第134話 高級キャットフード

 わたしは病院の先生に猫へのウェットフードは薦められない、と言われてから考えていた。ご褒美としてあげるウェットフードでも猫の体に良いものはないかと。とりあえずネットで検索してみる。色々と見てみるがどれが良いかわからない。そんな時目についたのは、高級キャットフードのグレービーだ。この高級キャットフードならばもしかして……と思い購入してみた。

 宅配でウチに届いたので、早速猫にあげてみることにした。皿に高級キャットフードのグレービーを出してみる。なんだかあまり美味しそうではない。しかし猫はキッチンで嬉しそうに待っている。わたしは高級キャットフードが入った皿を猫に差し出した。すると猫はいつもの嬉しそうな顔ではなく微妙な顔をしている。ウェットフードでこんな顔をする猫を初めて見た。猫はそのごはんがあまり気に入らないのだろう。わたしとごはんを見比べながら、嫌そうに食べている。嫌なら食べなければ良いだろうに。そこはやはり食欲魔神だからだろうか。

 それにしても今までカリカリでも、ウェットフードでも、嫌な顔などせず何でも食べてきた猫なのに!以前この高級キャットフードのカリカリをあげたがよく食べていたはずだ。

 わたしは、ウチの子(猫)にも好き嫌いがあることにようやく気付いたのだった。

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