第137話 ごはんが食べたい

 朝だ。いつもより早いがわたしは猫に起こされた。猫に促されるままごはんをあげる。

 わたしはごみを出しに外へ行き戻ってきた。そしてキッチンで水を飲む。すると猫がわたしにすりよってきた。まさかまたごはんの催促か?とりあえずわたしはテレビのニュースを見に行った。猫もわたしについてきた。わたしの側の床に横になり寛いでいる。

 そんな時猫がわたしを見上げながら鳴いた。


「くぅ」

「なーに?」


 わたしは猫を見ながら答える。

 そしてまた猫が鳴く。


「くぅ」

「なーに?」


 わたしも猫に答える。わかっている。これは猫のごはんの催促だ。たが先程食べたはずだ。だからわたしも敢えて「ごはん」という言葉を口にしない。

 そのまま時間が流れるが猫とわたしの問答は続く。

 そんな時猫がしびれを切らして立ち上がった。そしてわたしの膝に乗り、わたしの手に自分の手を絡める。目線はもちろんわたしの目にロックオンされている。わたしは観念し猫に尋ねる。


「ごはん食べたいの?」

「くぅ~くるる」


 猫の返事が返ってきた。ごはんを食べる気満々だ。わたしは仕方なく少しだけ猫にごはんをあげる。猫はあっという間に食べてしまった。すると猫は満足したのか、ケージに入り寝てしまった。

 どうやら眠りたかったようだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る