第126話 Ordinary New Year's Day(その10)

 後半にはみんな眠たさでだれてきたけれども、お昼近くの別れ際はやっぱり名残惜しい。


「歌菜ちゃん、また連絡するね」


 ちづちゃんとわたしがそう言うと、はい、と歌菜ちゃんが答える。それからこう言った。


「わたしが高1の時、お2人は高3ですね」


「うん」


「じゃあ、間に合いますね。わたし、北星受けます!」


「おー」


「ちょっとレベルは高いけど、北星目指して生きていきます」


「うん・・・いつでもお寺に来ていいからね。なんなら受験勉強も見てあげるから」


「ほんとですか?頭いいんですね」


 わたしとちづちゃんは顔を見合わせる。


「うん・・・多分、ね・・・」


 お兄ちゃんが、”分かった”、と言った、南無阿弥陀仏の意味をもう一度心に浮かべる。


”助けて・・・”


”うん、必ず救うよ”

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