第154話 格闘

 わたしがベッドに入った後、猫はまだ起きていた。わたしは、ベッドの上から猫の様子を窺う。すると猫は、何かと戦っていた。わたしは驚いて、猫を凝視した。部屋の中が暗いので、よく見えない。しかし猫は手を振り回し、応戦しているように見える。まさか!Gのつく虫では⁉わたしは、戦々恐々と猫を眺めた。その後猫は、興味を失ったように別の部屋へ行ってしまった。しかしよく考えてみると、Gならば、猫が後ろ足で立ち、手を振り回すことなどないだろう。わたしは、そう結論付けて眠りに着いた。

 そして翌朝、ベッドの側には輪ゴムが落ちていた。あぁ、やはりGではなかった。わたしはホッとした。


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