第11話

「ようやく見つけたましたよ。お姉様」


私はその声を聞いた瞬間、リビングから飛び出し、窓を開け、ベランダから下を見下ろすと見覚えのある青髪の少女が12階にある私の部屋に向け、ニコニコと微笑みながら手を振っていた。


否、微笑んでいるのだが――――――その目は笑っていなかった。


まずいっ‼︎


「無駄ですよ」


すぐさま部屋の中に戻ろうとするが、振り返ると先程まで地上で部屋を見上げていた少女が目の前に現れ――――――私の肩をその華奢で今にも折れてしまいそうな細い両手でがっしりと掴んだ。


そして、何処に隠れていたのか。

ミサイルやらバルカン砲を装備したヘリや隣の部屋や屋上、玄関のドアを蹴破って特殊武装隊らしき連中が私を包囲した。


「今日こそは逃しませんからね」


少女は笑顔を崩す事無くそう言った。



私はただその有無を言わさぬその迫力にかわいた笑いを漏らすしかなかった。

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