第89話 鏡
最近購入した姿見の前に猫がいる。鏡に写っているのが自分だとわかっているのだろうか。猫は鏡の中の自分をじっと見つめているようだ。
何を考えているのだろう。
わたしはそっと猫の後ろに立つ。猫はわたしに気付いたようだ。鏡越しにわたしを見ている。わたしは猫に声をかけてみる。すると猫はびっくりしたように振り返る。鏡に写っていたわたしの声が後ろから聞こえたことに驚いたらしい。猫は自分とわたしの違いに気がついただろうか。
それからも鏡の前に佇む猫の姿を見かけるようになった。
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