メタスキーマ詩集

メタスキーマ

小景

夏は熟れ、いまや落ちんばかり


あなたはわたしの眼をおおい

わたしはあなたの耳をふさいで

たがいの眼となり耳となって

一つの夏を感じていた


風の死んだ午後

汗は溶け混じる


境界を失くした二人の中に

夏はいま、静かに落ちてくる

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