第126話 腹時計

 ウチの子(猫)の腹時計は正確だ。

 朝わたしを起こしごはんをもらえると思っているからだ。

 そして猫がわたしを起こす。わたしは周りを見るが真っ暗だ。わたしは時計を見た。午前二時過ぎ。何故だ。おかしい。猫の腹時計が狂ったのだろうか。猫はベッドの下で喉を鳴らしている。

 わたしはとりあえず寝ることにした。そう、まだ朝ではない。しかし猫は起きている。わたしが寝ようとするのを悟ったのか、寝室から出て行ったようだ。猫はキッチンにいるらしい。がさがさとビニール袋を漁っている音がする。

 猫よ、そこに君のごはんはない。きちんと隠してあるのだ。だから頼むから寝てくれ。うるさいよ。君は昼間寝ることが出来るが、わたしには仕事がある。君のごはん代を稼ぐためにもわたしを寝かせてくれ。

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