音の欠片

小鳥遊葵

第1話 終わりへ向かう旅

生まれてから20年余り。

もう20年といえば「まだまだこれから」といわれるだろう。

しかし私にはもう20年。私にとっては十分すぎる年数だ。

物心ついてから今まで覚えていることよりも忘れたことの方が多い。

それでも、今日まで生きてきた。

まっすぐに

     だらだらと

前を向いて

     過去にとらわれ

生き生きと

     死んだ目をして


私は今日まで生きてきた。



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