ミリオタな男子のAクラスでの日常

@ss109nato

0話

 以下の問いに答えなさい 

「調理のために火にかける鍋を製作する際、重量が軽いのでMgを材料に使用したが、調理の際に問題が発生した。この時の問題点とMgの代わりに使うべき合金の一例を一つ挙げなさい」


宮下零夜の回答

『問題点…Mgが空気中で火にかけると激しく燃焼する点

 合金の例…クロムモリブデン鋼』


教師のコメント

 正解ですが、なんでこんなマイナーな合金を選んだのでしょう?


*クロムモリブデン鋼の一部はM4・M16の銃身として使用されている




自分、宮下零夜(16歳)は自他共に認めるミリオタである。

 陸、海、空、年代を問わず軍事や防衛などといった事柄に興味があり、現に今も、昨日買ってきた元戦闘機パイロットの戦地体験小説を読みながら登校している。

「今日が、結果発表か…」

 自分が通っている文月学園では、二年進級試験の結果によってA~Fまでクラス分けされる。

 自分の感触としてはまあまあ、AはないにしろBかCクラスには確実に行けると思っている。

なのであまり緊張することもなく登校していくと、校門で結果の入った封筒を配っていた。

「おはようございます、西村先生」

「あぁ、おはよう。次は宮下か」

 封筒を配っていたマッチョな先生こと西村先生にあいさつして自分の封筒を受け取る。

「お前は今回かなり頑張ったようじゃないか」

「? 確かに得意の歴史系は自分でもかなりできたと思いますが……」

 結局人類史なんて大半戦争紛争だからな。

「ああ 歴史はもちろんほかの教科も出来が良かった。見てみるといい」

そういわれて早速封筒を開けてみると…

「先生……これ絶対採点間違ってますよ」

「そんなに謙遜することはない!これが今のお前の実力だ。胸を張っていい!」

「こんなの絶対たまたまできただけですよ!絶対授業についていけませんよ!」

「それなら俺たちに質問すればいい。たまたまでそんな点は取れん」

 いや、ほんとにたまたまなんだが。

 すると西村先生がさきを読んだのか、「おまえに決定権などない」と言う。



 封筒の中に書かれていた内容は


『宮下 零夜    Aクラス』





「あと、その小説は没収だ」

「えー!そんなー!」




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