第3話ピンチはチャンス?



まずは、ゆっくり息を吸い何処か身体の以上が無いか、探る。

よし、行ける!


このピンチに、俺のオラクルが、もしかしたら発現するかもしれないと一つの希望で今は、動く!


「ロルト! お前のオラクルで、なんとかしてくれ! 俺は、ヤツの注意を引くから!」



よく観察しろ、よく観察しろ、上から下まで、何か絶対にあるはずだ!


…………無い。


そんな上手くいかないか。


俺が前、後ろにロルト、ヤツを挟んで、円を描く様にゆっくりと廻る。

爬虫類の目で、交互に前、後と、注意を配ってる。

あれだ!

あの目だ!

幸いここは、森、色々な物がある。

周囲に目を向ける。

ヤツも、挟まれてる事に経験が無いらしく

警戒している。


ロルトの方を見る。

目が会うと、頷く。

何の頷ずきだか、よく分からないけど、

取りあえず頷き返す。


ゆっくりと、ゆっくりと、目当ての物に近づいて行く。

そして右脚の爪先を少し掘れた土に引っ掛け

準備する。


よし!

またロルトの方を見る。

また頷く。

またロルトの方を見る。

また頷く。

笑いが、込み上げてきたのをグッと堪え。


大きな声で!

「いくぞー!」

その瞬間、ヤツが、こちらを向いてくる。

右脚を高くつきあげ、ヤツの目に向け土を被せる。

そしてヤツ目掛けて、ダッシュをする。


だが、その瞬間ヤツは、首をクイッと下に逸らす。

土は、空に舞った。


残念~!

実は、二段構えなのよー。

右手に握ってるお目当てを、その下がった

目に擦りつける。


そして

「イギャーー」と叫びを発する!


目当てはヤケド草になる実だった。

こいつは、外敵から身を守る為に実が潰れると、ヤケドをするぐらい高温を出す実で、そいつを、目にみやったまで。


「ロルトー!」

今が、チャンスと思って見ると、ロルトの

顔に土が!


そこまで、計算に入れてなかった……


自分の足を見る。

オラクルが発現する気配もまったく無い。


「目見えなくてもいいから、能力使って思っきり目の前を攻撃してくれ!」


その声に反応して、1度動作が、止まる。

覚悟決めたのか、また動作に入る。

ロルトは、ゆっくり腰を落とした。

さっきの体勢だ。

そうすると、いきなりロルトの靴が、今まで一番の灰色のオーラを纏いだす。


まだヤツは、叫びをあげ槍も放り出し顔を、押さえてる。


「2歩前! 思っ切り決めろーー!」


1歩!


2歩!


………?


ロルトは、思っ切り踏み込んだ。

右足が、綺麗な水平を描いて、

ヤツの脇腹に入る!


その瞬間ヤツの身体が、一瞬弓のようにしなったかと思うと力なく、ドサッと、崩れた。


いい所にはいったとは、いえ一撃。

十分な能力試しになった。


リザードマンは、完全に絶命している。



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