテムボックス

剣術 LV8

体術 LV5

二刀流

モンスターテイム LV2


パッシブスキル

ヴァルキリーの恩恵(封印)


ユニークスキル

異世界翻訳


称号

異世界を渡りし者

加護を授かりし者

スライムの天敵

林業の敵

救済者

リア充


加護

剣神の加護

人神の加護

狩神の加護

戦乙女の加護

破壊神(環境)の加護

武神の加護

恋愛神の加護

-----------

アイラ  ハーフエルフ


LV23

HP 24000/24000

MP 22300/22300


スキル

風魔法 LV14

恋人 LV10(MAX)

弓 LV20(MAX)


称号

奴隷落ちの少女

救われた者

リア充


加護

恋愛神の加護

------------

どうやらチートな能力は俺だけではないようだ。


「「…俺(私)たち本当に人間?」」


どうやらここでも二人の息はピッタリなようだ。

俺たちはそのあと暫く他愛のない話を続けていた。

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