第12話 世界の管理者に会ったみたいです

気が付くと俺はまた白い部屋にいた


「またこの部屋か…」

「何度も呼びだしてごめんねぇ」

「また別の神に呼ばれたのか…で、あんたは誰だ」

「おっと、自己紹介がまだだったね。僕はこの世界の管理者…分かりやすく言うと、人神の神だよ。」

「なんでそんな凄いやつが態々俺の夢に出てくるんだ」

「いやー、君のステータスとスキルが高すぎていつか世界を破壊しかねないから、その力を制御できるようになるまで君の力の一部を封印に来たって言えば分かるかな?」

「ファ!?」

「今の君だと本気を出した時点で世界を破壊しちゃうかもしれないんだ。君だってリリーさんを殺したり、ヴァルキリーを悲しませたりしたくないだろ?」

「うぐっ、な、何故そこでリリーとヴァルキリーが出てくる」

「だって君は美人さんが好きなんだろ?僕は世界の管理者だから、そんなことくらいはお見通しさ」

「プライバシーの侵害だ!」

「ハハハッ、わかっちゃうものは仕方がないじゃないか。それとも二人、いや、この世界に住む美人エルフや、獣耳美少女達を殺したいかい?」

「よし、ステータスを減らしてくれ」

「理解してくれて助かるよ」

「ところで封印ってどうやるんだ?」

「えーとね、僕が君のステータスとスキルを一部吸収すれば終わりだよ」

「ファ!?」

「大丈夫だよ、君が死ぬことはないよ」

「そうか、なら早く済ませてくれ」

「OK」

『一部ステータス封印』

できたよ

「さてどんな風になったのかな?『ステータス』」


------------

ツバサ    人間?


LV30

HP 45200/45200

MP 69600/69600


スキル

鑑定 LV10(MAX)

強奪 LV6

吸収 LV15

消化 LV18

水魔法 LV8

火魔法 LV6

風魔法 LV7

無魔術 LV9

威圧 LV6

剛腕 LV8

跳躍 LV7

状態異常耐性 LV3

気配察知 LV9

アイテムボックス

剣術 LV8


パッシブスキル

ヴァルキリーの恩恵(封印)


ユニークスキル

異世界翻訳


称号

異世界を渡りし者

加護を授かりし者

スライムの天敵

林業の敵


加護

剣神の加護

人神の加護

狩神の加護

戦乙女の加護

破壊神(環境)の加護

------------


(何かステータス数値化もなくなってるしステータスも10分の1になってる…しかも自然を完全に敵に回しちゃってるよね!?)


「まぁ、色々と文句を言いたい気持ちはわかるけどこうしないと君はこの世界を破壊しちゃうからさ、僕としても本当は君のハーレム(予定)を壊したくないんだよ」

「おい、今ハーレムの後に余計な文字が付かなかったか?」

「気のせいだと思うよ」

「そうか…ちょっと幾つか聞きたいことがあるんだが」

「まだ君の目が覚めるまで時間があるみたいだから、答えらえることは答えるよ」

「サンキュな、まず一つ目、リリーは無事なのか?二つ目、レベルの上限はあるのか?三つ目、ギルドマスターが異常に強いんだが、あれはどういうことだ?」

「まず一つ目の質問の答え、リリーさんは無事だよ、僕が彼女を守ったからね。そして二つ目の質問への答えは、上限は特にないよ、だけど80を超えた位から急に上げにくくなるから、まだ200に到達した人は居ないよ。でも、ドラゴンや神獣なんかは800を超えるのもいるね。三つ目の質問の答えは、ギルドマスターは人神だからだね」

「は?ギルドマスターが人神??」

「そうだよ、人神は強い人と戦うのが好きみたいでさ、よくああやって強い人と戦ってるだよね」

「あれって、どのくらいの力を出していたんだ?」

「まぁ、見る限りは1、2割くらいじゃないかな?」

(やべぇ、調子に乗って殺されるところだった)

「そんなに怖がらなくても大丈夫さ、人神は悪人以外は殺したりしないからさ」

「よかった~」


俺は安心したようにため息をついた


「おっと、そろそろ君の目が覚める頃だね。結構ステータスは下がったけど強いことには変わりないから安心してね。じゃあ人神によろしくね」


そのセリフを聞きながら俺の意識は遠のいていった


「ハッ」


目が覚めると知らない天井だった。とは敢えて言わない俺だった


「ツバサさん!目が覚めましたか!?」

「ここは?」

「近くの医療施設です、ツバサさんはザックさんと戦った後倒れて、丸一日寝ていたんですよ!グスッ、もし、ツバサさんの目が覚めなかったら、私はいったいどうしたら…」


と、リリーが泣きついてきた


「悪いなリリー、ちょっとはしゃぎすぎたみたいだ。心配かけてすまなかったな」


と頭を撫でてやると


「えへへ、無事でよかったです」


と満面の笑みで言った

(ふぁああああああああ!めちゃくちゃカワユス!リリータソマジ天使!!!)

と思ったが、全力で堪えた俺だが、ふと


「リリーって、やっぱり可愛いな」


と声が漏れてしまった


「!?!?!?!?」


リリーは「ボッ」と音を立てそうな勢いで顔を真っ赤に染めると


「ツ、ツバサさん…いきなり変なことを言わないでください」


と噛みながら言った


「変なことは言っていないぞ、リリーはちゃんと可愛いって」

(くそー!照れてるリリータソも可愛いでござるの巻!)


と、俺は悶絶していた

そんな会話をしていると後ろから


「おーい、儂もここにいるんじゃが…儂を無視してイチャイチャしないでくれんかのぅ」


そうザック、もとい人神が寂しそうに言った


「ザ、ザックさん!?いつからそこに居たんですか!?それと私たちはイチャイチャなんて…ボソボソ」


リリーが焦りながら何かを言ったが、後半の言葉は誰の耳にも届くことはなかった


「いつからと言われても、お主が部屋に入る前からずっと椅子に座っとったわい。そうしたら目の前でギルドマスターを差し置いていちゃこらしおって、これだから最近の若者は…」

「まぁこんなことになったのはあんたが面白がって力を出したせいなんだけどな」

「それについては、儂に非があるがあるのぅ。申し訳なかった」

「とりあえず俺の扱いはどうするんだ?あの一撃に耐えられなかったが…」

「そうじゃのぅ…しかし儂にケガを負わせるくらい強いのからのぅ、とりあえずAランクにしておくわい」

「そうか、それは助かる。ところで、冒険者ギルドはどうなったんだ?」

「それに関しましては直接現場を見た方が早いと思いますよ?」

「なら、ちょっと冒険者ギルドまで行ってくるとするか」


そう言って俺は医療施設をあとにした

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る